唐松岳2011
【もくじ】
8/4>和歌山~信濃大町~ホテル萌樹
8/5>ホテル萌樹~ゴンドラリフト八方駅~八方尾根~唐松岳~八方池~ホテル萌樹
8/6>ホテル萌樹~白馬駅~和歌山
今年の夏も「山歩きクラブ」のメンバーのひとりと一緒に「八方尾根」への旅の計画を立てました。
JRを利用して白馬駅まで電車で行き、その日はホテルに直行します。そして、翌朝早朝出発し、リフトで「八方尾根自然研究路」の第1ケルンまで行き、ここから八方池まで歩きます。ここまでは、1997年8月9日に妻と二人で行ったことがあります。この時は、白馬三山は見れませんでした。「あの写真で見る雄大な風景をもう一度見てみたい!」そんな思いから、今回の計画を立てたのです。このことを相棒に話すと「そこまで行くなら唐松岳まで登ろう!」となったのです。私はあまり自信がありませんでしたが、相棒に励まされて、途中でリタイヤしても引き返せばいいという気で計画を実行することに決断しました。
(2011年8月4日~6日)
週間天気予報のとおり、台風の影響も無く良い天気に恵まれそうです。わくわくする気持ちを抑えながら、午前6時に自宅を出発し、JR駅へと向かいました。
まずは、大阪駅から「特急ワイドビューしなの9号」に乗り換えて、JR松本駅に到着が午後1時3分の予定です。平日とあってか、自由席で十分座席の確保ができました。昼食は電車内で弁当を買って済ませることにしましたが、案内放送による名古屋駅を過ぎても車内販売がやってきません。
そうこうしているうちに松本駅13:03に到着してしまいました。お腹が空いてペコペコです。松本駅で駅弁を買って、信濃大町行きのホームに急ぎました。ところが、連絡の13:09発は、すでに出たあとでした。次の電車は14:08発しかありません。しまった!ちゃんと次の電車の時刻も調べておくべきだった!大失敗です。やむを得ず、ホームで駅弁を食べて1時間待ちました。
どうにか空腹をしのぎ、やっと信濃大町駅15:02に着きました。しかし、ひとつタイミングが外れると良くないことが続きます。なんと次の白馬方面行きは16:28発しかなかったのです。何もない信濃大町駅で1時間20分以上も待ちぼうけを食らう羽目になってしまったのでした。最悪です!予定を2時間も遅くなってしまいました。でも、当初の予定では白馬駅着が15:12だったので、それほど問題ではありません。ホテルへは、駅からタクシーでおよそ10分で到着しました。
ホテル萌樹は、ゴンドラリフトの出発駅である八方駅まで歩いておよそ3分のところにあり、八方尾根への拠点にちょうど良い位置にあります。平日でひっそりとしていて、貸し切り状態でした。早速、温泉で疲れを癒し、美味しい夕食を頂いて、21時30分には着床しました。
いつものように午前5時起床。でも、相棒はまだまだ高いびきです。そっと窓から外を覗いてみると、快晴とまではいきませんが、高い雲が一つか二つ見える程度の最高の状況です。
早速、早朝の温泉を楽しみました。誰もいない浴槽で、足をいっぱいに伸ばし、最高の贅沢をさせていただくことができました。本当に気持ちが良かったです。その後、朝食までの時間を、テレビのニュースを見て過ごしました。この日は、ゴンドラリフトの運行が午前7時からだったのですが、ホテルの朝食も同じ7時からなので、朝食を済ませて出かけることにしました。
唐松岳まで登ったとしても、リフトの下山の最終時刻である午後4時45分までに十分間に合うとのホテルの女将さんのお話だったので、信用させていただきました。
ホテルの朝食は、サラダなどの野菜がたっぷりで、パンはいくつでもおかわりでき、卵にハム等ボリュームに富んだメニューでした。牛乳などの飲み物も、セルフで飲み放題でした。
