京都サイクル2012

 還暦を迎えた記念にと、夫婦で京都への格安1泊旅行を計画しました。京都までは往復「特急くろしお」を利用し、1日目は市バスの1日乗車券を利用して南禅寺界隈を散策、2日目はレンタサイクルで金閣寺までのサイクリングを楽しむことにしました。また、1日目の夕食を、京都の夏の風物詩である鴨川納涼床で楽しもうと、四条大橋の近くの「きた山本店」を予約しました。そして、宿泊は、ビジネスホテルではありますが、安くてしかも天然温泉のある「スーパーホテル京都・四条河原町」を予約しました。

ALBUM

(2012年5月25日~26日)


2012年5月25日(金) くもり時々小雨
 この日は年休を取得し、くもり空の中を午前7時50分に自宅を出発しました。そして、一旦「和歌山駅」に出て、ここから午前8時43分発の「特急くろしお6号(京都行)」に乗ります。

 きっぷは前々日に指定席を予約購入したところ、2名往復利用なので、指定席特急回数券(4枚綴り12,000円)が使えてとっても格安で「特急くろしお」による京都往復の旅ができることになりました。

 午前10時17分に京都駅に到着し、早速、市バス専用一日乗車券(500円)を購入しました。小雨の降る平日にもかかわらず、観光客がバスを待つ列を成していました。南禅寺方面へのバスはどのバスなのかをいただいた「バスなび」で調べては列に並びましたが、ちょうど私たちの前でバスは満車となり、次のバスを列の先頭で待つことになりました。

市バス専用一日乗車券(500円)を購入しました。

次のバスを列の先頭で待つことになりました。

 結果的に後のバスで良かった!満員のバスで立たされるのは大変ですから…。先頭で乗車できたので、座れて正解でした。

 およそ40分で南禅寺に到着しました。ちょうど雨も止み良かったです。南禅寺界隈へは家内が以前から行きたいと言っていた場所です。そして、妻が直行したのが、あのドデカイ三門です。楼上に登ると、回廊からの眺めはまさに絶景。歌舞伎の桜門五三桐で石川五右衛門が「絶景かな~絶景かな~!」と言われた場所で有名なところです。天気はすっきりしませんが、急な階段を登った甲斐がありました。

歌舞伎の桜門五三桐で石川五右衛門が「絶景かな~絶景かな~!」と言われた場所で有名

楼上に登ると、回廊からの眺めはまさに絶景。

 三門を降り、ふと時計を見るとちょうど正午でした。お腹が空いてきたはずです。しかし、この界隈にはお食事処が見当たりません。やむを得ず「哲学の道」の方面へ向かいました。

 15分ほど歩いたところで見つけたのが、永観堂の近くにある「お好み焼 禅」でした。

 玄関にあるサンプルの大きさと比べると2回りほども小さいものの、美味しかったよ~!私たちが注文したのはミックスでした。

 小ぶりのお好み焼1枚では少し足りなかったので、食べ終える頃に「やきそば」を1人前追加注文しました。

永観堂の近くにある「お好み焼 禅」

永観堂の近くにある「お好み焼 禅」

 隣の席で「やきそば大盛」を食べていた体格の良い若い女性の外人(米国人?)さんがとても印象的でした。

 また、修学旅行の5~6人の小グループが入れ替わり来られ、それに中国人らしき若い女性が独りで来られました。さすが国際観光地ならではの光景です。

 美味しいお好み焼とやきそばでお腹が満腹になったところで、ゆっくりと時の過ぎゆくままに「哲学の道」を銀閣寺方面へ歩きました。

「哲学の道」を銀閣寺方面へ

「哲学の道」を銀閣寺方面へ

 疎水沿いのこの道は、春は桜、秋は紅葉が最高ですが、この時期の新緑の美しさもまた格別でした。

 時間も午後2時を過ぎ、また、歩き疲れたので、喫茶店でしばしの休憩を取ることにし、そして、見つけたのが「自家焙煎珈琲店 バンビ」でした。ここで30~40分休憩しました。

 妻が次に行きたいと言っていたのが「錦市場」です。銀閣寺前バス停から再び市バスを利用して四条河原町まで行きました。ここから歩いておよそ10分で「錦市場」に着きました。

