富士山／富士川2010
【もくじ】
2/4＞和歌山～御殿場
2/5＞御殿場～富士吉田～乙女峠～富士川～御殿場
2/6＞御殿場～東海～名神～和歌山
「富士五湖ツーリング」と題して、河口湖周辺からの「富士山ビューポイント」を撮影する目的で出かけたのですが、「東富士五湖道路」の富士吉田ICを降りたところで、雪の影響により、一般道路は車でも冬用タイヤでなければ走れない状況でした。まして二輪車では到底走行不可能で、Ｕターンを余儀なくされました。空は快晴で最高のコンディションにもかかわらず、誠に残念としか言いようがありません。急きょ計画変更です。そして、思いついたのが「富士山＆新幹線」のビューポイント撮影です。
（2010年2月4日～6日）
週間天気予報ばかりを気にしながら過ごした一週間が過ぎ、出発の日を迎えました。計画の3日間は、太平洋側は好天に恵まれる模様です。気温は全国的に低温で、寒さ厳しいツーリングになることを覚悟の上で出発しました。
今日のために買っておいたウインタージャケットのお陰で、どうにか寒さは防げそうです。天気の心配がなさそうなので、何よりです。準備しておいたタンクバッグとツーリングバッグを取り付けて、午前7時ちょうどに自宅を出ました。
いつものセルフGSで燃料を満タンにし、高速道路に入ります。身体は寒くはないものの、まだこの時間帯は気温がかなり低いためか、手が…冷たいと言うよりも痛いと表現したいです。堪らず「岸和田SA」で…「ええ～ッ！？もう休憩？」って言われそう…でも、ここでトイレ休憩しておかないと、次は、かなり先になりそうだから…。
岸和田から近畿自動車道に入り、松原JCTを経て西名阪自動車道を亀山方面へと向かいます。風が冷たくて、指先が凍ってきそうです。名阪国道の「五月橋SA」、東名高速道路の「上郷SA」と休憩を重ねながら「浜名湖SA」で正午過ぎでした。ここで昼食休憩です。
凍る手の指先を暖めて、更に御殿場を目指して再出発です。静岡県に入ってからは、天気は快晴で雲ひとつありません。指先の痛みを堪えつつ、やっと「御殿場IC」へと午後3時15分頃の到着でした。
予約済みの「スーパーホテル御殿場」は、御殿場ICを降りてすぐ近くの非常に分かりやすい場所にあります。このホテルには夕食が無いため、近くの国道沿いにあるコンビニで夕食を買い込み、早いチェックインとしました。
「ええ～ッ！？早すぎるって？」だって…指先が痛くって…。それに、目的地は「富士五湖」だから、今日は早い目に休んで、ホテルの温泉（この「スーパーホテル御殿場」には熱海直送の天然温泉がついているのです。）で冷え切った身体を温めないと…。
ホテルには、午後3時50分頃のチェックインでした。また、このホテルには部屋のカギはありません。ドアは、チェックイン時に宿泊料金の支払いと引き換えにくれるレシートに書かれた暗証番号で開きます。閉じるときはオートロックになっています。また、部屋は広くてきれいで、ベッドもWベッドほどの大きさでゆとりがあり、最高です。私には申し分のないスペースでした。
備え付けの液晶テレビをつけて寛いでいると、「朝青龍引退！」の号外ニュースが目に飛び込んできたので、まさかの引退にびっくりしました。（大相撲の横綱朝青龍関(29)が初場所中に酒に酔って知人男性に暴行したとされる問題…）このことが取りざたされての引退とは…。相撲界も、いや政界もですが…どうかしてるね！
そんなことを思いつつ、買い込んできた夕食を頬張りながらテレビを見ていると、あっという間に天然温泉への入浴時間になっていました。温泉は男女交代制となっています。
夕食で満腹になったお腹も落ち着いた頃の午後7時過ぎ、1階の天然温泉浴場へと向かいました。広い温泉の湯船に入り、手足を伸ばせば「おおーっ！超気持ちいい！」最高です。やっぱり家のお風呂とは違います。とっても温まります。長距離ツーリングの疲れも吹っ飛んでしまいました。
部屋に戻ってテレビを見ていると、まだ午後9時過ぎだというのに、横になっていると眠ってしまいそうになりました。そして、そのまま布団をかぶり、テレビのリモコンをOFFにしたのです。
本日の走行距離：471.2km
本日の燃料補給：27.81ℓ
午前5時15分起床。テレビをかけて天気予報を見てみると、なんと1日中快晴の晴れマーク！よーし！！気分良く朝風呂へと天然温泉に入りに行きました。誰も入っていない静まり返った浴槽は、湯をかける音だけが浴室内に響きます。最高の目覚めです。
