曽爾高原2008

「山歩きクラブ(妻を含めた4人のメンバー)」の第2弾目は秋のススキで有名な「曽爾高原ハイキング」に決まりました。この日の天気は下り坂ではありますが、日中は晴れて蒸し暑く、気温も26℃と夏日になる予報がでています。まずまずの天候に恵まれて、早朝から何故かウキウキ気分です。

 今回は近鉄電車で「名張駅」に行き、駅前から敷津行の三重交通バスを利用して「中太郎生バス停」で下車します。ここからがハイキングで、「東海自然歩道」を池の平湿原を経て亀山峠を越え曽爾高原に向かいます。帰りは「東海自然歩道」を更に西進し、太良路バス停から「名張駅」へと再び戻るコースを取りました。

ALBUM

2008年10月10日(金) 晴れ
 午前6時に自宅を出発し、名張駅へは予定どおり午前9時42分の到着です。バスは午前10時10分発で、出発までに駅前のローソンで昼食の調達です。大好きな「おにぎり」を買おうと思って店に入ったものの、何と売り切れてありません。止むを得ず「鉄火巻き弁当」に、いつもの「野菜ジュース&ヨーグルト」、それに今回は「海草サラダ」を付けました。

 午前10時、バスターミナルへと敷津行バスが到着です。購入した昼食をナップサックに収納し、バスへと乗り込みました。平日のためか乗客は我々4人を含めても10人程度と空いていました。目的の「中太郎生バス停」まで約50分の道程です。

名張駅バスターミナルへと敷津行バスが到着です。

 バスは予定どおり出発すると、徐々に名張の町並みを外れて国道368号線に入ります。山間へと進むに連れて道は細くなり、名張川沿いに山里を眺めながら九十九折りの緩やかな坂道をゆっくりと登って行きます。道沿いには日本古来からある木造建築の家屋が立ち並び、中でも大きく立派な佇まいの家が目立ちます。

 町村の過疎化が進み、農林業の低迷する時代にこの地で暮らす人々は、一体どのようにして生計を立てているのでしょう。仲間同士でこんな思いを会話にしながら車窓の景色を楽しむうちに、バスは目的の「中太郎生バス停」へと予定時刻どおり午前11時の到着です。

 ところが、持参の地図ではバスを降車後の「東海自然歩道」への進入道が分かりません。でも、ここから「倶留尊(くろそ)山」を望む方向への道は一本しかないことから、自分たちが行こうとしている道に間違いないとは思いましたが、念のために近くで農作業をしていた人(ご高齢の男性)に尋ねてみました。

 丁寧に教えていただき、案の定、この道に間違いなく一安心です。何軒かの路地を通り抜けると「東海自然歩道」の道標を見つけることができました。倶留尊山を正面に臨みながら、田園風景が広がる舗装路の緩やかな上り坂を進んでいくと、いくつかの枝分かれした道がありますが、すべて道標が立てられており迷うことはありません。

すべて道標が立てられており迷うことはありません。

 途中の分かれ道には「池の平」まで0.7㎞の道標があり、これを頼りに「池の平湿原」へと向かいましたが、結局どこが池の平湿原だったのかはっきりとは分かりませんでした。ちょっと残念な気持ちです。今思うと、あのススキが生い茂っていた所がそうだったのか?

 進み行くうちに、道は田園風景から林道へと変わっていきます。ここまで約50分の道程で時刻は11時50分。今日の夏日の気温により汗が肌着を濡らし、疲労感とともに空腹感も感じ始めましたが、お昼休憩に相応しい場所が見当たりません。止むを得ず、頑張って「亀山峠」までを目標に重くなった足をゆっくりと進めました。

 しかし、しばらく進むと鬱蒼とした杉林と化し、苔むす滑りやすい石畳の道を進んで行かねばなりません。更に進むと石段と木の階段の急勾配で、疲労と空腹により剣が峰に立たされた思いです。最後の気力を振り絞り、やっと「亀山峠」まであと0.2㎞の道標に着きました。

やっと「亀山峠」まであと0.2㎞の道標に着きました。

 ここで小休止すれば、あとの200mをどうにか登り切ることができそうです。一息ついたところで、気力でまた、ゆっくりと木の階段を登っていくと、近くで誰かの声が聞こえてきました。そして、先頭のI氏の「着いたでぇーっ!」の声によりやれやれと、また一息つきました。目の前には、登り道の木の階段に腰掛けて、木陰で昼食を摂るハイカーの姿がありました。

 亀山峠の頂上に着いた途端に眺望が開け、そこが一面ススキ野原の曽爾高原だったのです。絶景の眺望を見渡しながら早速「昼食休憩」とすることにし、場所を探そうとしているところにベンチが空きました。絶景の眺望に最高のタイミング!強運に恵まれているようです。

 今回は好天にも恵まれて、いつまで眺めていても飽き足りないほどの最高の場所で昼食休憩ができたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。そんな気持ちを胸に秘め、また、次の一歩を踏み出さなければならない時間となりました。いつまでも絶景を眺めていては予定の温泉に入る時間がなくなります。

 この幻想的な光景に出会えた喜びをいつまでも忘れることのないようにカメラに収めては、またどこかでファンタスティックな喜びに出会うためにも、健康維持に努めなければとの思いが尚一層強くなりました。

