北海道2009
【もくじ】
7/18>自宅~舞鶴フェリーターミナル
7/19>小樽港~小樽グリーンホテル
7/20>小樽~ひまわりの里~サロベツ原野~稚内
7/21>稚内~宗谷丘陵~クッチャロ湖~興部町
7/22>興部町~メルヘンの丘~石北峠~上富良野
7/23>上富良野~層雲峡~三国峠~松見大橋~上富良野
7/24>上富良野~狩勝峠~日勝峠~小樽フェリーターミナル
7/25>舞鶴フェリーターミナル~自宅
1週間の連続休暇をどう過ごそうか?「💰まぁ~るいもの」と相談しながら、行くとすれば涼しい「北海道」しかありません。フェリーの空き状況を調べてみると、予定の3日前にもかかわらず「予約できそう!」これはもう行くしかありません!何の迷いもなく、早速、旅支度をしました。
北海道ツーリングも5回目ともなると、取り立てて行くところはありませんが、ただひとつ「宗谷丘陵」だけは行き逃していたので、ここだけを目標に決めて、あとは「風の吹くまま気の向くまま…」の旅をすることにしたのです。ところがどうでしょう!全国的に天候不順の今年は、北海道でも然りで、感動の風景は望めませんでした。でも、今回は出会いによる別の熱い感動が待ってくれていたのです。
(道北~道央方面)
2009年7月18日~25日
1週間の連続休暇を涼しい北海道で過ごせれば、これほど幸せなことはありません。フェリーの空き状況を調べてみると、まだ予約できたので、何の迷いもなくインターネット予約をし、すぐに旅支度を始めました。
今年は思い立って決めたので、ツーリングコース等の予定はまったく組んでいません。風の吹くまま気の向くままに、その時の天候と気分に任せて走ってこようと思います。
午後6時30分、和歌山ICから阪和自動車道に入り、舞鶴東ICまで高速ツーリングを楽しみます。途中、岸和田SA、西宮名塩SAで休憩しましたが、舞鶴到着まで燃料補給をすることなく、約220kmを走り切りました。
舞鶴東ICを下りて、国道27号線沿いにあるGSで先に燃料補給を行い、コンビニでフェリー内での3食分の食料を買い込みます。フェリー内でもレストランで食事はもちろんできますが、ちょっと高くつきますので…。
舞鶴港に到着すると、すでに多数のバイクが乗船待ちをしています。すぐに乗船手続きを済ませ、待合室で待つことおよそ1時間、バイクの乗船案内が流れました。晴れていたので何よりです。乗船時、小雨でも降っていれば最悪ですからね。
乗船後、受付を済ませては、すぐにプロムナードのテーブルにペットボトルとタオルを置いて椅子を確保しました。この作業は絶対必要です。何故ならば、2等寝台を予約しているものの、この狭苦しいスペースで小樽港到着までの20時間以上という長時間を過ごすことは、あまりにも窮屈すぎるからです。この作業を怠ると、朝になってからでは、椅子を確保するのが大変ですよ!
これで落ち着いて着替えができ、あとは、お風呂に入って寝るだけです。
本日の走行距離:231.7km
昨日の燃料補給:10.01ℓ
午前7時起床。今回のフェリーは、波が荒いためか大揺れで、ゆっくり熟睡できませんでした。あとの船内アナウンスによると、低気圧の影響で、波が荒く、大きく揺れることもあるので、船内歩行は注意するようにとのことでした。また、小樽到着時刻についても若干遅れる見通しとのことであるが、何はともあれ、お腹が空いたので、昨夜の乗船前にコンビニで買い込んだ「おにぎり&味噌汁」で朝食としました。
ここで、先に確保しておいたプロムナードのテーブルが役に立つのです。食事をしたり、寛げるスペースを探しているようでは落ち着きませんからね。盗られても良いような物を置いておくだけで(誰も盗らない?)、そこに行けば寛げる。これは、長時間の船旅には不可欠です。
朝食後、後部デッキに出ようとしましたが、風がきつくてドアが重く出るのを諦めました。外の空気を吸って軽い体操でもしようと思ったのですが、やはり、低気圧の影響で風が強く海も荒れているのでしょう。時々ドンという音とともに大きく揺れるのは、荒れている波が原因のようです。
しかたなくプロムナードの独占席に戻って、HIR氏にいただいた「0円マップ北海道」を見ながらツーリングコースを考えては、ゆっくりと過ぎて行く独占タイムを楽しむことにしました。
午後は6階のコンファレンスルームでの映画「おくりびと」を楽しみました。この映画の一般上映を見逃していたので、見たいと思っていた映画が船内で無料で見ることができて最高でした。
見たかった映画鑑賞で、あっと言う間に時間が過ぎて行きました。寝台ベッドに戻って横になり、しばらくうつうつと眠ったかと思うと、もう下船準備の案内アナウンスが流れてきました。いつものように、他の乗客が下船の仕度を始める前に、先にロビーに荷物を運んでおきました。
午後9時前、やっと小樽港へ到着です。今夜の宿泊場所は、格安の「小樽グリーンホテル」の予約が取れなかったことから、JR小樽駅前の高価な「ホテル ドーミーイン PREMIUM 小樽」(名前が覚えられない!)です。初めてで勝手が分からないことから、バイクの駐車場所を尋ねるため、先にフロントに行かねばならず、高価な割りにちょっと面倒でした。
バイクの駐車場所は、車と同じ立体駐車場の片隅を利用するようにしたもので、どうにか、あと1台が駐車できるスペースが空いており、助かりました。私より遅く到着したグループのバイクは空きスペースが無く、止むを得ず路上駐車をしていた様です。
高価なだけのことがあって、このホテルには天然温泉の大浴場があり、部屋は静かで、気持ちよく熟睡できました。
本日の走行距離:3.8km
本日の燃料補給:0.0ℓ
午前6時起床、今年は「予定は未定」の旅なので、いつもよりゆっくりです。例年なら4時30分に起床して出発の準備をするのですが…。とりあえず準備をして、宗谷丘陵を目指し北に向かうことにしました。予定が未定なので心にもゆとりができるため、すごく幸せな気分が味わえる旅になりそうです。
♪ルンルン♪
準備を整えてチェックアウトし、さぁ!出発です。ところが、立体駐車場を出てみると、あれれ??霧雨!?どうなってるの?テレビでは雨なんて言ってなかったぞ~!
