愛宕山2008

 「山歩きクラブ」の第3弾目として、今回は、紅葉が見頃な京都の「愛宕山」に登ることにしました。天気予報では晴れ時々くもりの、まぁまぁの天気で、気温も16℃と、山歩きにはちょうど良さそうな予報です。

ALBUM

 愛宕山は、妻も以前から行ってみたいと言っていた場所ですが、自治会の不幸事と重なって参加できなくなり、止むを得ず、今回は3人で行くことにしました。


2008年11月21日(金) 晴れ
 行きは、和歌山駅を6:44発(六十谷6:48発)の直行快速で大阪駅に行き、大阪駅からは、新快速で京都駅まで行きます。その後は、JR嵯峨野線で「嵯峨嵐山駅」に行き、「トロッコ嵯峨駅」からトロッコ列車に乗り換えて「トロッコ保津峡駅」まで行きます。ここからが、本格的な山歩きで、愛宕山山頂にある「愛宕神社」に登り、帰りは月輪寺に立ち寄るコースで下山することにしています。

 予定どおり、午前9時39分にJR嵯峨野駅の「嵯峨嵐山駅」に到着し、トロッコ列車に乗るために、すぐそばの「トロッコ嵯峨駅」に行ったのですが、乗車券を買い求める人の行列ができていて、予定の発車時刻である9時50分発の「きっぷ」は、既に「売り切れ」と表示されていました。

 トロッコ列車は1時間毎の発車なので、9時50分発に乗れないとなると、次は10時50分発しかありません。そうなると、下山後の時間の余裕がなくなってしまうため、止むを得ず、タクシーを利用することにしました。

 ちょうど駅前に、お客さんを乗せたタクシーが到着し、そのお客さんが下車したあとに乗車させてもらうことができ、とてもグッドタイミングでした。ところが、運転手さんに「保津峡駅までお願いします。」と依頼したところが、あまりうれしくないような返事が返ってきたのです。

運転者さん曰く「保津峡駅ですか…?あそこは道が狭くてねぇ…。」

私「うう~ん…。保津峡駅から愛宕山に登りたいんですが…。」

運転手さん「愛宕山でしたら、清滝から登られたほうが良いですよ!そこまででしたら、道も込まないので、行き易いし…。」

私「そうですか…。それなら、お互いに都合が良いから…。帰りの下山を「清滝」に予定していたのですが…じゃ、そうしてください。」

 ということで、結局、清滝までタクシーで行きました。予算も結果的にトロッコ列車より安くつきました。

 清滝に到着したのが、ちょうど10時でした。天気はくもりでそれほど寒くもなく、まぁまぁの状態です。ただ、紅葉が少し見頃を過ぎていたのが、ちょっと残念でした。

 ここから「愛宕山」へは、赤い鳥居をくぐって「愛宕山表参道」を約5㎞登ることになります。最初は、緩い坂道に少しの階段があるだけで、それほどきついとは思わなかったのですが、途中から階段ばかりになってきました。

赤い鳥居をくぐって「愛宕山表参道」を約5㎞登ることになります。

 天気もややこしく雨が降ってきそうで、樹林に挟まれた参道は薄暗くなってきました。登り始めて30分程経った頃には、もう延々と階段ばかりとなり、着用していたタイツがあだになって、全身が汗びっしょりになりました。それに、保津峡駅からの予定が、清滝までタクシーで来たため、お茶を買い忘れていることに気づきました。

 登って行くうちに風が冷たさを増し、汗をかいたままでは風邪を引いてしまうので、恥ずかしながら途中でタイツを脱ぎました。この辺りからは、5分おきに休憩しないと、きつくて体力がついていきません。このまま山頂に「お茶」が売っていなければ😥どうしようと思いました。

 午前10時30分。早朝からお参りしたのか、もうこの時間に下ってくる方々がいます。たぶん地元の方でしょう。とにかくお茶のことが心配だったので、下りて来た夫婦連れと思われる二人組みの方に聞いてみました。

「上に、お茶の自動販売機はありますか?」と尋ねると、「ありますよ…ちょっと高いけどね!」と、笑いながら教えてくれました。

 もう、値段のことなど考えてはいられません。あぁ…これで一安心です。ここからは、また、気合を入れ直して登りました。

 しかし、登っても登っても、目の前にやってくるのは階段ばかりです。ただ、救いは、一般の山道にあるような不規則な階段ではなく、まぁまぁ規則正しく造られた階段だったということです。そこは、愛宕神社の表参道ということもあり、道幅も広く、きれいに造られていました。