亀山峠の頂上に着いた途端に眺望が開ける

 そんな思いを胸に、峠の頂上から曽爾高原の眺望を臨みながら木の階段を下っていくと、太郎路方面からのハイカーに多数出遭います。でも、我々が体験した「中太郎生」側から登ってくる方が、初めてここを訪れるハイカーにとっては、大きな感動が得られるように思います。

 木の階段を下っていく途中、前から登って来られたご高齢の女性には驚きました。どう若く見ても、とうに70歳は過ぎていると思ったからです。そして、行き交う人に「まだ大分ありますか?」と尋ねながら、杖を突きながらもかくしゃくとした足取りで登って行かれました。自分たちが下って行きながら、あのご高齢の方が、これほどまでに長い階段を登って来られた現実を直視し、そこで再び仰天してしまいました。凄い!と言うより他に言葉がありません。

 長い木の階段や、ゴツゴツした大きな石ころ道を下り終え、「曽爾高原バス停」への道標を頼りに「お亀池」沿いの遊歩道を進んでいくと、約15分で「曽爾高原駐車場」のある広い通りに出ます。そこから広い道路を下っていくこと約30分で、やっと曽爾高原温泉「お亀の湯」に到着です。

 汗びっしょりの疲れを癒し着替えをする目的にも、ちょうど良い場所に位置する温泉だと思います。平成16年開業とあって、見た感じはとってもきれいでした。入ってみて、浴槽も広く湯加減も最高に気持ちの良い温泉で、露天風呂もあって、ゆっくり疲れを癒すことができました。

浴槽も広く湯加減も最高に気持ちの良い温泉

 そして、湯上りはやっぱり「生ビール」でしょう!そんな思いのハイカー目当てか?ちゃんと「曽爾高原地ビール」に枝豆まで用意して待ってくれているお店「おかめ庵」がありました。最高の気分で飲み干すビールは格別な味わいでした。でも、ここで打ち上げをしている場合ではありません。これからまだ「太郎路バス停」までのハイキングが待っています。ここは一杯だけにして「我慢」です。

 地ビールを味わった後は、太郎路バス停発の時刻までまだ1時間30分以上あるので、畳の休憩所にて30分程度の休息を取りました。足を伸ばしての一休みは、最高に気持ちが良かった!時間も午後3時30分。ここ「お亀の湯」から太郎路バス停までおよそ30分かかります。さぁ!ハイキング終盤戦に再出発だ!

 温泉を出てすぐの所の「曽爾高原ファームガーデン」を覗きながら、再び舗装路の緩やかな下り坂をゆっくりと足を進めました。正面の切り立った岩肌を見せる「鎧岳」を臨みながら歩いていくと、道沿いには「かやぶきの屋根」のある集落が見えてきます。

 のどかな山里の風景に癒されながら、青蓮寺川に架かる太郎路橋を渡ると右折してすぐの所に「太郎路バス停」がありました。「お亀の湯」を再出発して予定どおり30分での到着です。普段はここから「香落渓」を経由して名張駅前に行く路線なのですが、7月9日に発生した落石による通行止により、代行バスを乗り継いでの迂回運転となっています。しかし、どんな経路で迂回運転をされるのか分からずに待っていると、曽根村代行バスは香落渓方面からやってきました。

 代行バスは一時ここから「曽爾横輪バス停」に行き、ここで三重交通バスに乗り継いで「兜岳」の南端を通り滝川沿いに旅館「赤目山水園」の前を経由して、赤目口から名張駅前に行く迂回ルートとなっていました。「兜岳」の南端からの細い峠道では、行き交う車をやり過ごしながらの普段はバス等の大型車が通ることのないような道でした。難しい迂回ルートを無事に名張駅まで運んでくれた運転手さんに感謝です。

ここで三重交通バスに乗り継いで名張駅前へ

 名張駅前への到着時刻は予定どおり午後5時30分でした。名張駅発17:46の快速急行に間に合って良かった!「さぁ!これから鶴橋に行って打ち上げの夕食会だ!」

 鶴橋駅へも予定どおり午後6時44分の到着です。電車旅は事故がない限り予定どおり進むので、「あの時ああすれば良かった…」などと後悔することが少なく計画どおり実行できるのがうれしいですね。これから夕食会に行く予定の焼肉「鶴一本店」も計画どおりに見つけられれば、もう申し分ないですね。

 鶴橋駅で下車すると、駅の階段あたりから焼肉の美味しそうな匂いが漂ってきます。駅前すぐの「鶴一本店」はすぐに見つけることができました。鶴橋で多数ある焼肉店の中でも、創業57年と歴史のあるここでは誰でも知っている有名店だとか…。

 我々が入店したのが午後7時過ぎ。平日のためか並んで順番を待つこともなく比較的空いていましたが、案内された2階席はほぼ満席でした。「さぁ!とりあえず…生ビールで乾杯!」おつかれさまで~す!注文したのは「鶴一セット」にロースバラ、それに焼き野菜。どれも高級食材ばかりで値段もそこそこ、噂どおりの美味しい店でした。

注文したのは「鶴一セット」にロースバラ、それに焼き野菜

 「電車&ウォーク」による旅は、この生ビールによる打ち上げ会が気軽にできるから大好きです。ほろ酔い気分で電車に揺られれば、日頃のストレスもどっかへ行ってしまいます。心が洗われる至福のひと時が、また、明日の英気を養ってくれるのですかね。

あぁ…最高!また行こら! (^o^)/~

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