四万十2011

 2000年11月、「石鎚山キャンプ」と題して出かけた石鎚山系への旅。この時、四万十川へも行く予定をしていたが、時間の使い方を誤って計画変更を余儀なくされ、翌年にリベンジをと考えながら11年の歳月が過ぎました。それ以来思い続けた「四万十ツーリング」。それが今回やっと実現し、あの時の思いがよみがえってきました。今は晴々した気分です。

ALBUM

(2011年4月29日~30日)


2011年4月29日(金) 晴れ
 花粉症のレーザー手術をしていたおかげで症状のない春を迎え、今年のGWには絶対に達成するぞと決めていた四万十川への旅。ただし、天気が良ければの話です。週間天気予報では、今年のGWは「スタートダッシュが決め手です。」と書かれていました。よし!とばかりに晴れマークの29日(金)~30日(土)と決めて1泊2日で行くことにしたのです。

 それも、前日は職場の送別会に出席し、帰宅が夜9時過ぎでした。28日の昼の休憩時間に明日から行くと決めたため、何の準備もしていません。帰宅後に酔いの残っている状態で、いそいそと旅の支度をする私でした。そして、明日は午前5時35分発の南海フェリーに乗船することに決めて床に着きました。

 午前4時起床。あっ!バッテリーが外したままであることに気づきました。バッテリーを取り付けてキーをONにすると、燃料タンクも警告灯が付いている状態でした。急いでツーリングスタイルに身を包み、ガソリンスタンドに向かいました。燃料タンクを満タンにしたときは、すでに5時前になっていました。

 和歌山港の南海フェリーターミナルに到着したのが、それから15分後。まだキップを買い求める人の列が見えたので、ホッとしました。「なんとか間に合った!」車も含めて最後から4~5台目の乗船だったので、私が乗り込んだときには、普通客室のじゅうたん席は満席状態で、横になるスペースがありません。仕方なく室外の甲板椅子席に腰掛けて、乗船前にコンビニで買っておいた「おにぎり」で朝食です。

車も含めて最後から4~5台目の乗船だった

 朝食後、持参のツーリングマップルで計画を立てようとしましたが、この時、忘れ物に気づきました。必須の老眼鏡です。ツーリングマップルの文字が細かいため、進みたい国道の号数が読み取れません。そこで、近くにいた小学生らしき兄弟に、何て書いてあるのかを教えてもらうことに。教えてもらった国道の号数だけが四万十川への進入路の道標となりました。

 出航後30分ほど過ぎたころに「じゅうたん席」を見に行くと、ひとりなら座れそうな空きスペースがありました。たぶん、誰かがその席を立ったのでしょう。「ラッキー!」早速ブーツを脱いで座りました。すると、隣の人も気づかってくれて、少し離れてくれました。これで横になることができ、さらにラッキー!助かりました。

ひとりなら座れそうな空きスペースがありました。

 少しうつうつとしたと思うと、もう徳島港到着のアナウンスが流れています。

 下船後は、すぐに国道11号線に出て徳島自動車道を利用するために徳島ICを目指しました。国道11号線に出る交差点で信号待ちをしていると、タクシーが左の横に近づいてきて「どこへ行くん?」と訊かれました。私が「四万十!」と答えると、ドライバーいわく「四万十やったらこっちやしょ!」と、左に曲がることを促します。私が「高速!」と答えると、「うう~ん…池田まわってかぁ…。」だって!私はうなずいておきました。」

 この日の徳島自動車道は、渋滞もなく快適に走行できました。最初の休憩は「吉野川SA」で、到着時刻は午前8時55分でした。その後、川之江東JCTで高知自動車道に入ります。早朝の走行は少し肌寒かったのですが、南国SAに到着した10時過ぎには、かなり暖かくなってきました。

 高知自動車道も今では須崎東ICから西への延伸工事が進められ、四国横断自動車道へと繋がって中土佐ICまで行けるようになっていました。高速道路を下りて少し走った土佐久礼で、快適な高速ツーリングでお腹の空いたCBRに燃料を補給すべくGSに寄りました。ここでの時間は午前11時ちょうどでした。

 まだ昼食には少し早いのですが、朝食が、フェリー内での早朝6時頃に食べた「おにぎり」2個だけだったので、空腹感がありました。「どこか美味しそうな食事処はないかなぁ?」なんて考えながら信号待ちをしていると、後ろから警笛を鳴らす車が!?「ううん!?このスポーツカーは!?」そう…同じツーリングクラブのN氏じゃないですか!