札幌を抜けて国道5号線から国道337号線へと向かううちに雨も完全に上がり、曇りがちな天候ながら、直線道路を気持ち良く走れました。まず、最初に向かうのは、北竜町の「ひまわりの里」です。ここも行きそびれていた場所なので、楽しみです。
天候は今ひとつなものの、雨が止んだだけでも良しとしよう!直線道路を走っていくうちに、もう雨竜町まで来ました。でも、やっぱり、どんよりと曇った空では、写真を撮る気も湿りがちになります。
CBRの走りを楽しむうちに、またまたあっと言う間に北竜町に入ります。道の両サイドはサンフラワーのマークで飾られ、北竜町に入ったことが分かります。しばらく進むと「ひまわりの里」への案内標示がありました。
時期的に見ごろには少し早かったのですが、早咲きのひまわりが丘一面に咲き乱れる光景がカメラには収めきれず、その広さに感動しました。1980年に地元の農家の女性たちがひまわりを植えたのがきっかけで、北竜はひまわりの町になったのだそうです。そして、1989年から、更に大規模な栽培が始まり、現在は18万平方メートル以上の畑に、100万本ものひまわりが植えられているそうです。
「ひまわりの里」に感動したところで、お腹が空いてきました。そこで、フェリーで残しておいた「おにぎり」を思い出し、近くの道の駅「サンフラワー北竜」で、お昼の「おにぎり休憩」をとりました。
休憩しながら次の行き先を思い出しました。おにぎり1個では満腹になるはずはありません。だからかも知れませんが、蕎麦の産地「幌加内」にある手打ちそば「霧立亭」です。行き先が決まれば、直線道路を目的場所に向かって一直線です。
早くも国道275号線沿いのあちこちに「そば畑」が広がってきました。これで、もう「幌加内町」が近いことが分かります。幌加内町は「そば作り」日本一の町だそうで、現在の作付け面積が2,700ha、生産量が2,390t以上と、ともに日本一の生産地だとか…。そこで収穫されたそば粉だけを使っている「霧立亭」の手打ちそば!早く食べたい!
そして、広い広い北海道!広い広い幌加内町は、東西24km、南北63km、面積は、なんと767.03k㎡!?わが和歌山市の3.65倍もの広さです。これで納得!走っても走っても「霧立亭」には着きません。お昼を「おにぎり1個」で済ませて走っているものだから、余計にそう感じるのかもしれませんが、幌加内の「そば」を食べたいと思いつき、幌加内までの標識を見てから、すでに1時間30分が経過して、もうお腹が空いてたまりません。
国道239号の標識を過ぎてすぐのところに「雪蔵蕎麦」の白いのぼりが立ち並んでいるのに気づきました。おおーっ!?Uターンして確認すると、小さな蕎麦のお店「手打ちそば霧立亭」の名前が見えました。やっと到着です。時計を見ると午後2時過ぎでした。ここでさらに空腹感を覚えました。
早速お店の中に入ると、迎えてくれたのが30才半ばの女将さん?でした。お腹が空いていたためか、メニューを見てゆっくり選ぶ間も待てず「天ざる大盛」を注文しました。待つことおよそ10分。蕎麦の香りを漂わせ、大盛天ざるが目の前に…。カメラに収めることも忘れ、一気に喉の奥へとすすり込みました。「おおーっ!うまい!」最高!このうまさは言葉では表現できません。お土産を「そば」と決めて、このお店ですべて買いました。
お腹も落ち着いたことで、この「霧立亭」を記憶に収め、次に楽しみにしている「霧立峠」へと、ここ「霧立亭」に来る前に通り過ぎた国道239号線に向かいます。ふと気づくと、左手の丘の「上平グリーンヒルウィンドファーム」に設置された風力発電の大きなプロペラが見えました。
国道239号線の長い長いワインディングロードを楽しんでいるうちに、あっという間に苫前町の海岸線である国道232号線に出てきました。ここからは6年前にも走ったことのある、稚内までの海岸線「オロロンライン」を走って行こうと思います。
その前に、遠別町で燃料補給をしていくことにし、GSに立ち寄ると、ここのおじさん曰く「今年の夏は雨ばかりで、ここ1週間でも4日間は雨だから、(商売が)サッパリです。」と、ぼやいておられました。私が「今年の北海道の夏は、何だか寒いくらいですね。」と話すと、「こんなの異常気象ですよ!例年なら汗ばむくらいで、この時期は晴天が続くのですがねぇ…。」と言っていました。
GSのおじさんとこんな会話を交わし、「これからどちらへ?」と聞かれたため、「稚内へ。」と答えると、「じゃあ、次の信号を右だからね!」と教えてくれました。
その後も「国道232号線⇒稚内」の標識を目印に進んで行ったため、天塩町で「道道106号線」へと「この交差点」を左折せずに、あのおじさんの「右だからね!」の言葉が耳にこびりつき、そのまま「国道232号線⇒稚内」の標識だけを頼りに進んでしまったものだから、ふと気が付くと「国道40号線⇒豊富町」の標識が目に飛び込んできました。
「あれーっ???」いつまで走っても「オロロンライン」に出ないと思ったら…。
最悪!途中「サロベツ原野」から「オロロンライン」に抜けようと試みましたが、時間がすでに夕方の6時を過ぎており、このままでは、稚内のライダーハウスへの到着時間が遅くなってしまいます。仕方なく「オロロンライン」へ戻るのはあきらめて、国道40号線をそのまま北上し、稚内へと直行することにしました。
もう目指すは、稚内市内の「ライダーハウスみどり湯」です。ここは、6年前に初めて北海道ツーリングを楽しんだときに、クラブの仲間と2人で利用したことのある所です。また、あの女将さんに会えると思うと楽しみです。道道106号線沿いの「セイコーマート」のある交差点を入った所と覚えていたので、場所はすぐに分かりました。
しかし、この日の稚内は、最高気温が13℃です。3シーズン用のブルゾンを着て来ましたが、インナーがメッシュのTシャツ1枚なので、走っていると寒さを感じます。着替えもTシャツだけなので、このままでは今夜が耐えられないと思い、ライダーハウスにチェックインする前に稚内市内に戻り、長袖トレーナーを購入して、ついでに燃料補給を済ませてから行きました。
これで寒さ対策は解決です。一安心してホッとした気分で「ライダーハウスみどり湯」に到着し、早速、ガレージ奥にバイクを入れてチェックインしました。6年前と変わることなく女将さんの姿がありましたが、私のことなど知る由もありません。まずは、荷物を運び込み、この女将さんの経営する銭湯「みどり湯」へと温まりに行きました。
銭湯「みどり湯」では、すでに同じ泊まり客が先に2名入湯していました。この日は、銭湯の休みの日で、一般客がありません。みなさんライダーばかりで、湯船では、北海道ツーリングとみどり湯の話題で持ちきりです。
ライダーハウスに戻ると、すでに談話室で6名の同志が北海道ツーリング談義で盛り上がっていました。そこに私たち残りの3名が加わって、合計9名のツーリング同志の宴会の始まりです。まずは、自己紹介から…。この日は、私と同じ関西で神戸からの人、愛知県の三河からの2名、他に東京、横浜等からの方々です。
バイクは、「BMW R 1200 GS Adventure」が2台、カワサキバルカンクラシック800、ホンダスティード400、ヤマハV-MAX、カワサキKLX250、カワサキ1400GTR、ホンダスーパーカブ90の8台で、それに私のホンダCBRファイアーブレードです。BMWの同じ2台のバイクもまったく偶然の出会いです。
それに、ヤマハV-MAX乗りは女性です。「重たい!」と言っていました。そりゃそうでしょう!男性でも取り回しに苦労するほどですから…。でも、乗り回せるだけすごいよね!