午前6時30分からの朝食バイキングが待ち遠しいほどでした。スーパーホテルの健康朝食は、とても美味しく、バイキングなので好きなだけ食べることができて、これもまた私向きでした。窓越しに、はっきりくっきりの大きな富士山が見えています。よし！食後、準備でき次第に出発だ！
連泊だから、ホテルに荷物を置いたままで出発できるのが良いですよ。外に出ると、夜露でバイクが凍りついていました。パリパリの状態で暖機運転後に出発です。目の前の雄大な富士山を眺めながら気持ちよく進みます。
国道138号線の左右両側は、一面の銀世界です。道路は除雪されて、バイクでも問題なく走れます。須走ICから「東富士五湖道路」に入り、富士吉田ICまでは何の問題もなく走ることができたのですが…。
富士吉田ICを降りたところで、道路の様子が変っていました。積雪量も驚くほど多く、歩いて一般道に出て見ると「ええ～ッ！？最悪！！」とてもバイクで走れる状態ではありません。これはもうＵターンしかないと思い、躊躇することなく引き返したのでした。
寒さも一段と厳しく感じます。きっとマイナス何度かになっているに違いありません。「東富士五湖道路」を再び須走ICへと戻る途中、目の前には、真っ青な青空の中に大きな富士山が見えてきました。こんな最高のコンディションはありません。河口湖まで行くことができていれば、きっと最高の写真が撮れていたはずなのに…。誠に残念でなりません。
写真を撮るためにウインターグラブを外すと、カメラを持つ手が凍るほど冷たく感じます。空気は非常に乾燥している様子で、遠くにあるはずの富士山が手に取るようにすぐ近くに見えています。
山中湖ICの近くからの富士山です。澄み渡る青空で、どこから写しても感動の綺麗さです。今度は、またこの時期に4WDで来てみたいと思います。こんな感動の風景は他にそう多くありません。「よーし！また、絶対来るぞ！」そう心に誓いました。
そして、走りながら計画変更を考えて、とりあえず、いつもの「乙女峠」へと行ってみました。峠を登って行くうちに、やはりここでもアスファルトが凍る一歩手前の状態です。寒いのにヘルメットの中は冷や汗をかいています。
どうにか峠の頂上まで来ることができたのですが、「気温-1℃」のこの状態です。ヘルメットさえ脱ぐ気になれません。頂上の「そば屋」で昼食休憩と思いきや、なんと本日はお休みとか…。これまた最悪…。お腹が空いてくると寒さも堪えてきます。
そうだ！思い出した！あの「富士山 ＆ 新幹線」の富士川に行こう！もう、ここで決定的写真を撮って帰るしかない！そう思いました。よし！思いついたら、即！実行です。昼食は東名高速のSAでしよう！そう決めて乙女峠を下りました。
そして、まずは腹ごしらえとばかりに「駒門PA」で昼食休憩を取りました。「サバ味噌定食」が美味かったなぁ…。凍った指先を温めて、再出発です。次は一息に「富士IC」まで走りぬきました。その間、ずっと右手には富士山がついて来ます。御殿場ICから富士ICまでおよそ42km、富士の裾野の広さに呆れてしまいました。
富士ICを降りて、どうにか国道1号線まで出たものの、富士川への行き方がチンプンカンプン分かりません。道行く地元の人らしい軽装の人に尋ねては、3人目でやっと富士川の堤防に出ることが出来ました。何でも「ものは3べん」といいますが…そのとおりになってしましました。
富士川の堤防に出られたものの、今度は新幹線の鉄橋は？？？…。そして、回りまわって、自分なりのビューポイントをどうにか探し当てることができました。最高の天候に恵まれたので、最高の写真が撮れたように思います。遠くの富士山が、とても近くに見えました。
ここまで来れば、今度は、富士山をバックにして、新幹線の走る姿とバイクを一緒に撮れるアングルを探さなければなりません。
三脚を片手にいくつものアングルを探すうち、やっと探り当てることができました。これは、う～ん！我ながら最高のアングル！しばし自己満足に浸りました。とりあえず、自分も入っておこう。ほんと最高だ！
そこに、地元の方らしい軽装の人が話し掛けてきました。「あのバイクで？和歌山からですか？すごいですね！寒かったでしょう？！ここは良く写真を撮りに来られますよ。」他にもこのビューポイントを知っている人がいる様子。ハッハッハッ！当たり前だよね！僕が初めて見つけたビューポイントのはずなどあり得ませんよね！
見知らぬおじさんとしゃべっているうちにも、N700系新幹線がすぐそばの鉄橋を、轟音を響かせて走り去って行きます。「もう…いい加減にしてよね！僕はあなたとおしゃべりするために、ここに来たのではありません。」そう心の中で言って返すと、「今日は寒いけど…良いお天気だから、きれいな写真が撮れますよ！」そう言っては、やっと、どこかへと立ち去って行きました。
