伊豆・箱根2008
【もくじ】
11/18>和歌山~沼津(千本浜公園)~大観山~長泉
11/19>長泉~大観山~乙女峠~朝霧高原~西伊豆スカイライン~長泉
11/20>長泉~葛城山パノラマパーク~和歌山
諸般の事情により、当初の日程から二転三転しましたが、どうにか予定も落ち着いて、あとは、天気予報が晴れマークになることを祈るだけでした。それが、出発2日前の週間天気予報では、一時的に冬型となって気温が低下するものの、なんと!連日晴れマークが並んでいます。これで実行を決定し、その夜すぐにホテルの予約を取りました。「西伊豆スカイライン」に思いをめぐらせてから早や3年、計画を立ててからも既に2年が経過し、今年は是が非でもと思い続けて、やっと実現にこぎつけることができました。
(2008年11月18日~20日)
予定どおりに目を覚まして外に出てみると、空は満天の星でした。「やった~!」天気予報を信じて、レインウェアーは持参しないことにしました。これだけでも、荷物が少なくて大助かりです。
準備したタンクバッグを取り付け、今回は、歩く必要があっても大丈夫なように、スニーカーを入れた小型バッグを、リアシートにくくりつけて行くことにしました。さぁ!これで準備はOK!出発は午前5時15分でした。
高速道路に入る前に、いつものセルフGSで燃料を満タンにしていきます。まだ、夜明けまで1時間以上もあるために、店はひっそりとしています。辺りは真っ暗ですが、こらから白々と夜が明けてくる頃が、私の一番好きな時間です。1日の始まりというか、また新しい未来がやってくるような気がして、何だか勇気が湧いてくるのです。反面、薄暮は寂しくて、あまり好きではありません。
近畿自動車道を走行中に、きれいな朝陽を拝むことができました。空は、雲ひとつないほどの、すっきりとした青空です。このまま今日から3日間、安定したお天気でありますようにと、祈りながら走りました。少し風は冷たいですが、私にはちょうど心地よい風でした。
「吹田Jct」から名神高速道路に入り、途中「桂川SA」で朝食休憩としました。ここでの時間は7時20分でした。通勤渋滞に巻き込まれないように早い目に出発し、いつもは休憩に利用する「岸和田SA」も通過してきたのですが、「門真IC」あたりから、少し渋滞に遭ってしまいました。でも、こんな渋滞も、抜けるような青空が疲れを感じさせません。
今回の高速道路利用ルートは、「沼津IC」を到着地点として、新しく完成された「新名神高速道路」を利用し、「東名阪自動車道」から「伊勢湾岸自動車道」を通り「東名高速道路」へと抜けるルートを走ってみることにしました。
名神高速道路を「草津Jct」から「新名神」に入ると、道路は1車線増加し、3車線となって「亀山Jct」までの山間部を快走できるようになっています。あまりの素晴らしさに感動しました。途中「土山SA」で燃料補給を兼ねて小休止を取りましたが、サービスエリアまでもが進化しているようにさえ感じます。給油もセルフで、高速道路では初めての体験でした。
続いて「東名阪自動車道」から「伊勢湾岸自動車道」に入ると、「ナガシマスパーランド」のすぐ横を通り抜けるようにして、いくつもの巨大な橋の主塔が見えてきます。このような巨大な橋を渡るたびに、人間の偉大さを感じます。
「伊勢湾岸自動車道」を通過すると、「豊田Jct」から「東名」へと繋がります。新しい道路を走ってきたからか、周りの風景もまた、いつもと違って爽快な気分にさせてくれました。ここで、のどの渇きを癒すため、「東名」に入って初めてのパーキングエリアである「美合PA」で小休止を取りました。
「東名」は、もう何回か走行している高速道路だから思うのですが、いつも、浜名湖を過ぎた辺りで眠気が襲ってきます。自宅を早朝出発してから同じ頃の時間になるためか、太陽との角度が影響するのかよく分かりませんが…。
眠気を我慢しながら走るのは、非常に危険ですし辛いです。ふとトリップメーターに目をやると、そろそろ燃料補給をしておかないといけない距離を走っていることに気づきました。その頃、目の前の標示に「牧之原SA」までの案内があり、ここで休憩するのがちょうど良い場所でした。給油場所の予定を決めていなかったので、早目の給油が必要だからです。