女将さんに、私が6年前にもここを訪れたことがあることを「女将さんと一緒に撮った写真」を見せて話すと、びっくりされていました。そして、見せた写真を大事そうにみどり湯のアルバムに「ほんと!若いね!」って言いながら貼ってくれました。バイク談義、北海道談義はその後も延々と盛り上がり、飲み会が夜中まで続きました。
本日の走行距離:433.4km
本日の燃料補給:22.83ℓ
午前6時過ぎ、朝早くから何やらバタバタとしています。そう言えば、「礼文島」に渡る何組かのライダーが、女将さんのご主人の車で朝早く「稚内港」まで送ってもらうとか…昨夜そんな話をしていたような…。私は、遅くまで飲んでいたので、もう少し横にならせていただくことに…。
午前7時30分起床。外は晴れています。このままの天気で今日1日続いてくれるといいのだが…。そうだ!この晴れているうちに、今回の北海道ツーリングの最大の目的である「宗谷丘陵」に行こう!早速、すぐ近くにある「セイコーマート」でおにぎり等を買って来て、テレビの天気予報を見ながら朝食を済ませました。
北海道の天気予報は今日も全般にくもりまたは雨マークで、低温注意報が出ています。昨日買った長袖トレーナーで身を包み、身支度を整えていると、定年の2人組が出発するとのことで、見送りに出ました。続いて、東京からカワサキKLX250でやって来たお兄さんの出発も見送りました。
私もそんなにゆっくりはしていられません。晴れているうちに「宗谷丘陵」に行かなければ…。ガレージからバイクを出したところに、ちょうど女将さんがゴミを出しに出てきたので、集積場所から戻るのを待ってシャッターを押してもらい、そしてお礼とお別れのご挨拶を済ませました。「女将さん!いつまでもお元気でいてください。」またの機会に、この「ライダーハウスみどり湯」を利用させていただきます。
稚内市を国道40号線から238号線へと進み、一路「宗谷丘陵」を目指します。6年前には、宗谷丘陵への予定も立てずに通過してしまっていたのです。ツーリングマップルと案内標識を頼りに進むと、きっと見つけられるはずだ!そう信じて、やや肌寒い日本海の朝の空気を感じながら、ゆっくりバイクを走らせました。
海沿いを1時間足らず走るうち「宗谷丘陵」への進入口の案内標識がありました。やっと望みの宗谷丘陵だ!まるで子どものように、興奮して胸の高鳴りを感じました。さぁ!行くぞ!
気持ちの昂りを抑えながらゆっくりと登っていくと、緩やかなワインディングを駆け上った所から、道は一気に空へと開けます。
ここは本当のスカイライン!日本海を望む見晴らしは気分最高!雨が降らずに良かった。この宗谷丘陵だけでも雨が降らないようにと祈り続けていました。そこに、2台のハーレーらしき鼓動音が聞こえてきました。
やっぱり撮影ポイントである、私と同じ場所に停車しました。そして、男性が私に近づいてきて、シャッターを押してとお願いしてきました。聞くところによると、ご夫婦によるハーレーツーリングだとか…うらやましい限りです。
綺麗なアングルで2台のハーレーとともに2人を撮影できたので、デジカメの液晶画面で確認しながら本当に喜んでくれました。そして、私も撮ってもらうことができ、三脚を取り出す手間もなく助かりました。
丘と丘を縫うように越えてゆく緩やかなワインディングロードは、バイクで走って最高に気持ちの良い道です。北海道を感じる直線道路も最高ですが、この宗谷丘陵も北海道でしか、ここでしか味わうことのできない新鮮ツーリングロードです。
平日のためか、2台のバイクに出会っただけで、車には出会った記憶がないほど走っていません。天気もどうにか持ちそうで、最高の気分です。こんな気持ちの良いワインディングロードを、いつでも走ることができる地元のライダーがうらやましいですね。
気持ちの良いワインディングロードを楽しんだ後は、宗谷岬平和公園に立ち寄ってみました。ここでも同世代のBMWライダーと出会いました。団塊の世代にBMWが人気なのが窺い知れます。横浜から来られたそうで、しばらく立ち話で北海道談義を楽しみ、旅の安全を祈りあって別れました。
その後、ちょうど、お昼時でもあったので、公園内のラーメン店で「帆立ラーメン」を食べました。ここでも店員さんに聞いてみると、「こんな寒いくらいの気候は、この時期初めてです。ちょっとおかしいですね!」と、帆立ラーメンの売れ行きに不思議そうに話しておられたのが、とても印象的でした。
昼食後、旧海軍望楼に昇ってみました。風が強くて階段が怖いくらいでした。ここからは、宗谷岬が一望できます。夢にまで見た宗谷丘陵が、運良く天候に恵まれたことを感謝して、この北の最果て「宗谷岬」に別れを告げました。
宗谷丘陵のワインディングロードを楽しめたことで、今回の旅の目的は一応達成できました。これからの旅はオマケとすることにして、うまく写真が撮れれば儲けものとしましょう!