朝食からご馳走メニューで満腹になったところで、すぐに出発の準備をしました。ホテルは連泊の予約をしているので、着替えなどの荷物を部屋に置いたままにできることから、リュックは貴重品とレインウエアーのみの軽装備となりました。
午前7時30分。さぁ!出発です!もう8月だというのに、ホテルの前の通りには、アジサイが見頃です。それに珍しい色のガクアジサイも咲いていました。
ゴンドラリフトの八方駅は、平日のためか人影はまばらです。入山する前に、万が一のことを考えて「入山者名簿」に緊急連絡先等を記入し提出しておきました。そして、早速「八方アルペンライン乗車券」の往復券(2,600円)を買ってゴンドラリフトに乗りました。
八方池山荘までくると標高(1,830m)も高くなり、霧が出始めました。ここからはトレッキングです。急こう配ではありませんが、疲労が溜まってこないようにゆっくりと進みました。途中、整備された板の道を進んでいくと、大きな雪渓が見えてきました。空は晴れてはいるのですが、辺りに霧が立ち込めて、遠くの山々が見えない状況です。
霧が晴れてくれるように祈りながら登りました。そして、午前8時55分、やっと第2ケルンに到着です。ここからは、次の八方ケルンが見えています。
この辺りから行き交う人も多くなり、お互いに交わすあいさつの声も多く聞こえてきます。また、標高が高い割に涼しくなくて、汗が全身を流れます。第2ケルンから10分程で八方ケルン(2,035m)に到着です。
しかし、ここに来ても霧が晴れることはありません。周りにきれいな山々の風景が見えないと、疲労だけが増してきます。
汗が全身を流れ、標高が高くなることで、酸素不足の疲れも出てくるようです。そんな疲労感が全身を包む中、やっと第3ケルン(2,080m)まで登ってきました。ここまでは道が整備された「八方尾根自然研究路」です。
さて、ここから先は登山装備が必要な唐松岳登山道。現在時刻は午前9時23分です。唐松岳まで登るかどうするかは、ここが思案のしどころです。
ここから唐松岳までおよそ2時間30分とされていますが、唐松山荘で昼食休憩に1時間みて、往復6時間かかったとしても午後3時30分。さらに八方山荘まで1時間で、どうにか最終リフトの午後4時45分までに間に合いそうです。
「よし!ここまで来たら、思い切って登ることにしようか!」
相棒は二つ返事で「GO!」
それから歩くことおよそ1時間30分、やっと丸山ケルンに到着しました。そして、目の前の霧が少しずつ晴れて、なんと!白馬三山を眺めることができたのです。最高の眺望に出会うことができて、もう思い残すことがないくらい幸せな気持ちになりました。超感動!
素晴らしい白馬三山の眺望に釘付けにされ、最高の気分に浸ることができたことに感謝の気持ちでいっぱいになりました。濃霧に阻まれ、ここまで登ってくる途中、半ばあきらめかけていた風景だけに、感動もひとしおでした。
その後、ゆっくり霧に隠れた北アルプスを尻目に唐松岳を目指して再出発したのでした。それから歩くことおよそ15分、正午過ぎに、お腹がペコペコの状態でようやく唐松山荘が見えるところまで辿り着くことができました。
やっと昼食にありつけると思うと、気持ちにも余裕が生まれます。水分補強をするための持参の水も無くなって、のどの渇きも限界状態だったので、唐松山荘が見えた瞬間、喜びでいっぱいになりました。ここからはものの3分もかからずに到着です。
早速、昼食としました。メニューには「カレーライス、中華丼、ラーメン、スパゲティ」とありましたが、どれも1,200円!?標高2,630mの山荘での食事とあらば、やむを得ない価格でしょう。そんなことより、もう空腹感は限界をとうに超えています。ふたりともカレーライスを注文し、エネルギーを補給しました。
唐松山荘のメニューには「カレーライス、中華丼、ラーメン、スパゲティ」とありましたが、どれも1,200円です。(裏面メニューはどれも500円!)