「牧之原SA」でCBRへの燃料補給とともに自分への水分補給を行い、小休止して眠気を解消させました。少し歩いて身体を動かしただけで、次第に眠気がなくなって、爽快な気分に戻りました。東名高速の、しかもこの時間帯は、単調すぎて眠気が襲ってきます。自宅を出発してから、既に5時間半以上経過しています。ここから「沼津IC」までもう少しだ!気合を入れ直して再出発しました。
その後、約1時間ちょっとで「沼津IC」を通過できたように思います。お昼休憩に立ち寄ったローソン「沼津ぐるめ街道店」のレシートに記載されていた時間は、午前11時56分となっています。
「ETC」を装着してからは、料金所での面倒な一連の行為が必要ないことで、非常に便利にはなりました。ところが、領収書をもらうことがなくなったので、あとで、インターチェンジを通過した時間を確認できません。だから、その都度、時計を見て記録しておく必要が生じてきました。しかも、すぐに記録しておかないと忘れてしまいます。そのため、区間の時間を記録したいときは、ちょっと面倒です。
そんなことを思いながら、ホテルに向かうにはまだ時間が早すぎるので、沼津市内の観光がてらに「千本浜公園」へと立ち寄ってみることにしました。
R1(国道1号線)からR414に入り、JR東海道本線の高架下をくぐり抜けるように進んで行くのですが、それが片側1車線で、高さが3.8mしかなく、バイクでも、あまりの狭さに道を間違えたのかと思い、何度も地図を見直しました。交差点の多い市街地には、国道等の案内標示を、もう少し多く設置してほしいものです。
案内標示が分かりにくいR414を、勘を頼りに進んでいくと「千本浜公園」への道標がありました。ここからは分かり易く、難なく到着することができました。ところが、海からの風が非常に強く、バイクが倒れないかと心配するほどでした。駿河湾の波も荒れていました。
ここからの富士山の眺望がきれいなはずなのですが、薄っすらと霞んでいてはっきり見ることができません。ちょっと残念でした。でも、まだ沼津に到着したばかりです。予定では本日の観光はありません。日の落ちないうちに、まずは、宿泊予約をしている「スーパーホテル長泉」の場所を確認しておくことにしました。
ひとまず、R414に出てR1に戻り、R246を御殿場方面へと向かいます。しばらく進むと、国道沿いに「スーパーホテル長泉」を確認できました。今日から2泊を連泊し、ここを拠点に、伊豆半島を、まる1日かけて観光する予定にしています。
ここでの時間が午後2時前でした。チェックインするにもまだ早いし…。「そうだ!」以前も芦ノ湖周辺を観光しておきながら見逃していた〝大観山〟からの眺望を、今回はどうしてもカメラに収めたい!今からなら大観山を往復しても、充分時間があるだろう。
そう思い、早速、R1(国道1号線)を東進し箱根峠を目指しました。道は非常に分かり易く、箱根峠のワインディング走行を満喫することができただけでも、最高の気分でした。「これが、バイクツーリングの醍醐味だ!」と言わんばかりに気持ちの良い峠です。
「スーパーホテル長泉」を出発しておよそ1時間で、箱根峠の山頂に到着できました。ここからは、芦ノ湖畔の「箱根関所南」交差点を右折して、県道75号線で大観山に登ります。途中、カーブを抜けるたびに見晴らしが良くなり、軽快なコーナリングを楽しみながら、あっと言う間に山頂に到着できました。
駐車場の際にバイクを停めては、その絶景の素晴らしさに、しばらく釘付けにされました。でも、欲を言えばきりがありませんが、この霞がなければ、言うことがないのですが…。ここでも、ちょっと残念な思いがしました。
しかし、霞や雲はどうすることもできないから、あっさりと諦めて、今日のところはホテルにチェックインすることにしました。絶景の写真撮影は、プロのカメラマンのようにはいきませんでしたが、雨の心配をよそに、大観山から箱根峠と、バイクツーリングの醍醐味を満喫できたことが、何よりの想い出となりました。
