北海道2007

【もくじ】
7/27>自宅~舞鶴フェリーターミナル
7/28>小樽港~小樽グリーンホテル
7/29>小樽グリーンホテル~日勝峠~上士幌
7/30>松見大橋~三国峠~層雲峡~大雪アンガス牧場~名寄
7/31>名寄~智恵文~上富良野
8/01>上富良野~美瑛~上富良野
8/02>上富良野~小樽フェリーターミナル
8/03>舞鶴港~自宅

 回を重ねて、今回で4回目の北海道ツーリング。既にひととおり廻った北海道ですが、まだまだ見逃していた場所がある。めまぐるしく変化する天候に気を揉みながらも、「どうしても目的を達成したい!」との強い願望を胸に越えた日勝峠。そして、たどり着いた上士幌。長い長い直線道路の遥か向こうに見える微かな希望の青空を目指して…。前に進めば、また新しい感動に出会えるはずだ!

ALBUM

(道央~道北方面)
2007年7月27日~8月3日


2007年7月27日(金)晴れ
 北海道ツーリングは何度訪れても飽きることがない。一昨年まで毎夏連続で3回訪れて、昨年は事情により行けなかったが、今年はやっぱり我慢ができずに、また、北海道病に罹ってしまったようだ。

 ゴールデンウィークの終わる頃から、北海道への思いが募るばかりで、フェリーの予約をいち早く済ませていました。予定の日が近づくにつれ、浮き足立って、休暇中の仕事に負荷のかからないようにと、段取りに必死になっている自分に、内心笑いが止まりませんでした。

 さぁ!27日の金曜日だ!もう準備万端だ!今回は、「あそこと、あそこと…。あそこも寄りたいなぁ。」バイクに荷物をくくりつけながら、そんな思いが頭の中を駆け巡ります。そして、出発予定の午後5時30分、いつもは妻が写してくれる出発写真を、今年は娘が写してくれました。

いつもは妻が写してくれる出発写真を、今年は娘が写してくれました。

 今年はバイク用の「ETC」の装着で、高速道路の走行も快適走行になるでしょう!そんな思いを胸に和歌山ICへと向かう私でした。料金所が近づくとうれしくなります。今までの「通行券」を取ってから一時停止して収納し再出発。 出口料金所では、また一時停止し支払いを済ませて再出発。料金所が近づくたびに苦になっていたことがウソのように解消されました。

 ひとたび高速道路に飛び出せば、舞鶴までの約3時間は信号ひとつない一本道!「ETC」のおかげで、一度も停車させることなく突き進むことができるのです。でも、いくら停車の必要がないといっても、それが反って長時間の走行となり、変化の無さが疲れを過剰に呼び込んでしまいます。

 バイクのETC走行は、疲れが溜まらないうちに、SA & PAを利用しての休憩が絶対不可欠です。結局、途中の「岸和田SA」「西宮名塩SA」「西紀SA」と3度の休憩を取りました。いくらETCでも、長距離ツーリングには途中の休憩で変化をもたせ、余力を残しておかないと、後でどっと疲れが襲い後悔することになるのです。

SA & PAを利用しての休憩が絶対不可欠です。

 北海道ツーリングは、初日から、舞鶴までの長距離高速ツーリングを走り切り、大型フェリーへ乗り込むという一連のアクセスが必要なことから、このおよそ3時間のアクセス時間が、深く旅情をそそり、更に旅気分を沸き立たせてくれます。

 過去3回も同じことをしていても、それが飽きると言うことがなく、ウキウキ気分で午後9時30分に「舞鶴フェリーターミナル」へと到着です。そこには既にかなりの数のバイクが乗船待ちをしていました。乗船券の手続きを済ませ、案内係りの人に聞いてみると、今日の乗船バイクは92台ということで、台数が多いため乗船時間を早めるとのこと。そして午後10時15分からの乗船となりました。

「舞鶴フェリーターミナル」へと到着です。

 例年同様、今年も2等寝台の予約をしていますが、カプセル状態の非常に狭いスペースしか確保されていないため、そこは寝るためだけの場所と割り切り、今年は、乗船後すぐにカフェのテーブルスペースを確保すべく、いち早く、場所取り用のタオル等の物を置き、自分だけのくつろぎスペースを取得しておきました。これで、朝起きてから、腰を下ろして寛げる場所探しに困ることがありません。さぁ…風呂へ入って、ゆっくり着床とするか…。

