石山寺観梅2007
今年の冬は異常なまでの暖冬で、あらゆる生態系に影響を及ぼし、熊や蛙の冬眠を妨げるほどの暖かさで、これはもう確実に「地球温暖化」の影響が忍び寄ってきているようにひしひしと感じます。暖冬の影響は動物たちだけではなく、もちろん植物にも深く関わっており、今日の石山寺の観梅にもその影響が見られました。
2007年3月4日(日) 晴れ
暖冬の話で前置きが長くなってしまいましたが、今年の「電車 & ウォーク」による独り旅のテーマを「花の旅」と題して、まず手始めに「観梅」から始めました。そこで、観梅で有名な場所と言えば、最初に思い浮かんだのが奈良県の「月ヶ瀬梅渓」だったのですが、梅だよりでは、ここはまだ5分咲きとの情報だったので、7分咲きから満開との情報を得た「石山寺」に足を伸ばしてみることにしたのです。
早朝、自宅を出発し、JR石山駅への到着は午前9時でした。天気は快晴で、それにとても温かく、セーターを着て歩くと汗ばんできそうです。
「石山寺」へは、JR石山駅から京阪電車に乗り換えて、更に二駅先の終点「石山寺駅」まで乗り継ぎます。歩くと30分程度かかるので、電車で行くことにして乗り換えました。電車は10分足らずで終点の「石山寺駅」へと到着です。石山寺へは、駅から更に参詣道を歩いて10分程かかります。参詣道は、瀬田川沿いの国道422号線の歩道のようになっています。
今日の午後から「第62回びわ湖毎日マラソン大会」が開催され、この国道がマラソンコースになっているようです。
「石山寺駅」駅前には、石山寺の「多宝塔」らしきモデルが建てられて、「石山寺駅」の駅名を印象付けているようです。参詣道は、この駅前から南へすぐの所にあり、この日は、道路整備の準備がされているようでした。
参詣道を南下することおよそ10分で、石山寺の「東大門」前へと到着です。普段から「通勤ウォーキング」で歩くことには慣れてはいるのですが、今日は、天気が良いことによる放射冷却の影響で、出発時の早朝は非常に冷えたことから、厚手の防寒着を着てちょうど良かったのですが、陽が昇るに連れてとても暖かくなり、寒暖の差が激しくて少し疲れを感じます。
拝観料500円を支払って、まずは、真っ直ぐな境内の道をゆっくりと進みます。沿道は桜並木で、今はまだつぼみですが、今日のこの暖かさで、咲こうかどうしようか迷っているようにも見えました。
今日のマラソン大会は、この想定外の暖かさで、走る選手にとってはきっと暑く感じ、タイムにもかなり影響を及ぼしそうな気配です。そんなことを思いながら、まずは、目的の「観梅」にと本堂への急な階段を昇ってみました。階段の最上段沿いには、大きい杉の木が植えられているのを見て、花粉症をおして来たことで鼻がむず痒く感じます。
急な石段を登りきったところで、最初に正面の大きい岩が目に入り、これが「石山寺」の名前の由来なのか?と思いました。そして、その奇岩の奥には「多宝塔」があり、背景を引き締めています。更に右に目をやると「御影堂」があり、その前を奥に進むと「第一梅園」へと通じる道があります。今は、まだ午前9時40分と早いためか、観光客も少なくて、梅園へと進むのは私ひとりでした。
広い梅園は、梅の香りいっぱいに咲き誇っていました。中には、早咲きの種類の一部には、すでに散り初め状態のものもありました。
第一梅園を過ぎると、右手に瀬田川の流れが見えてきます。そこには、学生たちがボートレースの練習に精を出し、すでに春の風景が漂っていました。散策道を更に進むと、続いて右手に「第二梅園」が見えてきました。ここは、段差のあるこぢんまりとした梅園で、少し上から見下ろすように、全体を眺めるのも良いものです。
そして、更に西に進むと、最後に「第三梅園」がありました。ここはかなり傾斜のある梅園で、今度は下から見上げるように眺めることになります。
梅の観賞をひととおり見終え、散策道を少し進むと「源氏苑」があり、そこには「紫式部」の銅像が建てられています。ここ石山寺の本堂内「源氏の間」は、紫式部が「源氏物語」を書いたところと伝えられ、お祭されているそうです。
ここから散策道を下ると、次に「無憂園」という水の流れをあしらったきれいな庭園がありました。そこからしばらく進むと、左手に大きな杉の木があり、それを見て、また、花粉症の症状が強く出てきてしまいました。
最後にもう一度「本堂」に向かい、拝観しました。そして、ここを訪れて最初に目に入った大きな奇岩の前に立ち、説明の立て札を読んでみると、そこには、この奇岩は石山寺の名称の由来で、「硅灰石」からなり、天然記念物に指定されていると記されています。