午後4時30分に「スーパーホテル長泉」にチェックインしました。夕食は、すぐ隣にあるセブンイレブンで購入し、ホテル内の天然温泉に直行して、旅の疲れを癒しました。これがまた何とも言えず気持ちよく、部屋のユニットバスとは比べ物になりません。なるほど!「スーパーホテル」と言うだけのことはあります。また、シングルでも部屋は広く、ベッドはWベッド並みの大きさで、ぐっすり休めそうです。
テレビは液晶(21インチ)で、もちろんデジタル放送を見れて最高でした。それに、なんと!天気予報では、明日の静岡県下一円が、どこもかしこも、朝から1日を通して晴れマーク!冬型が強まって寒くはなりそうですが、この天気予報を見ただけで、今夜はぐっすり寝れそうです。そこでもう一度、地図でルートを確認しては、大きなベッドに横になりました。
本日の走行距離:533.6km
本日の燃料補給:34.28ℓ
午前4時45分起床。窓から外を覗いてみると、雲ひとつ無い様子。テレビの天気予報は、昨夜と全く変わっていません。「よし!予定を変更して、もう一度大観山に挑戦だ!」そうと決めれば、早速セブンイレブンで朝食を買い込み、出発の準備にかかりました。
ホテルはバイキングの朝食付きですが、7時からのオープンでは食べてなんかいられません。日の出までに大観山に登りたい一心で、コンビニおにぎりを頬張りながら出発の準備を整えます。そして、連泊の身軽さに、更にチェックアウトの必要のない気軽さで、颯爽とホテルをあとにしました。
ところが、ホテルの外に出てびっくりです。素肌にあたる風の冷たさが、昨日の比ではありません。ジャケット内はサーモの上下にセーター、更にはオーバーパンツと寒さ対策は万全ですが、昨日との気温差の激しさに驚きました。
それでも、ヘルメットを被り、冬用手袋をさせば、もう寒さ知らずです。大観山まで約1時間と、昨日の下調べ?がきいています。一度行っているので、夜明け前でも、全く心配なく大観山を目指せます。空は雲ひとつ無く、満天の星。午前5時過ぎ、邪魔する車の少ない時間帯で、R1を軽快に飛ばし、箱根峠を一気に駆け上りました。
冷たい風の吹く中でも、大観山には、既にカメラマン数名が三脚を立てて構えています。私は、昨日と同じ場所にバイクを停めて、鎮まりかえった壮大な眺めに目を奪われていました。すると、私のバイクに気づいた女性(60代前半?)カメラマンが近づき、声をかけてくれました。
「寒いですね!和歌山からですか!?」と…。私が「ええ…。」と、はにかみながら応えると、「今日みたいな日は、めったと無いですよ!私は近くだけど、今日で3日目なの…。」って、私のタイミングが良いことを、羨ましそうに話しておられました。
気温は「-1℃」と標示されていました。風が強いので、手袋を外せません。しかし、冬用ツーリンググローブでは、カメラのシャッターを押すことができません。日の出とともに変化するシャッターチャンスが訪れるたびに、手袋を外し、凍える手で、震えながら撮影した絶景をご覧ください。
大観山から望む富士山と芦ノ湖。そのすっきりと晴れわたる最高の絶景をカメラに収めることができ、私は本当に幸せ者です。この好天をプレゼントしてくれた天の神様に感謝します。
こんな素晴らしい好天の日を、無駄にしては罰が当たります。近くなら、また明日…と、お気に入りの写真が撮れるまで通い続ければよいことですが、私はまだ現役サラリーマン。時間に制約されることが多く、また、このような好天に恵まれるとも限りません。
「そうだ!今までに何回か足を伸ばしたが、今日のような絶景をカメラに収めることができなかったあの場所へ…もう一度行ってみよう!」そう決断した瞬間にはバイクに跨って、タンクバッグのツーリングマップルを開いていました。そして、今回の予定を、「富士山ビューポイント撮影」へと変更することにしたのです。
そうと決めれば、ルートはこうで、ポイントはあそことあそこ。一つは、「御殿場富士公園線23号」から富士山を正面に見て走る絶景ポイントらしい場所。そして、もう一箇所は、「朝霧高原」からの雄大な富士山です。今日のような好天なら、ここに行くまでに通る「乙女峠」からの富士山も最高だろうなぁ…なんて想像しながら、午前7時過ぎに大観山を下りました。