再び国道238号線に戻り、クッチャロ湖方面へとオホーツク国道の直線道路を走ります。途中、大きな風力発電のプロペラが見えてきますが、ツーリングマップルではちょっと現在地が分かりません。
オホーツク国道の長い長い直線道路を走り続けて、やっと「クッチャロ湖」へと到着です。くもり空ながら、どうにか雨に遭わずにここまで辿りつくことができました。ここも6年前に通り過ぎてしまい、心残りで仕方がなかった場所だけに楽しみにしていましたが、初めて来て見て、「う~ん?」それほどでもないなって感じ!ちょっと残念でした。くっきりと晴れていると素晴らしい景色が楽しめたのかも知れません。
クッチャロ湖を後にして、再び国道238号線のオホーツク国道を紋別方面へと向かううち、いつかしら1台のバイクが私の後をずっとついて来ます。途中、道の駅「マリーンアイランド岡島」にトイレ休憩に入ると、そのバイクも入って来るではありませんか。
ヘルメットを外した姿にびっくりです。なんと!うら若き女性でした。トイレへと歩く様子がおかしく、片方の足を引きずっています。「どうしたのですか?」と訊ねてみると、立ちごけで、右足がバイクの下敷きになって、靴が脱げないくらいに腫れているとのことでした。可哀そうですが、私にはどうすることもできません。
バイクは「カワサキバリオス」で、地元「網走」に帰るところらしい。免許を取ってまだ間がないように言っていました。走っていると寒いので、ブルゾンの下にさらにトレーナーを重ね着していると、彼女はレインウェアーを重ね着して走って行きました。
ほんの10分も走らないうちに、今度は小雨がぱらついてきました。すると、彼女のバイクが停まって、レインウェアーのズボンをはき始めました。私もその後ろに停車して、レインウェアーを羽織りました。すると、彼女が話しかけてきて、「バイクを教えてくれたのも和歌山の人でした。」と、ひとこと言い残して走り去っていきました。なぜか、このツーレポを綴っている今でも、足のケガの痛みに耐えながら話す作り笑顔が、瞼に焼き付いて離れません。
その後、雨は止むこともなく降り続き、興部町までやってきました。時間も午後5時過ぎです。そろそろ今夜の寝床を探さなければなりません。ところが、小雨の降り続く中では、ライダーハウスの場所を探そうにも、ツーリングマップルを開き辛いので、どこかに立ち寄ろうと思って走っていると、ちょうど道の駅「おこっぺ」の案内標示を見つけました。ここに立ち寄り調べてみると、紋別まで行けば「ライダーチャリダー共和国」というライダーハウスのあることが分かりました。
途中、国道沿いに立てられた案内標示に従い進んでいくと、GSがあったので、燃料補給のついでに訊ねてみると、「道なりにもう少し行くと、左側に、はた乃食堂の看板が見えるので、そこに行けばすぐに分かりますよ!」と教えてくれました。行ってみると、建物に「ライダーチャリダー共和国 」の大きな看板が掲げられていたので、迷うことなくすぐに分かりました。
建物の1階が専用の駐輪場になっており、雨に濡れることなくレインウェアーを脱ぐことができて良かったです。私が到着時は、自転車が1台停めてあるだけで、私のバイクの音に気づいたご主人が、目の前のドアを開けて顔を出し「おおーっ!入って入って!」と、気さくに迎えてくれました。そして、その後ろから1人の泊り客らしき方が、一緒に迎えてくれました。
ご主人であるおじさんに、「食事はまだか?」と聞かれました。私が「ここは食堂も営業されていると聞きましたから…??」と尋ねると、「今日は食堂は休みやから、近くにあるコンビニまで車で送るから…。」と言って、軽トラに乗せて、夕食の買出しに連れて行くと言うのです。「あの人も乗せて行ったのに、あんたを乗せて行かんわけにはいかんやろ…。」とかボソボソ言いながら、国道の角にあるセブンイレブンまで乗せていってくれました。
買出しを済ませて再び軽トラに乗せてもらうと、狭い車内が、おじさんの吸うタバコの煙で充満していました。送っていただきながら文句も言えずに我慢しましたが、これがちょっと辛かった!おじさん曰く「さっきの人は自転車の人で、つい先ほど着いたばかりです。」と言って、この人も買出しに乗せて行ったとか…。
部屋には暖炉があって、「今日は寒いから…。」と、薪をくべて暑いほどに焚いてくれました。先の人と自己紹介をし合うと、何と香川県からの方で、フェリーで小樽についてから、今日で10日目だそうです。リストラに遭って、自転車で北海道を1周する計画を立てたとか…。こんな機会しかできないことを、どうしてもやりたくて…。とか言っていましたが、気の遠くなるようなことを計画されたその気力と行動力に、感服し驚嘆するばかりでした。
夕食後、ライダーハウスのご主人であるおじさんは、北海道のことや紋別の話を、若いころに経験した話を交えて、いろいろ語ってくれました。そして、「ちょっと出かけるから…。」と言っては1時間ほどで戻ってくると、大きなペットボトル入りの焼酎と牛乳を買ってきて「焼酎の牛乳割り」を振舞ってくれました。「牛乳割り!?」とびっくりしましたが、これがまた結構な味で、まったりと焼酎に良く合い、本当に美味しかったです。家に帰ってからも試してみようと思いました。
そして、おじさんの語りはその後も尽きることなく、午後10時過ぎまで続きました。チャリダーの方と「明日は朝早いから…。」と、もう着床することを告げると、良い旅をするようにと旅の無事を祈願しては、この場を立ち去って行きました。
本日の走行距離:241.3km
本日の燃料補給:6.7ℓ
午前5時45分起床。昨夜は、夜中の雨の音で、あまり熟睡できませんでした。雨は、その後も止むことを知らず降り続きました。テレビの天気予報でも、道東方面は雨マークです。仕方なく、雨天走行の身支度にかかりました。
香川県からのチャリダーも、今日の予定を立てながら、雨天走行の準備にかかっています。気温も低温注意報が出ているほどで、早朝は寒さを感じ、トレーナーを羽織っていても暖炉を焚いてちょうど良いくらいでした。夏の北海道で、暖炉を焚かねばならない羽目に遭うとは思ってもいませんでした。
午前7時15分、チャリダーは雨対策を万全にしては、「雨だからといって走らなければ、一向に前へは進めませんから…。」と、気持ちを奮い立たせています。二人の旅の安全を祈念して握手を交わし、お別れを言いました。そして、彼は雨をものともせずに「ライダーチャリダー共和国」を後にして行きました。その、後姿から、果敢に挑戦する勇敢な男の格好良さがにじみ出ていました。
立派なエンジン付の私の場合と比べ物になりませんが、彼の勇敢さを見習って、これからの旅を無事に終えられるよう、気合いを入れ直した次第です。そして、午前8時、雨が上がったので、私も出発しようと「はた乃食堂」にお礼を申し上げに寄りました。しかし、お留守の模様でしたので、心からのお礼を言って「ライダーチャリダー共和国」を後にしました。おじさん!いろいろお世話になり、ありがとうございました!いつまでもお元気でいてください。