 こんなまさかの偶然が!本当に驚きです。四万十川には以前からお互いに行きたいとは言っていましたが、こんな場所で遭遇するとはびっくりです。もしも私があの場所でGSに立ち寄っていなかったら、もし前が空いていて、もう少しスピードアップしていたら、あの交差点で信号待ちをすることはなかったでしょう。そうすればこの遭遇はあり得ません。

 そんな全ての条件が整ったために起こった偶然が、この驚きの出会いに繋がったのだと言えるでしょう。それもちょうどお互いに空腹状態だったので、目の前の道の駅「あぐり窪川」に立ち寄っては、昼食しながら偶然の出会いによるお互いの驚きの会話を楽しんだのでした。

 そして、お互いの旅の安全を祈りつつ、夕食を一緒にしようと約束をして、その場を別れてのそれぞれの旅を楽しむことにしたのでした。私はこれから四万十川へ、彼は今日「足摺岬」へ、明日は「四万十川周遊バス」を利用して旅するとのことでした。

 その後、私は四万十川への国道441号線の進入路を探したのですが、なかなか見つかりません。それなら先に今夜の宿泊予約をしている民宿「鈴」を探してから、そこで尋ねることにしました。民宿「鈴」はヤフーの地図を拡大してプリントしたものを持参していたので、すぐに見つけることができました。

 なんと1階がタクシーで、2階がビジネスホテルとなっていて、バイクはタクシーの駐車場所に入れてくださいとのことでした。2階がビジネスホテルだから、もちろん屋根付き!そこで、四万十川への行き方を尋ねると、とても解り易い「中村地域マップ」というパンフレットをいただきました。このパンフレットなら目的の沈下橋へも簡単にたどり着けそうでした。

 私にパンフレットを見せながら、「すぐそこの佐岡橋の手前の信号角にGSがあるので、そこを左に曲がって堤防をまっすぐ進めば四万十川に行きますよ!」と教えてくれました。そのとおり本当に解り易かったです。

四万十川への行き方を尋ねる

 国道441号線は、大部分は片側1車線でスムーズに対向できる広く拡幅された道路ですが、まだ何箇所か対向しにくい狭い区間が残っていますので、車の方は気をつけて通らなければなりません。

 そして、最初に見つけたのが「高瀬沈下橋」です。続いて「勝間沈下橋」「口屋内沈下橋」があり、最後に橋を渡って写真を撮ったのが「岩間沈下橋」でした。この日はGWの初日とあってか、また晴天に恵まれたこともあり、多くの人出で賑わって、かえってシャッターチャンスには恵まれにくかったです。

最後に橋を渡って写真を撮ったのが「岩間沈下橋」でした。

 そんなことを思いながらシャッターチャンスを狙っている間にも、時間がどんどん経過して、午後3時を過ぎました。早朝からの活動でもあって疲れを感じる時間です。そろそろホテルへのチャックインにすることにしました。

 バイクを屋根付きの駐車場へと格納し、チェックイン後にホテルの浴槽準備を待ちました。そして私が今日の一番風呂です。大浴場とは言えませんが、ひとりでは十分過ぎる広い湯舟に浸かっては、ゆっくりと旅の疲れを癒しました。それに、夕食は、スポーツカーでのお迎え付き!こんな贅沢ができるなんて、想像もできません!今回は偶然の喜びツーリングとなりました。

夕食は、スポーツカーでのお迎え付き!

 そして、出かけたのが四万十市内の四万十川料理「一風」です。N氏が事前に調べてくれていたこの土地の料理をいただける料亭でした。早速、タタキの「清水サバうなぎセット」を注文しました。それに私は日本酒の2合付き!