まずは、芦ノ湖の湖畔を通って、仙石原からR139に出て、御殿場に向かうことにしました。途中の金時山を越えるのが「乙女峠」です。朝陽を浴びて、青空一色に晴れわたる風景は眩しいくらいです。こんな好天の早朝に望む、乙女峠からの富士山と御殿場の街は、予想を超える絶景に違いありません。山頂が雲隠れしていないことを祈りながら乙女トンネルに入りました。
そして、トンネルを抜けて、最初のカーブを通過した瞬間に、朝日に輝き、全貌を露にして、裾野を広げた素晴らしい富士の姿が目に飛び込んできました。この乙女峠から望む富士山は、山頂が丸く、なで肩で、淑やかに着座する乙女の姿に見えました。こんな素晴らしい富士山を望むことができて、今後ますます富士山の虜になってしまいそうです。
こんなに素晴らしい風景を、毎日のように見られる人は幸せだろうなぁ…なんて思いながら乙女峠を下って行くと、今度は、正面に雄大な富士山を仰ぎ見るようにして、R138を御殿場市街へと入って行きます。
R138を山中湖方面へと直進し、しばらく進むと、R246と立体交差する「萩原北」交差点があります。これを左折して5分程で、「御殿場富士公園線23号」と交差する「ぐる沢丸太」交差点に出ます。次に、この交差点を右折すると、ここからが「御殿場富士公園線23号」になります。
ここまで来れば、あとはもう直進して行くだけです。住宅街を通過して徐々に勾配が出てくる頃に、正面に大きく顔を覗かせる富士山が見えてきます。道の両側には桜並木があり、春は最高かもしれません。一度は訪れてみたかったこの場所でしたが、道の片側に立ち並ぶ電柱と電線に妨げられて、折角の風景美に水をさしているように思えるのは、私だけでしょうか。
写真は少し残念に感じましたが、青空をバックに、雪化粧がさえる富士山を正面に見ながら走っていくと、ルンルン気分になってきます。こんな最高の気分でワインディングロードを駆け上っていくと、今度は富士山スカイラインに出ます。樹林から顔を覗かせる富士山を垣間見ながら走っていく気持ち良さは、最高でした。
続いて、朝霧高原を目指しました。富士山スカイラインを下り「白糸の滝」方面に向かうと、途中、今度は下りのワインディングロードがあります。コーナリングを味わいながらしばらく進むと、R139に交差して行きます。これを「本栖湖」方面に向かうと朝霧高原です。
R139は、なぜか大型トラックやトレーラーが非常に多いように感じました。車間距離を取らない大型車の間にサンドイッチにされて、少し怖い思いをしました。大型車のわずかなすき間に挟まれながら進んでいくと、やっと「朝霧高原」の案内標示が見えました。
辺り一面が大きく開けるパノラマの風景の中に、「これが富士山だ!」と言わんばかりに、どっしりと座っているのが見えてきました。ちょうど横には、朝霧高原のパーキングエリアがあって、最高の眺望を望むことができます。ここからは、草原の中に、雄大な富士山を単独で捉えることができ、また違った趣を感じました。
一度は現地を訪れたことのある場所ばかりですが、今までは雲隠れしていて、こんなに素晴らしい富士山を眺めるのは初めてです。もう、思い残すことがないくらいです。
時間も午前10時となり、ここであまりゆっくりはしていられません。早く、残りの時間を今回の予定に戻して、3年前から夢見続けてきた、あの「西伊豆スカイライン」への思いを果たしたくなりました。最高の天気に恵まれ、こんな絶好のチャンスは他にありません。想像するだけでも、喜びで胸が弾けそうでした。
「西伊豆スカイライン」までの予定ルートは、このR139をR1へと下り、R414から一路「大瀬崎」を目指します。その後、戸田港から戸田峠へと上り、「西伊豆スカイライン」に入るコースを考えています。
R139からR1に出るまで渋滞に巻き込まれ、少し時間を要してしまいました。山間部に入る前に燃料補給をしておきたいので、R1沿いのセルフGSに入りました。クレジットカードで購入したいのですが、一般のカードは受け付けないようで、止む無く現金にて1,000円分(7.75ℓ)を入れました。