愛宕神社の表参道ということもあり、道幅も広く、きれいに造られていました。

 登り始めて1時間50分で、ようやく、あと500mというところまで登ってきました。時間もお昼前となって、空腹感とともに、体力の消耗はピークに達しています。でも、ご高齢の方々が登って行く中で、負けてはいられません。残りの体力を振り絞って、最後の500mに挑みました。

 それでも、まだまだ延々と階段が続いています。前を見るだけで、心身ともに萎えてしまいそうになりましたが、一段ずつ、また一段と、あとは気力だけで進んで行きました。

 やがて、辺りは幾分明るくなり、愛宕神社のお社が近づいている感じにはなってきました。でも、前を見ると、まだまだ遠く道が続いています。初めて訪れた所は、距離感が掴めていないので、自分のいる位置が分からず疲れます。

 時間も正午を過ぎて、やっと神社の休憩所に着きました。ここで、もう限界を感じ、まずは、お昼休憩としました。京都駅で買ったお弁当は、いつもの「コンビニおにぎり」とは比べ物にならないほど豪華です。

やっと神社の休憩所に着きました。

 それに「お茶」の自動販売機があったのが、何よりの喜びでした。300円とコンビニの倍の値段には少し驚きましたが、山上まで運んでくれていることを思うと、「こんなものかなぁ…。」とも思いました。とにかく、空腹感がピークに達していたので、お弁当の味もまた格別でした。

 ところが、山上は、かなり気温が低いようで、お箸を持つ手がかじかんできました。汗をかいているために、じっとしていると寒くなってきます。そのため、昼食休憩もほどほどにして、また、愛宕山の山頂を目指して再スタートしました。

 昼食後も、まだ、一層きつい階段が目の前に立ちはだかっています。神社の灯篭がいくつも見えてきたことから、あと少し頑張れば「愛宕神社」の本堂に到着しそうです。食後はお腹に力が入り、体力も回復してきたので、またファイトが湧いてきました。

 階段を登り切ったところに、愛宕神社のお社がありました。やっと到着です。長い長い階段には、もう辟易してしまいます。ところが、まだまだ、奥があるようです。

階段を登り切ったところに、愛宕神社のお社がありました。

 その奥にある廊下を渡ると、更にその奥が愛宕山山頂に当たるそうです。

 しかし、「ここが愛宕山山頂だ!」といった三角点となる標示物が見当たりません。結局、山頂の位置を把握できないまま下山しなければならない羽目になってしまいました。せっかく、山頂までの4㎞もの長い階段を克服して登って来たのに、これだけがちょっと残念でなりませんでした。

 でも、見つからないのは止むを得ません。仕方なく、また、長い階段を下って帰路に着きました。帰り道は「月輪寺」に立ち寄る形で下って帰ることにしています。

 帰路は、「表参道」とは一変して、本来の山道となっています。下り始めは平坦な道でしたが、進んで行くうちに、徐々に下り勾配がきつくなってきました。

帰り道は「月輪寺」に立ち寄る形で下って帰ることにしています。

 落ち葉が一段と多くなり、道が見えないほどに積っています。滑りこけないように注意して下りました。このような長い山道が、また延々と続きます。九十九折の急な勾配の所も何箇所かありました。

 落ち葉を踏みながら延々と進んだ下り坂も、時折平坦な場所があり、ひざを休めることができました。長い下り坂は、一気に下るとひざに負担が掛かり、痛めることがあるので注意が必要です。

 約30分下った所に「月輪寺」があります。奥深い山の細道の沿道に、ひっそりと佇む小さな寺院です。辺りには人家はなく、なぜ、このような人里離れた深い山中に建てたのでしょうか。「いや…待てよ…。」そういえば、長い参道を登って行かなければならないような、山中に建造されているお寺が多いですね。どうしてだろう?