ところで「硅灰石」とは…?webの百科事典で調べてみても、「硅灰石」は載っていません。ともかく、ここに出た奇岩とだけしか分かりません。
帰り際、ここを訪れて最初に見た階段の最上段沿いに植えられていた杉の木の下に立ちました。そこには、「神木」と書かれ、「天平時代 石山寺草創当時からの老杉である」と記されています。天平時代とは、広くは奈良時代全般をさし、西暦710~794年とされていますので、な、なんと…少なく見積もっても1,200年以上!の老木!?すごい!!花粉症も吹っ飛んでしまいます。
そして、最後に石山寺の境内に入ってすぐの所にある「くぐり岩」と小池に飼われている錦鯉を見て、東大門を後にしました。
石山寺の境内は、広くてとても見ごたえがありました。ここは花の寺としても有名で、この時期の梅はもちろんのこと、一年を通して四季折々の花を楽しめるそうなので、是非また訪れてみたい所です。
石山寺の観梅を終えて、目の前を流れる瀬田川沿いを北に向かい、国道422号線を瀬田の「唐橋」まで散策しました。ここは、今日の午後から開催される「第62回びわ湖毎日マラソン大会」のコースでもあり、マラソンランナーの走る様子をひと目でもよいから見て帰ろうと思いました。
「唐橋」まで散策するも、まだ、時間は午前11時。マラソンスタートは午後12時30分だから、どこかで昼食を摂ってからでも時間は十分ありそうです。なんなら、スタート地点の大津市役所前にある「皇子山陸上競技場」まで行ってみよう!そう思ったと同時に、すぐ近くにある「唐橋前」駅に着いていました。
何気なく駅に来ましたが、地図で見ると「皇子山陸上競技場」は、ちょうど京阪電車で「唐橋前」駅から12駅先の「別所」駅すぐの所にありました。これは本当にラッキーです。「別所」駅前には、とても立派な造りの「大津市役所」があり、道路を挟んで踏み切りを越えたすぐの所に「皇子山陸上競技場」がありました。
「皇子山陸上競技場」前の広場には、NHKの大きなスクリーンが設けられ、選手の走る様子が中継されるようになっています。開催主催者である「毎日新聞」と共催される「NHK」の応援旗とパンフレットが配布され、それを持って、競技場へと向かいましたが、時間は午前11時40分、まだスタートまで50分もあるので、近くの食堂で昼食を摂ってからでも間に合うと思い、選手の走るコースに沿って、食堂探しに歩きました。
ところが、近くにはそれらしき建物が見当たりません。「皇子山球場前」交差点の向こうに「ジャスコ」の看板が見えています。ここなら食堂は確実にあるだろうと思い、迫りくる時間を前に、焦る気持ちを抑えつつ急いで歩きました。
しかし、ハンバーガー店はありましたが、一般食堂が見当たりません。止むを得ず、販売されている寿司弁当を買い、目の前の休憩椅子に腰を下ろしては、急いで食べました。とにかく、朝食を午前5時40分の早朝に食べたきり、石山寺の境内を歩き回ったこともあり、お腹は既に空腹を通り越していたのです。
空腹を満たせたことでやっと落ち着きを取り戻し、再び「皇子山陸上競技場」へと向かいました。「皇子山球場前」交差点まで来ると、もうスタート5分前で競技場まで戻る時間がありません。また、ちょうど、この「皇子山球場前」交差点がマラソンコースの右折コーナーになっており、既にたくさんの応援旗を持った人が駆けつけていました。
まもなく競技場方面から先導車を先頭に選手の走ってくる姿が見えました。急いでカメラの準備をし、どうにか2枚の写真を撮ることができました。ランナーのスピードが速いので、あっと言う間に走り去って行きます。
思わぬ「第62回びわ湖毎日マラソン大会」との遭遇で、「石山寺の観梅」と、どちらが本日の主体かが分からなくなりそうですが、やっぱり今日の目的は「石山寺の観梅」で、更に、午後の時間をこのように有効活用できたことは、やはり、いつものように早朝から来た甲斐があったというものです。
そんな思いを胸に、今日も帰路に着きました。このまま歩いて「JR大津駅」へと向かううち、京阪京津線が途中から「路面電車」と化しているのにびっくりしました。それも突然、普通の線路から車道へと電車が入ってきたからです。
そんな光景を見ながら「JR大津駅」へと到着です。まだ3月4日だというのに、気温は20℃を越え、汗ばんだ身体に冷茶を含ませながら電車を待ち、石山寺への観梅の旅を終えました。