ところが、このとき既に、前に満タンに入れてから200㎞近く走っていることから、これでは到底満タンにはなりません。でも、「まぁいいか!また別のところで給油しよう。」セルフ給油機の操作方法は日進月歩で進化し、最近は、しゃべってくれて使い易くなっていますが、古い機械は難しいです。
R1に出た途端に、急に疲れを感じてきたので、ちょうど国道沿いにある「すかいらーく」に立ち寄り、お昼休憩としました。メニューは黒毛和牛の「和牛バーグ」です。1食1,249円也!ちょっと贅沢なように思いましたが、ここで、栄養失調?で倒れてしまっては、元も子もありませんからね。
充分な栄養を補給し、ゆっくり休憩を取ったので、再びファイトが沸いてきました。時間は、午後12時を過ぎたところです。でも、これから行くのは初めての場所ばかりです。この先、どれだけ時間がかかるか分かりません。余裕を持って行くためには、あまりゆっくりもしていられない気がして、少し焦りを感じてきました。
今回のツーリングで、初日に一度通っていますが、このR1からR414に入り、JR東海道本線の高架下をくぐり抜け、沼津市外を通過するまでが非常にややこしく、2度目でも迷いそうになりました。もっと国道が分かり易いように、案内標示を多くしてほしいものです。これでは、他府県からの観光客は、絶対に分からないと思います。「沼津市長さん!沼津市街の道は、勘を頼りに走らないと分からないような道ばかりです。早く改善してくださいね!」
R414から「大瀬崎」方面に入ると、駿河湾沿いの、漁師町を抜けて行く狭い道路となります。今日は、冬型気圧配置の影響からか、冷たい風が強く、海は荒れています。それでも、天気が良いので、内浦湾を過ぎた頃から、駿河湾越しに富士山が見えてきました。雲隠れしていない富士山は、どこから眺めても最高です。
このまま直進して「大瀬崎」まで行ってはみましたが、ここは主に夏のマリンスポーツが中心で、この時期は見るものがありません。すぐにUターンして、早く「西伊豆スカイライン」に向かうことにしました。しかし、ツーリングマップルでは、当初予定していた、海岸沿いで戸田港から戸田峠を目指すよりも、「峠越えが無難」と記されています。
峠越えには、少し不足気味のタンクを満タンにしておかなければ不安なことから、止むを得ず、一旦はR414に戻り、燃料を満タンにしてR136の修善寺方面から入ることに改め、来た道を戻りながら、ツーリングマップルに記された峠を探してみましたが、見つかりません。
完全に諦めて、R414を目指していると、ちょうどそこに、ちいさな個人経営らしきGSがありました。ここで燃料を補給し、「西伊豆スカイライン」へのルートを尋ねてみると、戻るように言われました。大きな地図を掲示して、「修善寺」方面へ行くように分かり易く説明していただいたので、本当に助かりました。(有)大谷油店の奥さん!どうもありがとうございました。
なんと!そこはGSから60m程戻ってすぐのところで、「←戸田峠」の案内板がありました。「西伊豆スカイライン入口」と書かれていれば、私には良く分かったのかもしれませんが…。行きは「大瀬崎」方面ばかりを気にしていたので、見落としていたに違いありません。
ツーリングマップルでは、「達磨山西浦線」(県道127号)と書かれていますが、地図で見るよりも立派な広い道路でした。軽快に上っていくと、右手に駿河湾が開けて見えてきます。「修善寺」方面へと進んでいくと、そこに、「西伊豆スカイライン」への案内標示がありました。
カーブを曲がってすぐのところが「西伊豆スカイライン」への入口でした。平成20年(2008年)11月19日 14:05 やっと思いが叶えられた瞬間です。
稜線を軽快に走っていくと、コーナーを曲がったところで、駿河湾と富士山を望む絶景が広がりました。その息を呑む美しさに、ここに来た達成感が満ち溢れて、 思わず「やったーっ!!」 と、叫んでしまいました。
絶景をカメラに収め、澄み切った青空のスカイラインを思う存分に堪能しました。やっぱり情報どおり、来て良かった。それも、こんな好天に恵まれて、もう最高に幸せです。西伊豆スカイラインも、もうこれで思い残すことがありません。この場所は、天気が良ければすべて良し!ですね。