さぁ！これで良し！と、三脚を立てて待つことおよそ15分、次の新幹線の轟音が聞こえてきました。すぐに連写撮影するも、タイミング悪く決定的瞬間の「のぞみ」の写真が撮れません。
それから、およそ1時間、何度タイミングを外したことだろう？いくつのN700系新幹線が、この場を走り去ったことだろう…。もう正直言って疲れてきました。
そんな思いの中で、下り新幹線の轟音が聞こえてきたところで押したシャッターの連写3枚目に、グッドタイミングで撮れた決定的瞬間の1枚がありました。
＼(^o^)／
走るN700系新幹線の下から覗く富士山とそこにマイバイク…。このシチュエーションは、ちょっと無いと思いませんか？ 達成感と更なる自己満足に浸りながら三脚を片付ける私でした。
ここ富士川を訪れてから、既に1時間20分が経過しました。そろそろホテルに向かわないと、疲れが残ってしまっては明日の帰路に差し支えます。明日の朝までゆっくり休んで体力を温存しておかないと…。そう思って、思い出に最後の1枚を撮影し、この場を後にしました。
再び東名高速の富士ICを目指すのですが、来る時も尋ねながら来たものだから、帰る時も、もちろん分かるはずがありません。また、とりあえずですが、北に向かってどんどん進めば、いつかは東名高速に行き着くはずだから…と、およそ20分進むうちにどうにか案内標示を見つけることができました。それにここにも正面に雄大な富士の姿がありました。これも晴天に恵まれたお陰です。天の神様に「感謝！感謝！」
富士ICを見つけることができてやれやれです。ここからまた、御殿場ICまで寒風を切り裂いて戻ったのでした。そしてまた昨日も行ったコンビニで夕食を買い込んでは、ホテルに戻ったのが午後5時頃だったように思います。バイクを停めてヘルメットを脱ぎ、グラブを外すと一段と寒さが厳しく感じました。「おお～ッ！さむ！早く温泉で温まろう…。」そんな思いでホテルの部屋へと駆け込んだのでした。
本日の走行距離：177.2km
本日の燃料補給：10.21ℓ
今朝も6階のホテルの通路から、雄大な富士山が雲ひとつ絡むことなくこっちを見ています。ただ風が強いようで、店の旗が棚引いているのが見えました。テレビの天気予報では、風が強く寒さが最高7℃と厳しいようです。この分だと、休憩時間を余分に取って走らなければならないことから、出発時間を予定より早めなければなりません。
朝食バイキングは午前6時30分からなので、それに合わせて済ませ、準備でき次第出発することにしました。どうも、昨日は1日中、晴天の眩しい日差しの中での計画変更により、直射日光を浴びながら地図を見ることが多かったためか、酷使による目の違和感を感じます。
出発の準備ができたのが午前7時30分でした。外は予報どおり風が強く、昨日よりも体感温度が低く感じました。今日はもうこのまま自宅に帰るだけなので、ただひたすらに東名高速を名古屋方面へと走り続けます。
最初の休憩は「富士川SA」です。ここではお土産購入が目的です。ツーリングバッグの積載能力に合わせて希望どおりに買い求めるのに少し苦労しましたが、どうにか収まりました。
さて、これで今回のツーリング目的は、ほぼ完了です。最初から計画変更を余儀なくされ、一時はどうなることかと思い悩みましたが、「富士五湖ツーリング」から「富士川ツーリング」に切り替えて正解としましょう！
そんなことを思いながら寒風を切り、続いて「牧之原SA」でトイレ休憩を取りました。寒さで指先に痛みを感じ始めました。ゴアテックスのウインターグラブでも、この低温では冷たさまで防ぎきれないようです。これを解消するには、グリップヒーターを取り付ける以外に、他には方法はありません。
こんな寒風の中なのに、浜名湖辺りを走っているときでした。猛スピードで近づくバイクのヘッドライトがミラーに写ったかと思うと同時に抜き去って行きました。
「うう？？隼だ！それも最新型！」と思った瞬間に、後ろからパトカーがサイレンを鳴らしては、リヤウインドウには「取締中」と赤色灯を点滅させ「隼」を追いかけるように走り去って行きました。
私は、この寒風ではきついので、時速100km程度がちょうど良く…いや精一杯でした。その後、およそ5分は走ったでしょうか？側道にパトカー、その後ろには先ほどの「隼」が…。私のバイクを格好よく追い越して行ったのは良かったのですが…。あぁ～あ！かわいそうに…。
そして、次のトイレ休憩に入ったのが「赤塚PA」でした。ここで暫しの暖取り休憩として、暖かいコーヒーで手指を温めました。