網走方面へと向かう途中、国道238号線を力強く自転車のペダルを踏むチャリダーの彼を追い越すことに…。「がんばってください!」と一声かけて、お先に失礼をしました。
走りながら、不意に、〝かみふらの「道楽館」〟のsottoooさんを思い出しました。そうだ!こんなに寒くてうっとうしい天気ばかりなら、思うような写真も撮れないしつまらないから、富良野方面に行こう!そして、あの「道楽館」でライダー達に会い、楽しい北海道談義をしたほうが絶対楽しいと思いました。そこで、早速、sottoooさんに電話で予約を入れると、快くOK!の返事をいただくことができました。
そうと決めれば、網走からは国道39号線に入り、行きたいと思っていた女満別の丘にも立ち寄れる!曇り空を仰ぎ見ながら、またファイトが沸いてきました。途中には、サロマ湖や能取湖等の晴れていれば絶景の場所がいくつもありますが、あいにくの小雨交じりの天気では、その絶景を望むことすら叶いません。
走り過ぎて行くうちに、気が付けばもう網走市内に入っていました。国道238号線の広いT字路を、「国道39号線⇒女満別」の標識を頼りに右折し、網走湖を右手に望みながらしばらく進むと、国道39号線沿いに「メルヘンの丘」が見えてきました。今にも降ってきそうな天気ではありますが、そう訪れるたびに好天ばかりに恵まれるはずがありません。
女満別町から美幌町へと入り、ちょうど午後12時を過ぎたので、ローソンでトイレ休憩を兼ねて、いつもの「おにぎり定食=おにぎり2個、野菜ジュース、ヨーグルト」でお昼ごはんを済ませました。そして、食べながら、また新計画を思いつきました。
好天に恵まれない今日の1日は、「道楽館」を目指してただひたすら走ることにして、そのまま「道楽館」に連泊し、翌日は「道楽館」に荷物を置いて、「身軽な状態でツーリングを楽しみたい!」そう思いついたのです。
早速「道楽館」のsottoooさんのケータイに連絡し、また快くOK!をいただきました。明日の天気は分かりませんが、天気が良くなくても、身軽な状態でのツーリングは軽快だから疲れませんし、富良野周辺だと、天気が悪くても行く場所には事欠きません。
そんなことを考えながら走っていると、北見市街も通り抜けて、道の駅「おんねゆ温泉」が見えてきました。結構な距離を走ってきたのに、ほとんど疲労感はありません。それでもお昼休憩を取ってから、およそ2時間が経過しています。
やっぱり、この道の駅で少し休憩しておかないと、あまり長時間の連続運転は、あとに疲労が残ります。「よーし!休憩!」と、思い切って休憩を取るのも、ここでの時間がすでに午後2時だからです。これから石北峠を越えて、旭川市を抜け上富良野まで、まだ相当の距離を走らなければなりません。「道楽館」へのチェックインが遅くなってしまいます。宿泊の予約を入れていると、これだから、本当は私の旅のスタイルではないのだが、この際、止むを得ません。
しかし、石北峠では濃霧に遭遇し、最悪の天候へと変わってきました。雲行きも怪しくなり、峠を越えるころは再び雨が降ってきました。一度脱いだレインウェアなのに、また着用を迫られて気が滅入ります。
峠を下っていくうちに徐々に霧が消えてゆき、少しずつ西の空が明るさを増してきました。この状態だとレインウェアを着用する必要がありません。「良かったぁ~!」ホッとした気持ちでどんどん峠を下ってゆくと、薄日も差してきました。もうこれで一安心です。
雨の気配が無くなって、イライラ気分が治まった頃、「層雲峡」の案内標示が見えてきました。ここは、バスツアーでも、また6年前に初めてバイクで訪れた場所でもあるので、ここから上川町を過ぎるまでの長い長い下り坂を、ひと息に下ってしまいました。
しばらく進むと信号の数も多くなり、当麻町へと入ります。案内標示には道の駅「とうま」まであと○kmと掲げられていました。石北峠を越えてすでに1時間30分以上は経っています。道の駅「とうま」で小休止に決定!
時計は午後4時5分を指しています。ここから上富良野まで、休憩なしで走っても2時間弱はかかるはずだから、もうどんなに急いでも、そんなに時間差が出るはずもありません。午後6時までに「道楽館」にチャックインすれば、sottoooさんが怒ることもありません。
こんな落ち着き払った気持ちで、小休止のつもりが大休憩になってしまい、道の駅「とうま」を出たのが午後4時45分でした。「道楽館」を目指して再出発です。曇り空ではありますが、少しは天気も持ち直し、憂うつな気分も晴れてきました。
国道39号線を旭川市の中心部へと進んでいくと、「旭川ラーメン」の看板が目立ってきます。お腹が空いていたので、食べたくなりましたが、今夜は「道楽館」の美味しいダッチオーブン料理が待っているため、我慢しました。
道は富良野方面へと国道237号線に入ります。この道はもう何回か通った道なので、別のルートをと思ったのですが、時間的に道草を食っている余裕も無く、遅れを取り戻すためにも地図を見ないで走れる道に頼ってしまいました。
丘のきれいな美瑛の町を通過すると上富良野町へと差しかかり、ここまで来るとすぐそこが、かみふらの「道楽館」です。到着すると、すでにリビングにお客さんが集まって、夕食を待っている様子でした。
すぐに部屋に案内していただき、お風呂を済ませては、みんなの輪に入って夕食のダッチオーブン料理を待ちました。この日の宿泊客は、三重県から車で来られたご夫婦と、東京からZZR1400を飛ばして来られた青年に私を含めて4名と、ちょっと寂しかったのですが、ハートランドの生ビールで乾杯すれば、すぐに会話が盛り上がり、楽しいダッチオーブン料理の夕食会は、あっと言う間に着床の時間になりました。
本日の走行距離:345.3km
本日の燃料補給:15.06ℓ
午前6時起床。夜中に雨音が聞こえていましたが、朝は止んでいました。外に出ると、三重県のご夫婦は、早朝から観光をスタートさせたのか、すでに車がありません。朝食が8時からなので、たぶんツアー客の少ないうちにと出かけたのでしょう。
私も何回か朝練ツーリングを楽しみ、バスツアー客のいないうちに好きなカメラアングルで写真を撮りまくりましたが、今日は「旭川ラーメン」に気持ちが傾いており、朝食までは、ここでのんびりさせていただきました。
ここ「かみふらの道楽館」は、夏の北海道ツーリングが病みつきになり、2005年の3度目の北海道ツーリングで初めて宿泊して知りました。以来、2007年、そして今年と、3回続けてのリピーターとなります。2007年の夏にはテラスに屋根が設けられたかと思うと、今年はその周囲に防虫ネットが設けられ、来させていただくたびにバージョンアップが図られているのに驚いています。
そこに東京からのZZR1400の青年が起きてきました。そして、夜中の雨に濡れた愛車を拭き始めました。彼曰く「カワサキのバイクはあかんで~!買ってすぐに電子部品の故障で修理に出してから、その後もあちこちと修理ばっかり…やっぱりカワサキって感じ、最低や!」と、カワサキのバイクをぼろくそにけなしていました。