本日の走行距離:231.0km
昨日の燃料補給:11.37ℓ


2007年7月28日(土)くもり時々晴れ
 午前6時起床。と言ってもここはフェリーの中、目が覚めても「2等寝台」の低い天井?しか見えません。狭さで苦痛を感じ、また空腹から、早速、昨夜の乗船後すぐに確保しておいたカフェコーナーのテーブルに向かい、朝食の準備です。

 舞鶴市内のローソンで買い込んだ食材(おにぎり・パン・カップ麺等)で、とりあえず空腹を解消することができました。やっぱりカフェテーブルの先回り確保は大正解です。こんな簡単な食材でも、広い空間での寛いだ食事は、これだけで癒されます。船内レストランの朝食は、確かバイキングで、それに値段も高いし、とても金額に見合う量を食べられるわけもないことから、私には不向きです。

 朝食後、後部デッキに出て外の空気を胸いっぱい吸いました。空は少し曇ってはいるものの、順調なクルージングを続けている様子です。海上の夏の空気を浴びながら軽い体操で足腰を伸ばし、長い船旅の退屈な時間の経過を見守るように、今日一日「フルタイム丸ごと独り占め」の時空間を楽しみます。

順調なクルージングを続けている様子です。

 船内で朝が来て、午前中には、衛星放送により、大リーグで活躍する「松井秀樹」を応援(ヤンキース VS ホワイトソックス)し、あっと言う間にお昼が来て、またまたローソンタイムです。

 普段の日常生活では到底でき得ない「独占フルタイム」は、最高!

 午後は、寝台ベッドに戻って少しの昼寝。その後はまたカフェで、北海道ツーリングの計画です。「あそこに寄ろうか…こっちに行こうか…。」思いを巡らせているうちに、また、あっと言う間に夕食タイムがやって来ました。船は既に積丹岬沖まで来ています。

 寝台ベッドに戻っては、下船の準備をしていると、午後8時前に下船案内のアナウンスが流れます。乗客全員が一斉に下船の仕度を始める前に、私は先にロビーに荷物を運んでおきます。通路が狭いため、まだ誰も下船仕度をしていない間に、時間をずらして、先にロビーで待機するのが絶対に得策です。

 下船がスムーズに終了し、小樽港へと上陸です。そして、いち早く事前予約済みの「小樽グリーンホテル」へと向かいました。ホテルは港から10分程度の所にあり、バイクは屋根付きの駐車スペースが用意され、とても満足のいくホテルです。

 早速、チェックインして着床し、明日に備えなければなりません。ところが、午後11時30分を過ぎても、女性の話し声や笑い声が部屋まで響き渡り、一向に治まりません。廊下に出て見ると、ドアは閉じられているにもかかわらず、その部屋からは、ホテル内に聞こえるほどの大声で会話を楽しんでいます。どうも、他の部屋からの来客との会話のようです。

 他の泊り客も、私と同様に「マナー知らず」と感じたらしく、フロントに注意の電話をする旨のことをブツブツとひとりしゃべりながら、その部屋番号を見て自室に戻りました。

 それが功を奏したのか、その後すぐに治まって安眠できました。

本日の走行距離:3.5km
本日の燃料補給:0.0ℓ


2007年7月29日(日)晴れ時々曇りのち雨時々濃霧
 午前4時30分起床、昨夜の騒ぎの影響か、少し寝不足気味ですが、太陽が起きているのに失礼だ!早速、身支度を整えてチェックアウトです。この時間は、やはりホテル内は静まりかえっています。静かに荷物を運び出し、バイクの駐車場へと向かいます。

 そこには、本州からのツアラー達が思い思いのバイクに乗って訪れていました。でも、まだ誰もこの早朝の時間に出発しようとする人はいません。日の出と共に出発するのが、北海道ツーリングの鉄則です。そして、宿泊施設へは早い目のチェックインを心がけています。

静かに荷物を運び出し、バイクの駐車場へと向かいます。

 小樽グリーンホテルは1階の一部が駐車場になっていて、比較的広いスペースでバイクも駐車できます。駐車料金が200円要りますが…。何と言っても屋根があるということが、バイクにとっては、天候を気にせず停められるので、価値あるホテルだと感じました。

 早朝5時30分、小樽を出発です。まだ交通量の少ない時間とあって、小樽駅前では、カラスが生ゴミをあさっていました。最近は、人のマナーの悪さから、いたる所にゴミのポイ捨てをしたり、ゴミ箱に生ゴミを投入したりするために、街がカラス等の格好の餌場になっています。ご多分にもれず、ここ北海道でも同様の様子。