約30分下った所に「月輪寺」があります。

 月輪寺に参拝して帰る途中、沿道にとてつもなく太い「カエデ」がありました。幹周りが3m近くありそうな、こんなに太いカエデを見たのは初めてです。一体、樹齢何年経っていることでしょう。ここからは、この月輪寺の参詣道を下っていくことになります。

沿道にとてつもなく太い「カエデ」がありました。

 月輪寺の参詣道は、整備の行き届いていない狭い山道で、一人しか通れない箇所も多く、たまに行き交う人とは、道の際に避けなければ、すれ違うことすらできません。こんな山道を、どうやって月輪寺を建造したのか不思議に思いました。

 月輪寺を出て45分、やっと登り口まで下りてくることができました。ちなみに、この参道を月輪寺まで登るのに、達者な人で1時間30分以上もかかるそうです。

約7㎞の山道を下ってきたので、ここでちょっとひと休みです。

 約7㎞の山道を下ってきたので、ここでちょっとひと休みです。時間は予定よりも2時間近く早く、まだ午後2時15分でした。「これからJR保津峡駅に出て、京都タワーの大衆浴場に入って、1杯飲んで帰ろうか。」そんな帰りの計画を話し合って、東海自然歩道を元来た「清滝」へと再出発しました。

 東海自然歩道は、道標も整備され、歩いて楽しい歴史街道です。現在、京都を一周できる東海自然歩道が整備されつつあるようです。

 この辺りから清滝までの道は、広くて快適な舗装道路となります。およそ15分歩くと清滝に着きました。時間は午後3時ちょうどです。愛宕神社を出発して、約2時間で元の清滝に到着です。

 ここでしばらく休憩をして、ここから清滝川の流れに沿って、東海自然歩道を「落合」まで歩き、更に「JR保津峡駅」まで歩きます。その後は、電車で京都駅に向かい、京都タワーの地下にある大衆浴場にて疲れを癒し、夕食で打ち上げをして帰ることに決めました。

京都一周トレイル案内図がありました。

 清滝川のほとりでは、ちょうど紅葉が見頃を向かえ、絵に描いたようなきれい風景がありました。橋の上からは、外国人らしき写真家が、大きな3脚を立ててこの風景をカメラに収めていました。

 更に進んでいくと、また階段がありますが、これは、愛宕山にあったような長い階段ではありません。東海自然歩道は、起伏の激しい道はないので、それほど疲れを感じることはありませんでした。

 清滝を出発しておよそ30分で落合に着きました。落合橋を越えてトンネルを抜けると、清滝川と保津川の合流地点に出ます。保津川の流れに沿って「トロッコ保津峡駅」の近くを通り過ぎ、およそ10分歩くとトンネルがあります。そこを抜けると、やっと「JR保津峡駅」が保津川を跨ぐようにして見えてきます。

 「JR保津峡駅」に行くには、まだ「保津峡橋」を渡って行かなければなりません。その頃、快速電車が通過して行きました。普通電車は、この快速電車のあとに来ることが多いので、急がなければと思っている矢先に電車がホームに入ってきたのです。全速力で無人駅を駆け込み乗車しました。

、やっと「JR保津峡駅」が保津川を跨ぐようにして見えてきます。

 1分1秒待つこともなく電車がやってくるなんて…本当にグッドタイミングでした。喜びで笑いが止まらないほどでした。こんなグッドタイミングは、やろうと思ってもできるものではありません。

 そして、このまま京都駅へと直行です。午後4時30分頃には京都駅に到着し、疲労解消にと京都タワーの地下にある大衆浴場に行きました。広い浴槽に足を伸ばせば、気分最高です。

 そして、お風呂上りの一杯にと、打ち上げ場所を探しましたが、今ひとつ適当な場所が見つかりません。2~3箇所を回っているうちに、京都タワーを出てすぐ近くにある居酒屋を見つけました。名前は忘れてしまいましたが、手ごろな値段の店だったので、入ることに決めました。

 とりあえず生ビールで乾杯!私は、いつもの枝豆と「おでん3種類」を注文しました。みんなで他にも色々と注文したところが、あとから注文したものが先にきているにもかかわらず、「おでん」がきません。「おでん」なんて、注文を受けてから作るような店などあるはずもなく、あまりにも遅いので聞いてみると、案の定、厨房に通っていませんでした。

 注文を受けてくれた人は、70前後の女性の方でした。年のせいにしては失礼ですが、ちゃんと紙に書いていたのに忘れるとはね~。年はとりたくないものだなぁ…と思いました。

 帰路は、当初の予定どおりになりました。紀州路快速の車内で、姪の「めぐみさん」に遇ったのには驚きました。仕事の研修帰りで遅くなったとか…。

 いろんなハプニングもありましたが、無事に帰宅できて何よりです。これで、またひとつ楽しい思い出が増えました。

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