そんなことを言いながらも、大切な愛車だと言わんばかりにきれいにしています。マフラーは2本出しから4in1に改造し、あの威圧感のある大柄なスタイルから軽快感のあるスタイルへとうまく変貌させていました。他にもあちこちと細かい改造が施されているところを見ると、けなしながらも、彼はカワサキが好きなのでしょう。
バイクの掃除を済ませてリビングに戻っては、彼は軽快な口調で、朝食までの時間をバイク談義で花を咲かせてくれました。バイク談義が盛り上がっているところに、三重県からのご夫婦が、早朝のドライブ観光を楽しんで帰ってきました。
そして、朝食はいつもの「中華粥」に、色とりどりの漬物と佃煮のバイキングです。これがまた、夜のダッチオーブン料理に負けないくらいに?美味しくて、何度食べても飽きることなく、他の旅館ではマネのできない、ここ「道楽館」だけの最高の朝食です。
食べ物の話をすると、今日のお昼は「旭川ラーメン」に決めています。今回で5回目の北海道ツーリングですが、旭川ラーメンを味わうのは初めてです。名前は良く聞くのですが、自分の口に合うのかが気になります。と言うのは、和歌山出身の私の町には「和歌山ラーメン」とブランド化されつつある「中華そば屋」がたくさんあって、ラーメンの味にはちょっとうるさいタイプだからです。
「道楽館」のご主人であるsottoooさんに「旭川ラーメン」の美味しいところを尋ねてみると、「ふるき」という名前を教えてくれました。ここは、大通りから離れた団地の通りにあり、地元の人に結構人気のある店ですが、観光客にはあまり知られていないかも…とのことです。
行く前に「ふるき」をインターネットの口コミ情報で調べてみたところ、sottoooさんに教えてもらったとおり、超人気店でした。これは行ってみる価値はありそうです。早速、インターネットの地図で場所を調べてみました。ところが、プリントアウトしなければ、とても覚えて行けるような簡単な場所ではありません。
でも、プリンターがないので、手書きの地図を作って持って行くことにしました。さぁ!午前10時のチェックアウトに合わせて旭川ラーメン「ふるき」を目指して出発だ!国道237号線に出て、深山峠を旭川方面に下ったところに「かんのファーム」が見えてきます。丘一面に咲くラベンダーが、とってもきれいでした。UターンしてCBRと一緒に、想い出の富良野の一こまをカメラに収めておきました。
国道237号線を旭川市方面へと進むうち、またまた雲行きの怪しい天気になってきました。今年の夏の北海道は、不安定な天気ばかりで気温も低く(ただし旭川は暑い!)、スカッと晴れた青い空を見たくて北海道にやってきたのに、青空の写真が撮れないままでは…このままでは帰れません!
そんな悔しい気持ちを胸にして、頼りない手書きの地図に頼りながら旭川市街へと入ってきましたが、まずもって、国道237号線を跨いで走る「道道90号線」への上がり方から分かりません。
あれれ??確か「100満ボルト」とかいうお店の??Uターンして戻ってみると、ハイハイ!!分かりました。道に迷いながら、この辺りかなぁ?と思う団地の立ち並ぶ「旭川緑が丘郵便局」前の通りまで来ましたが、それでも見つけることができません。
止むを得ずバイクを降りて、歩道沿いで庭の手入れをしている男性に尋ねてみると、「そんなに分かりにくくはないですよ。向こうに見える信号を右に曲がって、次の信号をまた右に曲がった通りの幼稚園の向かいにあります。」と、分かりやすく教えていただき、本当に助かりました。
教えていただいたとおり「お食事の店 ふるき」と書かれた小さなお店がありました。バイクを通りに停車させていると、店の中から女性の店員さんが出てきて、こちらに停めるようにと…言われるままに停めなおしていると、次々とお客さんが店内に入って行きます。
時計はちょうど11時を指していました。開店と同時に店内は満席です。今日は木曜日の平日なのに、私がカウンター席に案内されたときには、店の中に入れなくて並んで待つ方が2~3人いました。注文を聞かれて、何にしようかメニューを見ながら考えていると、ほとんどのお客さんが「みそラーメン」を注文しています。それで私も「右へならえ!」ではありませんが、同じく「みそラーメン!」と注文しました。
狭い店内は熱気で溢れ、暑さで汗が流れてきました。拭いても拭いても止まりません。そこに出てきた「みそラーメン」は、どんぶりから溢れんばかりです。汗を拭きながら、まずはスープからすすってみると、かなり濃厚!甘みとスパイスの効いた辛味が重なって、何とも言えない初めての味わいです。ちぢれ麺に濃厚なスープが絡まって…うう~ん!!チャーシューも歯ごたえのあるうまさ?と言うか…。
お店の雰囲気はアットホームな感じ。麺をゆでるご主人は気さくな人で、何かしら話しかけてくれましたが、今では何を話しかけてくれたのか全く覚えていません。それにチャーシュー等をトッピングする女性店員が3~4人いたように思います。
ラーメンのお味の方は、私の口にはちょっと不向き?「和歌山ラーメン」の味が好みのためかも知れません。「旭川ラーメン」には申し訳ありませんが、私の舌では「うまい!」とは感じませんでした。これは正に、口に合うか合わないかの違いで、不味いということではありません。
さぁ!お腹が大きくなったところで、再出発です。今夜も「かみふらの道楽館」に連泊するため、荷物がなくバイクの後席は空席だから、乗り降りがしやすく身軽です。
夕食までの時間を有効に使うためには…そうだ!2年前に見逃していた「タウシュベツ橋梁」を見たいと痛切に思いました。タウシュベツ川に架かる橋梁で「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋群」のひとつです。
そう思いながら、昨日「かみふらの道楽館」に向かった国道39号線をまた戻る形で、層雲峡を通過しては三国峠方面へと国道273号線に入りました。道は快適な長径ワインディングロードで、気持ちよく走れます。しかし、天気がピリッとしません。
三国トンネルを越えて「松見大橋」をカメラに収め、三国峠を下っていくうちに「タウシュベツ橋梁」への進入路である細い林道があるはずです。しかし、今回も見つけることができません。
ふと気づくと、国道沿いに「タウシュベツ橋梁展望台」が新設されたという案内板がありました。今年から「糠平三股林道」の一般車両の通行が規制されているようです。何台かの車が停まり、展望台からのタウシュベツ橋梁の遠望を望んでいるようですが、望遠撮影が可能な一眼レフカメラでもあればバイクを降りて望む気にもなったでしょうが、仕方なくあきらめました。もう、誰かが撮影した写真で見るしかありません。
「タウシュベツ橋梁」をあきらめて、長い長い峠を下っていくと、もうそこは上士幌町です。タウシュベツ橋梁に思いを寄せて走るあまりに、ここまで走って来てしまいました。時間はすでに午後3時20分になっています。とんでもない遠方まで来てしまいました。仕方がない…ここからは帯広に出て、道東自動車道を利用して上富良野に戻ろう!
