京都・大文字山2010
ちょうど紅葉狩りのシーズン真っ盛りでもあることから、京都の紅葉を楽しむと同時に、未だ登ったことのない「大文字山」へのハイキングを計画し山歩きクラブの友達に持ち掛けると、快く了解が得られ、本日の出発と相成りました。
2010年11月21日(日)晴れ
早朝午前4時30分起床。前日から準備しておいたナップサックを背負っては、午前5時30分自宅を出発し、最寄りのJR駅へと向かいました。山歩きクラブの友達との約束の待ち合わせ場所である駅のホームに到着したのが、午前6時6分です。すでに友達は待ってくれていました。
早速、到着していた午前6時13分発の電車に乗り込んだのでした。この時間の乗客はまだ少なく、空席も多数ありました。そして、山科駅への到着は、午前8時24分でした。空は気持ち良く青々と晴れ渡っていたのが、とても印象に残っています。
山科の高級住宅地を通り抜け、3年前にも訪れたことのある「毘沙門堂」の前を通過して、ゆっくりと大文字山の山頂を目指します。しばらく歩いて行くと、緩やかに山道へと入って行くことになります。
大文字山は、銀閣寺側から最短距離で登れますが、急傾斜のため非常に疲れると思います。でも、山科側から登ると傾斜は緩やかなことから、時間はかかりますが、こちらの方が私には向いています。1本道を進んでいくうちに「後山階陵遺跡」の石碑の前で三差路に分かれます。そこを右に行くと「大文字山」と書かれた道標があるので、すぐ分かります。
山道にしては道幅も広くて、本当になだらかで歩きやすいのです。この辺りは人工林の杉林を通過して行くことから、たくさんの杉の木の合間を進んで行きます。中には間伐をして少し手入れをしている山林もあります。ここでは林業をされている方もいるのでしょう。そんなことを思いながら山科駅から30分が経過しました。
そして、さらに進んでいくと一部には道幅の細い部分がありますが、また杉林の人工林の中に出て、広々とした林道へとそんな繰り返しを何度か重ねながら、すぐにまた暗くうっそうとした所を通過していく場所に出ます。ここからまた30分程度経過して、30歳位の若い人がひとり追い越して行っただけで、他に出会う人はありませんでした。
途中で見つけた道標には「京都一周トレイル」と書かれており、ここが「東山コース」に位置していることが分かりました。ここでやっと二組の二人連れに会い、南禅寺へのコースを尋ねられましたが、我々が来た道には南禅寺方向への道標があったことから「蹴上の方向だと思います。」と適当に答えておきました。あとで地図を見て、ちゃんと合っていたのでホッとしました。
この地点からは、徐々に上り坂の傾斜が増しますが、これで普通の山道程度です。ここまでが尾根伝いに登って来たため、少し急坂になって来たことに変化を感じるだけなのでしょう。ゆっくり登って、先ほどの「京都一周トレイル」の道標からおよそ15分で大文字山の三角点へと到着です。
ところが、辺りを見回しても大文字山の火床が見つかりません。地図を見てみると、山頂から銀閣寺側に少し下ったところにあることが分かりました。そして、山頂から25分程下ったところで、やっと火床に到着です。ここからは京都市街が一望できます。この日はとっても気持ちの良い晴天だったので、最高の眺望を楽しむことができました。
ここまで山科側から登ってきたので、途中で出会った登山客は少なかったけど、さすが銀閣寺側からは、狭い階段では対向できないほど賑わっていました。しかし、銀閣寺側からは急こう配で、下るのもたいへんなくらいです。だから登ってくるのは山科側からの方が絶対ベターだと思いました。
下り始めてすぐの所で、一時的に狭い階段があり対向に気兼ねしますが、そこを過ぎると狭いと感じる箇所はなくなります。勾配は少し急ですが、対向も苦労することなく下って行けました。ここまで下ってくると銀閣寺はもうすぐです。山科を出てから歩き始めて2時間半、かなりお腹も空いてきたので、銀閣寺周辺で少しでも早く昼食にしようと思いました。正午になると、どこに行っても並ばなければ食べられないほどの賑わいですから…。
昼食のことを考えながら歩いていると、もう銀閣寺境内と書かれた看板が見えてきました。その角を曲がると、なぜか石仏が横たわっています。それに周りを数人が囲って何かを話しています。でも、何をしているのかがさっぱり分かりません。何かのお呪いなのでしょう???ご存じな方はご教示ください。
銀閣寺を過ぎた通りに出ると、道は人で溢れ、流れに合わせて歩いていかなければなりません。もうお腹が空いてペコペコです。およそ20分歩いて、ようやく安価な大衆食堂(大銀食堂という屋号だったと思います。)を見つけることができました。比較的空いていたので、待つこともありません。ここで、日替わり定食を注文し、お腹を満たすとともに足の疲れも休めさせていただきました。安くておいしい食堂だったので、大満足です。