街がカラス等の格好の餌場になっています。

 とにかく、まずは腹ごしらえです。「腹が減っては戦ができぬ!」早朝はコンビニ以外には開いていません。と言うか、コンビニ大好き!人間です。走っていると、すぐ見つかりました。何の躊躇することもなく、ローソンマークに一直線です。そして、買うのは決まって、おにぎり2個、飲むヨーグルト、野菜ジュース、そして、お茶です。ええ~ッ!?おかしいですか?バランスが摂れていて良いと思うんですけどねぇ…。

 朝食でパワーをつけて、さぁ!再出発です。目指すは「上士幌」です。天気は上々!気分最高!国道5号線を東進し、いつしか274号線へ変わり左折して行きます。しばらく進むと、札幌市街地から郊外へと風景が開けてきます。小樽を出発して2時間。ちょうど良い所に道の駅「マオイの丘公園」がありました。早速、トイレ休憩です。

 このお天気状態で、今日1日持ってくれれば、あの「日勝峠」も楽しく走れるのに…。夕張方面へとさしかかったところでは、気持ちの良い青空が広がっていたのですが、このあと、神様は無情の雨を降らせます。

いつしか274号線へ変わり左折して行きます。

(T_T)

 穂別大橋を渡り稲里トンネルの手前あたりからだったと思います。空一面が薄暗くなり、霧雨が視界を遮るようになりました。メッシュジャケットでは肌寒く感じていたので、レインウェアを着てちょうど良くはなりましたが、ツーリングは天候がすべてです。今回も晴れの「日勝峠」は望めそうもありません。日高町の中心街に入ったところに、道の駅「樹海ロード日高」があります。天候の様子をうかがうために、ここでしばしのトイレ休憩です。

 急激な天候の変動に、道の駅には慌ただしくたくさんのライダーが駆け込んできます。中には、タンデムツーリングでびしょ濡れの方もおりました。天気予報では、こんなに悪化するとの予報は出ていませんでしたが、やっぱり山間部は予測できない状況になるものなんですね。

天気予報では、こんなに悪化するとの予報は出ていませんでした

 日勝峠の頂上からは、十勝平野がきれいに見えるはずだったのですが、あいにくの霧雨で見えません。残念!止むを得ず「十勝平野」の看板前でバイクと一緒に記念撮影で済ませました。

 峠を下ると雨は完全に止みましたが、曇り空で、スッキリした天気にはほど遠い雰囲気です。国道274号線は心地よい直線で、晴れていれば最高に見晴らしの良いパノラマ風景が望める所なのですが、誠に残念!

 鹿追町を過ぎたところで、道道85号線を然別湖(しかりべつこ)方面へと立ち寄りました。が、ここでも濃霧にみまわれて、あいにくの天候。😢

 今年の北海道ツーリングは、メッシュでは寒く感じ、天候には恵まれず、ちょっと残念かなぁ…。でも、然別湖までの扇ヶ原展望台では視界が開け、曇り空の中でどうにか十勝平野が見えました。

\(^o^)/

 然別湖の湖畔までバイクを進めてはみましたが、このまま糠平まで抜けてしまうと、今夜の宿泊予定の「チロンヌップ」から遠ざかってしまうので、また、国道274号線の直線道路も通りたい思いから、湖畔前で記念写真を撮って引き返すことにしました。

湖畔前で記念写真を撮って引き返す

 そして、引き返す道すがら、またもや濃霧に遭う始末。めまぐるしく変わる天候には、もうついてゆけません。少し疲れてきました。時間も午後2時を過ぎています。今日はもう、早い目に宿に着いて、大の字になってゆっくりしたい心境になりました。

 チェックインの15時までまだ1時間ほどありますが、今から宿泊予定の「チロンヌップ」に向かってちょうど良い時間です。峠越えに差し掛かると、一気に霧が晴れ、雲の下にはきれいな十勝平野が開けました。あまりのきれいさに思わず停車、デジカメのシャッターを押しました。

雲の下にはきれいな十勝平野が開けました。

 その後は、早く宿につきたい一心で、目的の「チロンヌップ」を目指してまっしぐらです。ところが、予測時間を1時間以上も間違っていました。北海道は、本州と同じような距離感で地図を見て判断すれば、こんなことが起こってしまいます。ツーリングマップルの縮尺が「北海道は1:200,000(他は1:140,000)」になっているからです。思った以上に距離があり、行けども行けども上士幌に着きません。