このまま国道241号線を南下して「音更帯広IC」へと向かいました。あれれ???料金所には誰もいないし、ETCでもありません。分からないままで、そのまま高速道路を走っているうちに、途中の「十勝清水IC」の料金所で、係員にETCカードを提示しての割引適用による支払いとなっていました。
私は連泊により荷物を積んでいないので、リアトランクに設置しているETCの車載器からカードを取り出すのは簡単でしたが、先に着いていたバイクは、荷物満載のソロツーリング!?可哀そうに、ETCカードを取り出すために、全ての荷物を降ろしていました。私はその横を「お先に!」失礼をして先を急ぎました。
途中で小雨に遭い、またまた峠越えでの天気が…。最悪!でも、どうにかほとんど濡れることなく、終点の「トマムIC」に到着できました。ここからは国道38号線に出て、再び国道237号線にて「かみふらの道楽館」に戻ります。
「かみふらの道楽館」へは午後6時45分に無事到着しましたが、ちょっと遅過ぎ?sottoooさん含めこの日の宿泊客全員が、私の帰りを待っていてくれました。前日から一緒のZZR1400の青年は「おじさん!どこまで行ってきたん?」と、あまりにも遅いので、心配してくれていたようです。
さぁ!全員が揃ったところで、ダッチオーブン料理による食事会の始まりです。「乾杯!」今夜は、昨日とは打って変わって、多くのライダーと3人の女性グループが加わって、とても賑やかです。心地よいツーリングの疲れとともに、みんなのビールも進みます。
この日は、昨日から連泊している東京からの青年と私に加えて、ライダーは千葉県や東京等からの方々7名と、埼玉県からの女性3人組ドライブ旅行者の合わせて12名と、最高の盛り上がりになりました。
女性3人組の中の1人は和歌山の出身で、それも同市内で驚きです。仕事の関係で現在は埼玉県に住んでいるとか…。ライダー同士、それに出身地が同じ等で会話が弾み、この日は夜遅くまで騒いでいたようです。私は、いつものように22時就寝ですから、お先に失礼しましたが...。
本日の走行距離:352.7km
本日の燃料補給:20.39ℓ
午前5時30分起床。早朝の天気は晴れていました。今日はもう北海道の最終日です。あっという間の1週間、楽しいことばかりを続けていると、こんなにも時の流れが早いのか…。いつも最終日が来ると寂しくなってきます。
埼玉からの女性3人組は、午前4時に出発したとか…。道楽館の美味しい朝食を食べられずに、残念というほかありません。しばらくすると、他のライダーたちが、一人、また一人と起きてきました。ここからは、もちろんライダーばかりの会話です。バイク談義、ツーリング談義で盛り上がり、北海道ツーリングの素晴らしさ、ライダーハウス、道楽館の楽しさをみんなで分かち合いました。
そして、朝食の時間になっても、食べながら「北海道ツーリング」談義に花が咲き乱れ、今日で帰らなければならない私は、またひとり寂しさにさいなまれているのでした。
天気が回復の兆しを見せ始め、「よし!今日は小樽港まで、最後の北海道ツーリングだ!」思いっきり楽しむことにして、早速、身支度にかかりました。午前8時30分、2日間お世話になった「かみふらの道楽館」のsottoooさんとも、またお別れです。「sottoooさん!いつまでもお元気で!ご繁栄とご健勝を心からお祈りいたしております。また機会があれば、必ずお会いさせていただきます。」
後ろ髪を引かれる思いで「かみふらの道楽館」を後にして、気持ちを切り替えては、同じ上富良野町にある「日の出公園」へと向かいました。ここできれいな花畑を見ながら、最後の北海道を楽しみたいと思ったのです。
ところが、sottoooさんから聞いていたとおり、バイクや車では公園の近くまで行くことができません。かなり離れたところにある駐車場から歩いていかなければなりません。歩くことは苦になりませんが、ちょっと時間的に無駄のような気がしてきたので、近くまで行っては見たものの、止めました。
そして、次に選んだのが「フラワーランドかみふらの」です。ここは、国道237号線から少し入ったところで、駐車場がすぐのアクセスが楽な場所です。ライダーブーツから持参のスニーカーに履き替えて、ゆっくりと時間をかけての散策です。
今年はここ北海道でも天候不順で、農作物から花々に至るまで全てが不作だそうですが、私ごときが見る限りでは、花々はきれいに咲いていましたよ!でも、ここ「フラワーランドかみふらの」は入園料が必要で、「入園+トラクターバス付」で500円?!です。トラクターバスに乗りたくなくても?乗っても乗らなくても同料金?!
お花畑を散策しながら、小樽港までの帰りのコースを考えました。そして、『最後にもう一度「狩勝峠」と「日勝峠」を跨いで帰りたい!』そう思いました。R237からR38に出て「狩勝峠」を越え、R274から次に「日勝峠」を越えて、そのままR274で札幌まで帰るコースを頭に描いたのです。
国道237号線から「かなやま湖」に行くと、「穴場のラベンダースポット」があることをツーリングマップルで知り、寄ってみることにしました。ここは山間の静かな湖のほとりで、平日のこの日は、出会う車もほとんどありません。道道465号線に入りしばらく行くと「かなやま湖」が見えてきました。
ラベンダーはどこかなぁ~?と探しながら進んでいくと、湖畔に開けたラベンダー畑が遠くに見えます。ツーリングマップルのとおり、ここは本当に穴場です。一面に植えられたラベンダー畑には、今が盛りと咲き誇っていました。湖とラベンダーの調和が見事で、まるで風景画のようです。
穴場のラベンダー畑を堪能したところで再び国道38号線に戻り、「狩勝峠」から「日勝峠」のワインディングを楽しむことができたのですが、あいにく濃霧に遭遇!!写真を撮ることができずに、道の駅「樹海ロード日高」まで来て遅い昼食を摂りました。午後2時にもなり、空腹も頂点に達しています。思わず「天ざる大盛!」
天ざるの大盛で空腹感が解消され、再出発です。樹海ロードを気持ち良く下って行くと、CBRのオドメーターが29999kmになりました。そして、ついに「むかわ町福山」と書かれた案内標示のあるコーナーの手前で、ちょうど30000kmとなりました。
樹海ロードを通り抜け、国道274号線は夕張市へと入ります。この辺りからは直線道路となり、どこまで続くのかと思うほどの真っ直ぐな道を、いつまでも走り続けます。やっと緩やかなカーブに出てきたかと思うと、ちょうど休憩したいと思う場所に、ちゃんと道の駅「マオイの丘公園」があるのです。これはうれしい!トイレ休憩だ!