最高の気分に大満足したところで、風早峠まで走り、次に、ここを左折して「伊東西伊豆線59号」をR414へと「浄蓮の滝」方面を目指しました。
ところが、59号線は車同士のすれ違いもままならず、所々に、拡幅された対向スペースが設けられているだけの、非常に狭い道路でした。樹林のトンネルを抜けていく暗く陽の当たらない山道を、延々と走っていくのは、ちょっと勇気がいりました。
30分程走ったところで、どうにか無事に、R414に出ることができました。日が短い上に、山間部は暗くなるのが早いことから、そろそろこの辺でUターンして、ホテルへの帰路に着かなければなりません。でも、ここまでくれば、HPで見た「河津七滝ループ橋」を走ってから帰ろうと思いました。
ループ橋を目指していくと、途中「浄蓮の滝」がありましたが、駐車場はそれほど広くなく、そこには、大型観光バスがひしめき合っている状態だったので、入るのをやめました。
「浄蓮の滝」を過ぎて、しばらく南下して行くと、演歌歌手「石川さゆり」の歌にちなんで名づけられたに違いないと思われる道の駅「天城越え」がありましたが、立ち寄ることはせずにループ橋へと先を急ぎました。
新天城トンネルから、天城峠を越えて河津町「七滝温泉」へと下っていくと、「河津七滝ループ橋」が見えてきました。でも、案内板には、「七滝高架橋」と記されています。なぜ?「河津七滝ループ橋」と標示しなかったのでしょう?そこで、インターネットで検索してみると、すぐに分かりました。
「河津七滝ループ橋」は通称名で、正式名称が「七滝高架橋(ななだるこうかきょう)」ということでした。ちなみに、全長1,064m、高さ45m、直径80mの大きさで、一気に45mの高低差を通過できることになります。円形に設計されていることから、車は、一定のハンドル操作のままで走れるそうです。バイクでも、一定のバンクで走行できました。
ループ橋を下り終えた頃は、既に午後4時前となり、辺りは薄暗く感じます。これで、今回の「伊豆・箱根ツーリング」も、終盤が近づいてきました。今日はもう、ここまでにしてホテルに泊まり、明朝の天候と体調に合わせて、帰路につくことにしました。
道の駅「天城越え」でトイレ休憩を済ませ、しばらく戻ると、「天城いのしし村」と標示された大きな看板が目につきました。平日のためか、営業されているような様子ではありませんでしたが、イノシシ肉を食材にした料理を出している食堂のようで、駐車場も広く、結構大きな店でした。
ところが、この「天城いのしし村」のHPで調べてみると、「諸事情により、平成20年11月30日の営業をもって閉業させて頂く事となりました。」と掲載されています。ということは…、このページが公開されるころには、「天城いのしし村」は閉業となっていることでしょう。なるほど…だから、営業しているのかどうかが分からないような状態だったのですね。でも、本当に残念です。
不景気が、ここまで影響してきていることを思うと、現実は、かなり厳しい状況に陥っていることが分かります。
「内閣総理大臣 麻生太郎様、しょうもない〝定額給付金〟のような、ばら撒き作戦はやめてください!一度だけ1~2万円ばら撒いて、それで経済効果が得られるとでも思っているのですか?そんな浅知恵だから、支持率が下がる一方なんですよ!もういいかげんに解散したらどうですか!」
自民党には、もう怒り心頭に発しています。しかし、いつまでも、こんな思いを抱きながら走って楽しいはずはないので、この辺で忘れて、ヘッドライトとテールライトに照らされた道路だけを見つめながら、ホテルに戻った私でした。
本日の走行距離:406.1km
本日の燃料補給:21.02ℓ
今朝もまた、いつもどおりに5時に起きて、天然温泉の朝風呂に行きました。早朝のためか、温泉浴場は独り占めの貸切状態で、思う存分ゆっくり入浴できて、ビジネスホテルに泊まっている気がしなくなりました。湯上りに飲んだ「富士山の天然水」が、とっても美味しかったことを覚えています。
部屋に戻って、窓から外を覗いてみると、またまた今日も青空一色の様子です。今日はもう帰路に着くだけなので、7時からの朝食バイキングをいただいて、ゆっくりチェックアウトしようと思います。