 長い長い直線道路を通過して、やっと上士幌に到着です。これ以上はツーリングマップルでは役に立ちません。「チロンヌップ」のHPからプリントアウトしたアクセス地図を頼りに「ホクレンGS」の看板を右折して、しばらく進むと左手に見えました。「チロンヌップ」には案内標示の看板がなく普通の家と変わりませんので、うっかりしていると見過ごしてしまいます。

 宿に到着後一息ついて、すぐにお風呂に向かいました。宿には風呂がなく、歩いて5分ほどの町営温泉「ふれあいプラザ」を利用することになっています。宿泊料金は、ここでの入浴料金込みなのです。できて間がないきれいな広い温泉施設で、まだ陽のある午後5時前の明るい時間帯でしたが、地元の多くの方々が利用されていました。

「チロンヌップ」には案内標示の看板がなく普通の家と変わりません

 広い湯船の温泉に浸かって手足を伸ばせば、それだけで全身の疲れが抜けていくように気持ちよく感じます。こんな温泉が町中にあるなんて、羨ましい限りです。「チロンヌップ」への帰りには、すぐ近くのコンビニで缶ビールとピーナッツを仕入れ、宿で湯上りの一杯を愉しみました。ここ「チロンヌップ」には、酒類の販売はされていません。「持ち込み歓迎」とHPに書かれていたのを事前に知っていたからです。

 「チロンヌップ」での夕食は、野菜たっぷりの家庭料理で、とってもおいしくいただくことができました。明日の朝食時間は8時です。天気が回復することをお祈りして、明日の(と言うか、今回の…。)目的地である「三国峠 & 松見大橋」の眺望を夢見て着床です。

本日の走行距離:298.2km
本日の燃料補給:16.71ℓ


2007年7月30日(月)霧雨のち晴れ
 午前5時。いつものように目が覚めて、早速、窓の外に目をやると…?!雨?残念!今年の北海道ツーリングも、天候には恵まれそうになさそうだ。止むを得ず、雨の準備をすることとなりました。その後のテレビの天気予報では、予定のコースは午後から回復の兆しです。

 天候のことに悩んでいても仕方がないので、準備万端の状態で朝食をいただくことにしました。朝食は、自家製のパン & ジャムにオムレツ & サラダ、それにデザートにバナナヨーグルトが付きます。昨夜の夕食同様においしくいただくことができました。

 雨中走行の準備ができたものの、この日のために夢見てきた「三国峠 & 松見大橋」です。天気の回復を祈るばかりです。お世話になった「チロンヌップ」の女将さんのお見送りを受けながら、午前9時10分、霧雨の中を「いざ出発!」です。

お世話になった「チロンヌップ」の女将さんのお見送り

 ところが驚いたことに、そんな雨の心配も30分も走らないうちに吹き飛んでしまいました。まるで、芝居の場面が変わるときのように、空は一気に晴れ渡り、夏の青空一色になったのです。感激と感動が入り混じる最高の気分です。

\(^o^)/

 気分を良くして、国道273号線を「三国峠 & 松見大橋」を目指して走りながら、ふと「チロンヌップ」のご主人にお聞きしたことを思い出しました。それは、旧国鉄士幌線に架けられた一連のコンクリートアーチ橋のことです。もちろん有名なのは、糠平湖に架かる「タウシュベツ川橋梁」ですが、ここへのアクセス道路がダートのため、CBRではやめた方が良いとのことでしたが、国道273号線からも見える橋があると教えてくれていたのです。

 しかし、糠平湖を過ぎてからもアーチ橋を見つけることができません。半ばあきらめ気分で走っていると「滝の沢橋」の橋上からアーチ橋のようなものがあることに気付きました。少し通り過ぎてしまったため、Uターンを余儀なくされましたが、バイクと一緒に写すには、Uターンしなければならず、結果的にはちょうど良かったみたいです。

役場のHPで調べてみると「第五音更川橋梁」であることが分かりました。

 役場のHPで調べてみると「第五音更川橋梁」であることが分かりました。このHPでは「国道272号線からよく見える大きなアーチ橋です。」とありましたが、国道273号線の間違いだと思います。なにしろ見つけることができたことに喜びを隠せません。

 かつてここを国鉄士幌線が走り、鉄道橋として活躍した時代があったと思うと、このような山岳地帯での開拓精神と建設技術の素晴らしさに感動させられてしまいます。そんな歴史を感じながら再びバイクをUターンさせ、目的の「三国峠 & 松見大橋」へと再出発させました。