ここでは、食後の歯磨き用の水も80円(500ml)で販売されていました。雨水を貯水していたものらしく、飲用はできません。
どうにかエネルギー補給して休憩を済ませたところで、最後の唐松岳山頂を目指しました。唐松山荘からの標高差はおよそ60mで、山頂までおよそ20分で到着しました。
晴れていれば360度の大パロラマが望めるところですが、残念ながらこの日は何も見えませんでした。登頂の疲労だけが残る状況ではありましたが、それでも、標高2,696.4mの唐松岳に登頂したという達成感でいっぱいでした。
山頂でしばらく休憩しましたが、晴れてきそうにないことから、午後1時30分、下山することにしました。再び唐松山荘の前を通り、まずは八方池を目指します。
登りに比べて下りはスピードが上がることから、ひざを痛めないように注意が必要です。比較的、登山道が整備されているとは言え、すぐ横に険しい崖っぷちのあるところが何箇所もあります。誤って滑落すれば大変です。
大雪渓を横目にしながら下っていくと、斜面にはニッコウキスゲがあちこちに群生をなしていました。このような高山植物に興味のある多数の方々が、高級カメラを手にたくさんの小さな花々を接写して楽しんでいました。
そして、午後3時20分、八方池に着きました。唐松岳山頂からおよそ2時間で到着です。しかし、あまりゆっくりもしていられません。なぜなら、八方池山荘からの最終リフトが午後4時45分なので、あと1時間ほどしかないからです。ここで、下山を少し急ぐことにしました。
第3ケルンを過ぎて次の八方ケルンまでおよそ10分、ここからは整備された板の道を通って長い下りが続くので、ここで水分補給をして小休止しました。もうあと八方池山荘まで30分もあれば着けるはずだから…。
それでも何だか時間が気になって、そんなにゆっくりしていられません。万が一何かあって、最終リフトに間に合わなかったりしたら大変です。やはり心の余裕が必要なので、小休止もほどほどに出発しました。しばらく進むと整備された長い板の道があります。ここを過ぎれば、すぐ下に八方池山荘が見えてきます。
そして、予定通り八方ケルンから30分で八方池山荘に到着しました。リフトの最終時刻まであと20分ありました。八方池山荘の広場にある売店になびくソフトクリームの旗が目につき、「たべた~い!!」と思いました。
なんと相棒も同感!?私が思ったより早く、私の分も一緒に買ってくれていました。「サンキュー^^!!おぉ~!おいし~い!!」ここで食べたソフトクリームの味は、今も忘れられません。本当にどこよりも最高に美味しかったです。
ソフトクリームの味わいも束の間。最終リフトの時間が迫ってきたので、再び八方駅を目指しては、リフトとゴンドラを乗り継いで下って行きました。下りはまるでパラグライダーで斜面を滑空しているような気分にさせられます。(パラグライダーをしたことがありませんが…。)
午後5時過ぎ、無事に下山しホテルに到着しました。そして、すぐに温泉で疲れを癒し夕食の時間を待ちました。もうお腹が空いてペコペコの状態です。早く美味しいビールを飲みたい!そんな気持ちで待ちに待った夕食は、昨夜と同様、ボリューム満点の洋食が、次々に運ばれてきました。
ここ「ホテル萌樹」の料理は、本当に美味しかったと今でも強く印象に残っています。また、冷酒でいただいた「白馬錦」も最高でした。美味しい料理をいただいて、気分は最高!たくさんの思い出を胸に、明日はただ一路帰路に着くだけです。
いつものように午前5時起床。そして、早速、朝風呂に入りました。温泉の朝湯は、旅行に来たときにしか味わうことができないので、欠かさず入ります。最高ですよ!
それからすぐに八方駅の売店に出かけ、お土産を買ってきました。そして、チェックアウトを済ませ、白馬駅発10:04に乗ることにして、ホテルには9時30分に迎えに来てもらえるようにと白馬駅までのタクシーを1台依頼しておきました。
出発時刻の9時30分にロビーで待っていると、ホテルの支配人らしき人が「お送りします。」と出るように促します。なんと!タクシーではなく、ホテルの車でご主人が運転して白馬駅まで送ってくれたのでした。こんなホテルは初めてです。本当に(タクシー料金1,400円)助かりました。
この場をお借りして深く御礼申し上げます。本当にお世話になりありがとうございました。
帰路のレポートは省略して、これで今回の「唐松岳」への旅の終了とさせていただきます。最後までお読みいただき、どうもありがとうございました!