それまでの時間を、テレビニュースを見ながら、帰路に立ち寄りたい場所を探しました。天気予報では、今日も1日を通して晴れマークで、冬型も緩み、昨日までのような寒さはなくなりそうです。天気が良かれば、やはり眺望の良い場所に行きたくなります。
「そうだ!」以前、この計画を立てていたときに調べていた「狩野川」のビューポイントを思い出したのです。そこで、もう一度詳しく調べてみると、そこは、伊豆箱根鉄道の「伊豆長岡駅」の近くで、R136と狩野川が並走する場所でした。狩野川に映る逆さ富士が見れるとか…そんなことが書かれていたような記憶がありました。
帰路に立ち寄りたい場所が決まれば、そんなにゆっくりホテルに滞在しているわけにはいきません。7時になるのを待って、朝食バイキングを済ませるために、1階の朝食コーナーへと急ぎました。
ビジネスホテルにして、このようなバイキングは初めてのもてなしです。料理も豊富なメニューから選ぶことができて、味も良く大満足しました。飲み物も自動販売機のカップコーヒー等が、すべて飲み放題でした。
朝食を済ませて、立ち寄りたい場所が決まれば、もう早く出発したいばかりです。早々と準備を済ませてチェックアウトです。あっ!そうか!ここのホテルは、チェックアウトの必要がないのです。仕度が整い次第、勝手に出発すればよいのです。
「スーパーホテル」、こんなに気の利いたホテルは初めてです。最高でした。また、他の土地でも利用したいと思います。
バイクに荷物をくくりつけてトリップメーターを見てみると、939.7㎞でした。すごい!一昨日、自宅を出てから既に939.7㎞も走ってきたのです。これからもう少し、ビューポイントを観光してから帰るため、自宅に到着時は、1,500㎞を越えるかもしれません。そんなことを思いながら、午前8時ちょうどにホテルを出発しました。
再びR1に出て、R136の起点から、通称「下田街道」を南下して行きます。約40分で「伊豆長岡駅」の案内標示のある交差点にさしかかりました。ところが、肝心の「狩野川」が見えません。交差点を「伊豆長岡温泉」方面へと右折してみると、狩野川に架かる大橋を発見!やっと分かりました。
しかし、狩野川に映る逆さ富士が見れるというポイントを見つけることができません。仕方なく、下田街道をもう少し南下してみることにしました。それでも、河川敷に下りる道すら見つけることができなかったので、「逆さ富士」の撮影は諦めて、普通に撮れれば良い場所に、バイクを停めることにしたのです。
この辺りからは、どこからでもきれいな写真が撮れそうです。この点は、バイクの機動力を活かし、堤防に上がれる場所に駐車して撮ったのがこの1枚です。逆さ富士がなくても、とてもきれいに撮れました。決してやせ我慢ではありません。
狩野川からのビューポイントを探しながら、ツーリングマップルを見ていると、な、なに!?「葛城山?」そこにはロープウェイ!?この山の名前は聞き慣れた名前ですが…。高さは452mと眺望も良さそうです。この狩野川からも、肉眼ではっきりと「山頂とロープウェイ」が見えています。ここからは、すぐ近くのようなので、早速、行ってみることにしました。
そこは、「葛城山パノラマパーク」と称し、名前のごとく、いかにもパノラマが望めそうな感じです。時間が、まだ午前9時過ぎと早いので、バスツアーの団体客も無く、空いていました。
ロープウェイは6人乗りのゴンドラで、片道1,800mを約7分かけて昇ります。今日も澄んだ青空で、最高の眺望が望めそうです。眼下を走るR136を跨ぐように上昇していくと、素晴らしい景色が広がってきました。
途中、近くの山から富士山が顔を出しました。「おおーッ!!最高!」これはこれは…素晴らしい!山頂では、一体どんな絶景が待っているのだろう。乗っている最中のロープウェイも楽しいですが、降りたあとの風景がもっと楽しみです。
そして、山頂駅に着き、その絶景に、またもや感激です。「うぉーッ!!」これはこれは…素晴らしい!これぞまさしく、息を呑む美しさです。これ以上は、言葉では言い表せません。うーん!素晴らしい!きらきらと輝く駿河湾の後ろには、遠く雪化粧した南アルプスまで望めます。絶景の上の絶景に、しばらく釘付けにされました。でも、あまり長居はできません。