 全天空の青空に迎えられての「三国峠 & 松見大橋」は、きっと最高の思い出の場所になることでしょう。ここは滝の沢橋だから、ツーリングマップルでは大体この辺と確認しながら、Uターンすれば、あともう少しでその場所に着けると思うと、まるで子どものように胸の高鳴りを覚えます。

 Uターンしてしばらく走ると、正面の山の中央部に大きな橋が見えてきました。あれが「松見大橋?」だとすれば、ガイドブック等の写真で見るアングルは、どこから撮影したのだろう。山の尾根から写すのだろうか?いろんな想像を頭に描きながら進んで行きました。

 すると、カーブの手前に自分がこれから渡ろうとする橋があり、そこには「松見大橋」の看板が立てられています。なんだ?!これが「松見大橋?!」ということは?分かったぞ…。先に正面の山の中央部に大きい橋が見えていましたが…。どうやら、ガイドブック等に掲載される写真は、その橋上からの眺望か?

 すぐに目の前の橋(松見大橋)を渡りきり、コーナーを駆け上ると、先に正面の山の中央部に見えていた橋上に着き、停車して振り返ると、右下に素晴らしい樹海の眺望!バイクを降りて、更に橋の欄干から見下ろせば、あのガイドブック等に掲載されている写真ではとても表現し切れない迫力の大パノラマ風景に圧倒されました。

右下に素晴らしい樹海の眺望!

 天候にも恵まれ、最高の場面を目前にして、しばらく茫然と立ち尽くし、時が止まった状態でいる自分に気付くほどでした。これで、今回の北海道ツーリングの目標が達成されたような気持ちです。

 「さぁ…次行くぞ!」と、その場から動こうとしない自分に声をかけ、更に前へとバイクを進めると「三国峠橋」がありました。ここでは、透き通る空の青さに心が洗われて、頭の中がからっぽになっているようでした。これは、言葉では表現できない、この場に居合わせた者でなければ分からない情景です。

 そして、更に進むと「三国峠」の展望広場があり、そこでは誰もがその看板をバックに記念撮影をして行きます。もちろん、私もご多分にもれず、バイクと一緒に記念のひとコマを残しておきました。

更に進むと「三国峠」の展望広場があります。

 峠は、頂上を過ぎると「三国トンネル」を越え、国道273号線の長い下り坂を進みます。大雪湖に差し掛かるコーナー付近では、正面に「大雪山」のきれいな姿が木立の向こうに見え隠れしたのですが、撮影場所に戸惑っているうちに通過してしまい、ちょっと無念に思います。

 大雪山の撮影に失敗したのは残念ですが、今思うと、あまりの大きさにカメラに収め切れなかったような気もしています。その後、国道273号線は、国道39号線との三叉路に突き当たり、ここを左折しては、層雲峡方面への長い下り坂へと続きます。

 途中、長い「銀河トンネル」を越えてすぐ左折した奥に「流星の滝」と「銀河の滝」があり、休憩がてら立ち寄りましたが、4年前の初めての「北海道ツーリング」でも立ち寄ったことがあることから、あまり新鮮味が感じられず、すぐにその場を立ち去りました。

 上川町に入った辺りで昼食休憩にと、また、いつものように「ローソン」に寄りました。そして、そこで食べながら、ふと思い出しました。確か「大雪アンガス牧場」という菜の花畑の広がる場所に行くには、この辺りからのはず…。持参のツーリングマップルにも掲載されていますが、そこへのアクセス道路がわかりません。

 半ばあきらめモードで、国道39号線を旭川方面へと向かうと、石狩川に架かる上川大橋を渡った橋詰で、「大雪アンガス牧場」への案内標示を見つけました。しかし、ここからまだ10km以上もあります。やはり、北海道は広い!アクセス道路は広くきれいに整備され、途中何度か右左折しますが、その度に案内標示が立てられているので、行き易かった。農道の中を走り約15分程で到着です。

 ところが、菜の花は見ごろを過ぎており、ちょっと来る時期が遅かったようです。でも、この広大な風景は、たぶん日本では、ここ北海道でしか味わえないと思います。天候にも恵まれたこともあり、遠くに目をやっているだけで心が洗われます。

「大雪アンガス牧場」への案内標示を見つけました。

 「大雪アンガス牧場」を後にして、また来た道を戻ります。途中、国道39号線への案内標示に従って右折すると、上川大橋より上流にある「菊水橋」を渡って元の国道39号線へと戻ることになり、ここから行けば「大雪アンガス牧場」への近道?です。手前の案内標示を見落としていたのでしょう。

 さぁ!次の目的地は名寄の「ひまわり畑」です。比布町で国道39号線から40号線へと進路を変更し、名寄方面に向かいました。雲ひとつ無い、透き通る青空の下で、これ以上は欲が深いと言われそうですが、午前中の大雪山系の爽やかな空気とは打って変わって、ここは、とにかく暑い!