しかし、少しぐらいの休憩で暖をとっても、走り出せばすぐに凍ってしまう寒さですが、温めないと凍傷になってしまいそう（もうなってる！）。でも、あまり休憩し過ぎると、次に走り出すのがイヤになってしまいます。そこで30分程度の休憩にして再出発としました。時間は午前11時過ぎと順調な走りです。
雪の影響を考慮して、帰りも往路と同様に「伊勢湾岸自動車道」を通り、東名阪から西名阪、そして阪和道を通って帰ろうと思いました。伊勢湾岸道に入りしばらく進むと、さっきまで車の流れは順調だったにもかかわらず、急に前のトラックがハザードランプを点滅させて止まってしまいました。
なんと！その前には、全ての車線を塞いでしまった状態で大渋滞となっています。しばらく側道を進みましたが、そこも我先に行こうとする車で埋まっています。案内掲示板には「事故 通行止」「次の東海IC出口へ」と標示されています。最悪！
高速道路上で立ち往生となり、堪りかねた人たちが、側道沿いにICを目指して歩き始めています。およそ1時間30分かけて、ようやく一般道路に降りることができたのですが、「関東甲信越」のツーリングマップルしか持ってない私には「ここはどこ？」といった状態で、西も東も分かりません。
このHPを作成しながら今思うと、大渋滞の車の流れに合わせるように国道23号線から302号線に出て、その後、東名阪道の下を通り、「名神一宮IC」の案内標示に従って、どうにか名神高速へと上がったように思います。途中、伊勢湾岸道路への案内標示に従って「飛島IC」の入口まで行ってもみましたが、「閉鎖」の標示が出ていたのです。
「あぁ～最悪！」とにかく疲れました。「一宮IC」近くのコンビニでトイレ休憩をしたときは、既に午後2時を過ぎていたかと思います。ガス欠になる前にバイクの空腹を満たしてやりましたが、私は、まだ昼食にはありついていません。と言うか、そんな気持ちにはならず、それほど空腹感を感じることもなかったように思います。
名神高速に上がった時点で少し気分も落ち着いて、「養老SA」にて昼食休憩としました。ところで、高速道路案内を見ていると、どうも関ヶ原辺りから雪で渋滞の情報が入っている模様です。これでは、のんびりと落ち着いて休憩などしていられません。
案の定、関ヶ原辺りから雪がちらつき始め、空一面が真っ黒な雪雲に覆われました。そして、彦根から四日市を過ぎた辺りまでは、ずっと吹雪でした。
ヘルメットのシールドに積もる雪を払い除けるため、左手をハンドワイパーにしてどうにか視界を確保し、前を走る車のタイヤ跡にできたシャーベット状態の上を時速40～50kmで、ほぼ片手運転のまま走り抜けました。
こんな異様な速さで降り積もる雪を、高速道路上で、しかもバイクで走りながら遭遇するとは…こんな空恐ろしいことは夢にも思いたくありません。「おお～ッ！！こわ～ッ！！」
そして、命かながらどうにか「草津PA」へと、たどり着くことができました。ここでやっと雪も小康状態となり、胸を撫で下ろしました。時間は既に午後4時30分になっていました。
ゆっくりと休憩しながら高速ツーリングを楽しみ、午後3時過ぎには帰宅の予定だったのが、まさかこのような展開になろうとは…。ここで疲れを感じている場合ではありません。
ここから近畿道はSAが無いことから、念のため、この「草津PA」にて燃料補給をしておくことにしました。タンクのロックを開けようと下を向いたところ、なんと！ドカッ！っと雪の塊が落ちてきたのに驚きました。走行中にヘルメットに雪が積もっていたのです。これにもまたびっくりしました。
この「草津SA」を出発してからはほとんど雪もなく、近畿道に入る前には、急激に西日が眩しくなりました。吹田JCTを過ぎて近畿道に入り、もうここまで来れば自宅まで一気の走りです。阪和道に入った頃には日が沈んでいました。そして、自宅に無事到着し、再び胸を撫で下ろしました。
今思うと、「東海IC」で出ることを余儀なくされてから、自宅に帰り着くまで1枚も写真を撮れていません。それだけカメラを手にする余裕など無かったということでしょうね。まぁ…無事に帰れたから良かったものの、今回は、とんだツーリングになってしまいました。
「次回は、4WDで富士五湖からの富士山を絶対撮ってやるぞ！」そうリベンジすることを心に決めて、今回のツーリングは「富士川ツーリング」と改めさせていただいた次第です。
本日の走行距離：548.7km
本日の燃料補給：17.98ℓ
総走行距離：1197.1km
総燃料補給：56.00ℓ