国道274号線も札幌市内に入っていくと、徐々に車の渋滞が目立ってきます。そうだ!これも体験だ。高速に乗ろう!そのためのETCなのだ!「雁来ICから小樽ICまで」は、札幌自動車道を利用することにしました。途中の金山PAでゆっくり休憩し、小樽に到着したのが午後6時を過ぎていたように思います。
小樽港フェリーターミナルに行く前に、燃料補給と船内での食材の買い出しを済ませます。ケータイIDで購入できるローソンを探しましたが、あいにく「おたる潮まつり」と重なって、あちこちが歩行者天国で通行止めされ身動きが取れません。止むを得ず小樽運河の通りにある「セブンイレブン小樽信香店」を利用することにしました。
たっぷり買い込んでも、合計1,261円と船内の1食分程度の値段で納まります。フェリーの出港まで、まだ4時間以上待たなければなりません。この間の時間をどう潰すかいつも悩みますが、結局はフェリーターミナル内のテレビを観て過ごすしかありません。
やがてバイクの乗船案内が流れ、乗船準備の時間がやってきました。テレビの野球に夢中になっている間に、すでに多くのライダーが乗船待ちをしています。私がその後ろに並んだときは、私の後ろには誰も来ません。
乗船するころには、私の後ろにも数台並んでいたようですが、とにかく今日は最後の最後の乗船です。もっと早く乗船待ちにバイクを並べて置くべきだったが〝後の後悔先に立たず〟です。
長い待ち時間の末、やっと乗船が完了し、いつものように一目散にプロムナードのテーブルを確保しました。それからゆっくりと入浴を済ませては、出港時間の23:30を待たずに就寝しました。
本日の走行距離:342.7km
本日の燃料補給:23.95ℓ
午前6時起床。早速、乗船時にタオルを置いて確保しておいたプロムナードへと行きました。こうすれば、ひとりでもゆっくり寛ぎスペースを確保できます。それから、乗船前に買い込んでおいた「おにぎり2個、ヨーグルト、野菜ジュース」にて朝食です。これだけ食べれば十分でしょう。
朝食後、持参のipodでクラシック音楽を聴いていると、目の前に見たことのある人が朝食を持って立っています。あっ!思い出した!「ライダーハウスみどり湯」で会った神戸からのBMWライダーMさんですね!そうです。思い出しました。Mさんは持参のカップコーヒーを取り出しては、食後のコーヒーにと私にも作ってくれたのです。
Mさんは神戸市役所を定年退職され、今は悠々自適のBMWライダーです。フェリーの中では、舞鶴港到着まで時間がたっぷりあります。同じ境遇から意気投合し、北海道ツーリングの想い出の数々をSDカードに取り込んであると言って見せてくれました。
手持ちのカメラの液晶画面に次から次へと映し出しては、自慢げに見せてくれたのです。その中には、私がカメラに収められなかった「タウシュベツ橋梁」もきれいに写されていました。うらやましい限りです。これからも、BMWでまだまだ北海道ツーリングを楽しみたいと言っておられました。素晴らしい!!
そんな「北海道ツーリング」の話題に尽きることなく、あっという間にお昼です。昼食は「日清焼きそばUFO」です。神戸のMさんも「いなり寿司」で一緒に食べました。そして、昼食後は、Mさんが飼っている犬の話題から、人生体験記まで、私がついていけないくらいに話題が豊富で、聞いているのが疲れるくらいに話してくれました。
そして、午後5時過ぎ、Mさんは、少し寝ると言って自分の部屋へと戻っていきました。私も部屋に戻っては少し横になりました。次に目が覚めると、下船準備のアナウンスが流れています。あと1時間程度の余裕がありそうなので、買い込んでいたカップヌードルをすすっては夕食としました。
早い目に下船の準備を整えてフロント案内所前のロビーで待っていると、例のMさんが、もう列に並んで立っていました。でも、どうせ私のバイクは1番最後です。早くから並んで待ったところで早く下船できるはずもないことから、ゆっくりすることにしました。
バイクに荷物をくくりつけ、やっと下船の順番が来ましたが、やっぱり思ったとおり最後の方でした。もうMさんのバイクはどこか分かりません。これから、また蒸し暑さに耐えながら、自宅までおよそ3時間のナイトツーリングです。
そうして高速道路を走りぬけ、西宮名塩SAにて最後の給油を済ませました。次の休憩場所は岸和田SAです。もうただひたすらに自宅を目指します。そして、やっと岸和田SAへと無事到着することができました。時計の針は12時21分を指していました。もう、日にちが変わって午前様です。
ここまで来れば、あともう少しです。夜中になっていますが思ったほど眠気もありません。最後まで気を抜かずに走ろう!と、さらに気を引き締めました。それから約35分後の、2009年7月26日(日)午前0時57分、無事自宅に到着しました。これで、第5回北海道ツーリングの終了です。
本日の走行距離:228.6km
本日の燃料補給:6.47ℓ
総走行距離:2179.5km
総燃料補給:105.41ℓ
今年の北海道は天候不順に低温注意報まで出る想定外の連続でした。稚内では寒さに驚き、降ったり止んだりでレインウェアの離せない不安定な一日、峠越えでは濃霧で何も見えず、辛うじて、最終日の富良野で天気が落ち着いたような…青空が見えず、写真撮影に恵まれなかった北海道ツーリングとなりました。
北海道と言えば、澄んだ青空に遠く地平線が見渡せる広い大地が魅力なのに、今回は、目の前のアスファルトと直線道路だけの寂しいツーリングとなってしまいました。行く前の週間天気予報など全く当て外れでした。でも、これに懲りることなく、次の青空に向かって、またの機会を狙って行きたいと思います。
北海道で出会ったライダー&チャリダーのみなさん!ご支援いただいたライダーハウスのオーナーの方々、みなさん!本当にお世話になりました!また、いつの日かどこかでお遭いするかも知れません。それまでお元気でいてください。
そして、最後までお読みいただいた読者のみなさん!どうもありがとうございました。







