妻が次に行きたいと言っていたのが「錦市場」です。

 平日にもかかわらず、大勢の人で賑わいを見せていました。年末商戦にはテレビでも放映されることがあるほど有名な商店街だから、かなり昔からあるのだろうと、錦市場の歴史を調べて見たところ、延暦年間(782-805年)に開かれたと記されています。なんと、1,200年以上も前というから驚きです。

 大勢のお客さんの後ろをついて行くように各店を見ていると、子どもの頃によく行った記憶にある駄菓子屋さんを見つけました。そこで買った懐かしいお菓子を食べながら歩いていると、錦市場の西の端へと行き着きました。

 時間も午後4時前。明日、自転車を借りる「錦市場北レンタサイクルターミナル」はこの近くのはずです。持参の地図で探してみるとホテル「コープイン京都」の1階となっていたので、早速、予約に行くことにしました。

自転車を借りる「錦市場北レンタサイクルターミナル」

 「錦市場北レンタサイクルターミナル」には、錦市場から歩いて5分程で着きました。明日、午前9時30分から利用の予約手続きを済ませては、今夜の宿泊予約をしているスーパーホテル「京都・四条河原町」に立ち寄ってチェックインを済ませました。そして、貴重品だけを手に、再び祇園の夕刻を訪ねて歩きました。

 祇園の町中にある石畳の道路は車も通行可能で、舞妓さんを送る車が次々と入って来ました。

 そして、途中で行きついたのが建仁寺です。このお寺を通り抜け、鴨川の橋を渡ると、今日の夕食場所で鴨川納涼床を楽しむ予定の「きた山本店」があります。

 「きた山本店」の場所が分かったところで、予約時間の19時にはまだ1時間程度あるので、四条大橋周辺と鴨川の散策を楽しみました。京都はどこに行っても独特の風情にあふれ、何時間、いや何日いても心が癒される私の一番好きな町です。できるものなら引っ越してきたいほどだけど、そうもいきません。

 風情ある鴨川周辺を散策しているうちに、あっという間に夕食の時間になり、早速「きた山本店」に行きました。納涼床は予約の団体で満席だったので、空くまで2階の畳の広間に案内されての食事となりました。

納涼床は予約の団体で満席だった

 納涼床は、午後8時まで40名の団体予約が入っていることを事前に知らされていたのです。他の店も当たりましたが、インターネットで探してもどこも予約でいっぱいだったので、止むを得ませんでした。

 予約していた料理が次々と運ばれ、まずはビールで乾杯!出された京料理の数々に舌鼓を打ち、日本料理の味の深さを感じさせられました。その後、出される京料理を肴にして飲んだ地酒の日本酒の味も最高でした。最後は「わらびもち」のデザートで締めくくり、満腹になりました。本当にごちそうさまでした。

 それに2階からの鴨川の眺めもまた格別で、夕暮れの最高の風景を味わうことができました。納涼床での団体さんも帰られたところで、そちらに案内されて食後のコーヒータイムを過ごさせていただきましたが、鴨川の風がひんやりとして、この日の納涼床での食事は肌寒く感じ、食事は2階の広間で正解でした。

 そして、午後8時40分、鴨川の涼しさを味わいながら「きた山本店」をあとにしてホテルへと戻りました。ここスーパーホテル「京都・四条河原町」には天然温泉が完備され、都会のホテルとは思えない風情を味わえます。

 その天然温泉でゆっくりと旅の疲れを癒し、明日のレンタサイクルによる金閣寺までのサイクリングコースを考えながらベッドに横になりました。


2012年5月26日(土) 晴れ
 午前6時起床。テレビでの天気予報は晴れで、少し汗ばむ陽気となるとのこと。もう一度持参の「るるぶ」でサイクリングコースを選定しながら、午前7時の朝食時間を待ちました。

 朝食は豊富なメニューのバイキングで、格安の宿泊料金にもかかわらず、こんな贅沢な朝食付きってすごいと思います。さすがにスーパーホテルと称するだけのことはあります。確かにスーパーです!