時間も10時を過ぎました。あぁ…もう早く高速道路に乗らないと、帰宅時間が遅くなってしまいます。素晴らしい最高の絶景を最後にして、「葛城山パノラマパーク」をあとにしました。
再びR136からR1に戻り、東名「沼津IC」に入ったのは、午前11時40分頃でした。さぁ!もうこのあとは「和歌山IC」まで、信号のない、休憩以外に停まることもない、延々と続くアスファルトコンクリート道路を、ただひたすらに走り続けるだけです。
ちょうど正午前。高速道路に入ってまだ間がありませんが、腹が減っては戦ができません。まだ富士山の余韻の残る「富士川SA」にて昼食休憩としました。二輪の駐車場所からは、正面に富士山がきれいに見えていました。エリア内から富士川の見える所まで行ってみたいのですが、まずは腹ごしらえです。
昼食後、休憩がてら富士川の見える所まで行ってみると、ここでも素晴らしい光景をみせてくれました。好天に恵まれたお陰で、今回のツーリングは「富士に始まり富士に終わる」最高のツーリングができました。今度、いつ会えるか分からない最後の富士をカメラに収め、別れを告げながらバイクに跨る私でした。
行ってきた場所の、ひとコマひとコマを思い浮かべながら、ハイウェイツーリングを楽しんでいるうちに、「遠州豊田PA」に到着です。「富士川SA」を出発してから1時間程度しか経っていませんが、昼食後であることと、太陽を前にして、真っ直ぐの道を延々と走っていると眠くなるのです。安全のため、ここでしばらく小休止を取りました。
昨日とは打って変わって、風もなく寒さもやわらいで、とっても走りやすいツーリング日和です。ひと通り終了したことで、旅の緊張感も解けて、何度休憩しても、太陽に向かって走っていると、やっぱり眠たくなってきます。
睡魔とともに疲れも出てきたので、午後3時前に、伊勢湾岸自動車道の「刈谷PA」にて、燃料補給を兼ねて小休止しました。やはり、ツーリングも3日目となり、走行距離も、既に1,000㎞以上を走っていることから、ある程度の疲労の蓄積は否めません。しかし、あまりの長時間の休憩は、反って疲労感が増すことが多いので、20分程度の休憩で再出発しました。
伊勢湾岸自動車道から新名神へと3車線道路で、非常に快適な走行が楽しめます。ここまでくれば、もう帰着したようなものだと高をくくっていると、名神自動車道の「大津SA」の手前辺りから急に流れが悪くなり、60~70㎞/hの速度での走行が延々と続きました。
陽も落ちて、辺りが暗くなると、周りの状況を判断しづらくなってきます。「桂川PA」を通過して、天王山トンネル内で「あっ!しまった…。」と思っても、後の祭りでした。ここからは、「岸和田SA」まで休憩場所がありません。最悪です。これで、更に疲労感が増幅されるのを感じました。
近畿自動車道にも、「吹田Jct」から「岸和田SA」までの区間に1箇所は、パーキングエリアがほしいものです。いつも、この区間が非常に長く感じます。この日も結局失敗し、長時間の排尿我慢を余儀なくされました。
「岸和田SA」への到着は午後6時18分。もう我慢の限界がきていました。でも、やれやれです。スーッとしました。これから自宅到着まで、あと38㎞です。ここはもうトイレ休憩だけにして、早々に自宅を目指しました。
帰着時間は午後6時50分でした。これで、1,470.2㎞を走ったロングツーリングの終了です。無事の帰着と目的を達成できた喜びで、胸が一杯でした。本当に、今回は、3日間ともに好天に恵まれて、最高のツーリングができました。これもひとえに、お天道様のお陰です。感謝!感謝!感謝以外にありません。
このような機会を与えてくださった全ての方々に、謹んで厚く御礼申し上げます。そして、最後までお読みいただいたあなたにも…どうもありがとうございました。
本日の走行距離:530.5km
本日の燃料補給:15.70ℓ
総走行距離:1470.2km
総燃料補給:68.32



