 料理を待つ間は、偶然の出会いに驚きながら楽しい会話が弾みます。ところが日本酒が先に届いたものの、肝心の料理が届きません。待つことおよそ40分!GWの初日とあってか?あるいはスタッフ不足か?どうか分かりませんが、それでもふたりでの会話が待つことを和らげてくれました。

 やっと届いた「清水サバうなぎセット」で、それを肴に日本酒が飲める。自由気ままなひとり旅も、ひとりの夕食は寂しいものですが、こんな贅沢なソロツーリングは、北海道ツーリング以来ありません。これも偶然の出会いがあったおかげです。そんな思いがけない夕食のひとときは、あっという間に過ぎていきました。

 明日は早朝から足摺岬へのツーリングを予定していますので、今夜はほろ酔い気分のままで、早い目に着床しました。


2011年4月30日(土) 晴れ
 午前5時起床。いつものようにテレビで天気予報を確認すると、週間予報で見たとおり、今日も1日晴れマークです。早速、身支度をして午前5時45分にチェックアウトしました。外は早朝の爽やかな空気で、とても気持ちのよいスタートです。

 まずはコンビニに立ち寄り「おにぎり2個、野菜ジュース、ヨーグルト」で朝食を済ませました。そして目指すは足摺岬です。国道56号線から国道321号線に入り、「足摺サニーロード」と呼ばれる道を走ります。

 しばらくは四万十川沿いを河口まで進むと、国道321号線は山の中へと入っていき海岸線は見えません。気持ちの良いコーナリングを楽しみながら走っていくと再び海が見えてきます。そこは清水港というきれいな港でした。

 さらに港から足摺岬方面へは、再び岬に突き出た半島へと山間の「足摺スカイライン」に入ります。ここも気持ちの良いコーナーの連続で、コーナリングの練習が楽しくできました。そんないくつものコーナーを楽しんでいるうちに、足摺岬に到着です。ここでしばらくバイクを停めて、岬の灯台巡りへと狭い散策路を歩いて行きました。展望台からの灯台が立つ海の風景は、岬の情緒に溢れてとてもきれいでした。

コーナーを楽しんでいるうちに、足摺岬に到着です。

 帰りは、左回りに県道27号線を海沿いに走り、のどかな風景を楽しみながら、元の国道321号線に戻りました。そして、ゆっくりと往路と同じ「中土佐IC」を目指し帰路に着きました。

 私は重度の花粉症なので、GWには毎年まだ花粉症の症状が残っており、ツーリングに出かけることはありませんでした。でも、今年はレーザー手術の効果があって、最高の春、最高に気持ちの良いGWのソロツーリングを楽しむことができたのです。しかし、安定した晴天には恵まれず、29~30日の2日間だけが晴れマークだったのです。

 だから、この2日間を有効に活用すべく、四万十川と足摺岬だけのポイントに絞って計画し、早朝から出発して早い目に帰るパターンを採りました。昨日N氏と遭って、一緒に昼食休憩をした国道56号線沿いの道の駅「あぐり窪川」に到着したときは、まだ午前9時30分でした。これから特に観光する予定がないことから、早い目に高速道路に入り南海フェリー乗り場に着いておくことにしました。

 高速道路は渋滞もなく順調な流れで、このまま進めば午後1時30分発のフェリーに乗って帰れると思いました。川之江JCTから徳島自動車道に入っても車の流れは順調で、午後12時45分に難なく徳島港に到着することができたのでした。

 予定より早い午後1時30分発のフェリーに乗れることから、リラックスした気持ちになって、フェリー内では、早朝ツーリングの心地よい疲労感で爆睡してしまいました。目が覚めると下船の準備を促すアナウンスが流れています。

 11年前の「石鎚山キャンプ」ツーリングのリベンジを果たした今回の「四万十ツーリング」は、N氏との出遭い、そして、数々の風景写真をカメラに収めた思い出いっぱいのツーリングとなりました。

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