 午前9時、スーパーホテルをチェックアウトし、自転車を借りるために予約している「錦市場北レンタサイクルターミナル」に歩いて向かいました。ホテルから15分程度で着きます。

 レンタサイクルは内装3段のスポーツ仕様でとっても軽く、久しぶりに乗る自転車は、ストレス解消になりそうです。また、大通りは歩道が広いことから自転車でも比較的走りやすく、金閣寺方面へと北に向かって道草を食いながら走っていると、およそ1時間15分で目的地「金閣寺」に到着しました。

目的地「金閣寺」に到着しました。

 そして、境内で食べた抹茶ソフト。めっちゃ美味しかったのが忘れられません。

 少し休憩したところで金閣寺前で記念撮影し、境内を拝観順路に続いて1周して帰りました。ふと時計を見ると、すでに11時30分を過ぎていました。

 そろそろ昼食の場所を探さなければなりません。再びレンタサイクルに乗って帰路に着きました。

 北大路通を走っていると大徳寺の前に「徳寿」という「うどん・そば」のお店がありました。あまり探したところで疲れるだけなので、昼食休憩はここに決めました。

大徳寺の前に「徳寿」という「うどん・そば」のお店がありました。

 昼食を済ませたところで、次は「町家カフェ」で食後のコーヒータイムとしました。持参の「るるぶ」で探しましたがこの近くにはありません。やむを得ず、祇園の近くまで戻ることにしました。

 ところが、途中、四条通で自転車通行禁止区間にぶつかってしまい、左折するしかありません。そこで左折して裏通りを走るため、また次の通りを右折しようと後ろを振り向いて見ると…???ついて来ているはずの妻がいません!

 急いでUターンして戻ると、曲がり角で茫然と立っている妻の姿がありました。訊いてみると、歩道の段差に乗り上げてバランスを失い転倒したらしい。頭部打撲、左脛打撲で痛がっていました。とにかく、早く目的の喫茶店に行って患部を冷やさなければ…。そこで、先に薬局で打撲に効く消炎鎮痛剤の貼り薬を買って行きました。

 しかし、目的の町家カフェは満席で入れません。河原町の雑踏の中ではレンタル自転車を駐輪できる場所すらなく、やっとの思いで探し当てては近くの喫茶店に入りました。そして、氷をもらって患部を冷やしましたが、頭部にはすでに「たんこぶ」が…。

 でも、不幸中の幸いかもしれません。大きな交通事故と違って相手もなく、こんな打撲程度の軽いケガで済んで良かったのです。京都のど真ん中で、帰れずに入院でもしなければならないことになっていても仕方がありません。それも、ひと通り楽しんだあとでのことでもあるし、本当に良かった。

 レンタサイクルを元の場所に返し、ゆっくりと帰路につくことにしました。午後4時過ぎに京都駅に着き、ターミナルビル2階のミスド(ミスタードーナツ)で一休みすることにしたのですが、どうにか空席をみつけたものの、ドーナツと飲み物を買うために並んだ時間が、なんと!45分もかかりました。

やっとの思いで買ったミスドです。

 その間、妻は頭と足の痛みに耐えつつ、待ちぼうけです。あまりの遅さにたまりかねたのか…「まだ??」と、私がミスドを買うために並んでいるところまでやってきました。足が痛いにもかかわらず、また、貴重品を席に残したまま…。そんな中、やっとの思いで買ったミスドです。ゆっくりと味わっていただきました。

 「特急くろしお」の発車時間は午後6時33分です。まだ夕食時間には早いので、夕食は駅弁を買い込んで電車内で食べることにしました。そして、駅の案内所で駅弁売り場を訪ねると、南北自由通路の「旅弁当」を教えてくれました。せっかく見つけた空席なので、足の痛い妻を座らせて、ひとりで買いに行きました。

 そして、午後6時33分発の「特急くろしお25号(新宮行)指定席」に乗って、どうにか午後9時頃に帰宅することができました。

 還暦記念の京都の旅が、レンタサイクルを利用したばかりに、妻にとっては、不幸にもケガ付きの嫌な思い出の残る旅となってしまいましたが、反面、忘れることのできない思い出深い旅になることでしょう。

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