しばしの昼食休憩で疲れを癒すと、今度はゆっくりと、今まさに盛りの紅葉狩りを楽しむことにしました。行き先は、紅葉で有名な「永観堂」です。正式には禅林寺という寺院ですが、弘法大師の弟子真紹(しんしょう)が平安時代初期に建立し、のちに入った永観律師の功績を讃えて「永観堂」と呼ばれるようになったそうです。
行ってみると、門前はこれぞ黒山の人盛りそのもので、人で溢れかえっていました。多くの外国からの観光客も訪れています。再び人の流れに合わせるようにして大きな門をくぐっていくと、なんと!そこには拝観券を買い求める長い行列ができていました。
せっかく来たので、行列に並んで入ることにしたのですが、またまた、なんと!拝観料金が1,000円!これには驚きましたが、何度も来れるわけでもありません。この際、奮発して紅葉を楽しむことにしました。
入ってみて、やっぱり高い拝観料を奮発した甲斐がありました。それは驚きの絶景!さすがに「モミジの永観堂」といわれるだけのことはあります。池泉回遊式の庭園と調和した紅葉の色とその枝ぶりは、見事と言うほかありません。まさに絶景です。
永観堂の見事な紅葉を楽しんだあと、再び人の流れに乗って「南禅寺」へと足を運びました。この季節の京都は、どこに行っても最高です。人も風景も食べ物も、何もかも驚くばかりです。南禅寺もまた同じです。ただ一つ違うことは、ここは、拝観料が無料ということです。その分、先の永観堂のような特別拝観はなく、本堂等の建物内を見ることはできません。でも、紅葉を楽しむだけなら、この南禅寺だって負けていません。
そして、南禅寺の境内には美しい造形をした「水路閣」があります。これは、琵琶湖の湖水を、京都市へ通ずるために作られた水路(疏水)で、明治22年(1889年)に完成した琵琶湖第一疏水分線の一部だそうです。大きさは、全長93.17m、幅4.06m、水路直径2.42m、高さ13mで、2基の橋台と13基の橋脚が大小の連続アーチを形成して、その上の水路を毎秒2tの水が流れているそうです。これを見て、現在のように優れた建設機械のない時代に、昔の人々の能力は素晴らしいと思いました。
水路閣の下を通り抜けて、南禅寺の三門の前でしばしの休憩を取りながら、きれいな紅葉と人間ウオッチングを楽しみました。そして、本堂へと進んでいく中で、大きな三門をバックに写真を撮りました。人の波にまみれながら人に向けないで撮影するのが、なかなか苦労しましたが、どうにか1枚撮影することができました。う~ん!それにしても、どでかい三門です。
南禅寺のでっかい三門を見て思い出しました。それは3年前の「年末年始京都旅行」と題してこのホームページにも掲載していますが、その時、除夜の鐘を突くために出かけた知恩院(実際は人出の多さに驚いて「除夜の鐘」をたたくには尻込み)の、それまたでっかい三門をもう一度見たくなったのです。そして、時間も押していることから、すぐに知恩院へ向かうことにしました。
仁王門通から「蹴上」の大きな三差路の交差点に出て、三条通を神宮道へと歩くことおよそ40分、やっとどでかい「知恩院」の三門が見えてきました。しかし、このホームページの「年末年始京都旅行」でも紹介していますが、3年前に訪れた時は、三門の前の道路を通行する車はなかったので、遠くから全体像を撮ることができましたが、今回はそれがかないませんでした。
やむを得ず撮った1枚がこれです。これじゃ三門だか何だか分かりませんね。まぁ…それだけでっかいってことです。詳しくは、知恩院のホームページに文化財として紹介されていますので、そちらをご覧ください。
知恩院の三門の大きさを目の当たりにして、再び驚いたところで、すぐ隣の円山公園にて、池で戯れるカモを見ながら小休止しました。ここでも紅葉が色づいて、写真に撮って見る分には、結構きれいに撮れていました。でも、実際は「永観堂」の規模にはかないません。
円山公園でひと休みしているうちにも、時間はすでに午後3時を過ぎています。そろそろ帰路に着かなければならない時間になっています。それで、ここから、更に地下鉄の四条駅まで祇園から四条通を歩いて行きました。祇園の歩道は狭いため、人で溢れています。そんな中をそぞろ歩きで進むことおよそ30分、途中、疲れてビル陰で小休止しました。
そして、京都駅地下ポルタのレストランで早い目の夕食を済ませては、空席のある電車に乗るために京都駅を近江八幡駅まで逆走し、続いて大阪駅から京橋駅へと再び逆走し、「紀州路快速」も空席を確保して帰って来たのでした。そんなわけで、帰宅は午後9時頃になってしまいました。
「秋の関西1デイパス」という乗り放題きっぷで出かけた「京都・大文字山」への日帰りの旅は、紅葉狩りのハイシーズンとあって、京都のまちは人の嵐でした。でも、この乗り放題きっぷのおかげで、連休の1日を時間を気にせずにゆっくり過ごすことができました。JP西日本さん!ありがとうございました。感謝!感謝!
午前5時30分に自宅を出てからは、電車に乗ったり食事や休憩をしたりしている時間を除いて、ずっと歩き詰めだったので、全行程の歩いた距離は、およそ16kmにもなりました。相棒のWさん!どうもお疲れ様でした!これに懲りずに、また、お相手してくださいね~!