 暑さにたまりかねて、喉の渇きを潤すために道の駅を探していると、ちょうど「絵本の里けんぶち」の案内標示がありました。ここでしばしの休憩です。平日の暑い午後(14:15)とあってか、駐車場は閑散としていました。

 いつものように、早い目に宿に着いてゆっくりしようと思うと、そろそろ宿探しの時間です。ツーリングマップルで見たおすすめの宿で、「なよろサンピラーYH」に事前予約を入れ、「OK」をもらっていたので、早速、宿の場所探しに一直線です。なぜなら、先に宿の場所を探して、見極めておいてから周辺観光をする方が、落ち着いてできるからです。

 それにしても今日は暑い!一体何度くらいあるのだろう?北海道に来ているという感じがなくなるほどです。宿へのアクセス道路を探すべく停車するときは、ビル陰で停まらないと暑くて堪りません。CBRは、まるで湯たんぽを抱えているようで、熱の塊のようなバイクですから…。

 「なよろサンピラーYH」は、名寄市街を過ぎて、名寄川に架かる「ピヤシリ大橋」を渡り、JR宗谷本線の日進駅前踏切を渡ると高台に見えました。確認ができたところで、チェックインまでの時間を「ひまわり畑」の観光に当てました。

 ところが、北海道らしき風景をカメラに収めることができたものの、肝心の「ひまわり」はどこにも咲いていません。どうも、まだ時期が早いようです。人に尋ねてみようにも、周辺には人影が見当たりません。止むを得ず、宿にチェックインすることに…。

 JR宗谷本線の日進駅前踏切を渡ると、高台にオレンジ色の一軒家が見えるので、分かり易い宿です。しかも、「なよろサンピラーYH」には、バイク用の大きなガレージがあります。これだと、雨に遭っても、荷物の積み下ろしが濡れずにできて、駐車時も安心で気に入りました。

高台にオレンジ色の一軒家が見える

 バイクを駐車後すぐにチェックインし、部屋に案内されました。部屋は2階の4名相部屋で、中で更に中二階とに分かれていて、下に2名分と中二階にも2名分のベッドがあります。私がチェックインしたときは、まだ、高齢の方1名が下のベッドを確保されていただけだったので、私はその横のベッドを取りました。中二階への上り下りはたいへんなので、早い目にチャックインして正解でした。

 いち早く風呂に入り、ベッドで寛いでいるところに2名のライダーが入室され、中二階への荷物の運び入れがとてもたいへんそうでした。

 夕食は、1階の食堂で全員が一緒にいただきます。この日は、私を含めてライダーが5名(ほかに一般客5名の計10名?)と賑やかで、食べながら「北海道ツーリング」の話題に花が咲き、バイク談義で盛り上がりました。

 食後、お気に入りのバイクのガレージを記念に撮っておきました。大型車でも7~8台は駐車できる広さが確保されており、奥にはスノーモービルが保管されていました。その辺はやはり、北海道ですね。

お気に入りのバイクのガレージを記念に撮っておきました。

 宿泊客の中には、自転車旅行の若者もいました。ノートパソコンを携行し、旅の記録を整理しながら何日もかけて廻るのだそうです。その人との旅談義の中で、智恵文のひまわり情報を聞きました。今、既に咲き誇っている場所があり、そこは、JRの智恵文駅のすぐ近くだというのです。

 良かった!おかげで楽しみがひとつ増えました。明日、一番に行くことにしよう。咲き乱れる「ひまわり畑」の観光を夢見て、着床です。

本日の走行距離:232.4km
本日の燃料補給:13.24ℓ


2007年7月31日(火)晴れ
 午前5時に起床し、朝食の時間まで周辺の散策を愉しみました。すぐ近くに「なよろ健康の森」という公園施設があり、早朝からたくさんの高齢者が訪れて、ゲートボール等を楽しんでいます。ここには、キャンプ場もあり、遠く中部地方からのキャンプツーリングらしきバイクが数台停めてありました。

 中には、私の友達Y氏が欲しがっている「W650」があったので、ケータイで撮っては、現状報告に添付してメールを送っておきました。

友達Y氏が欲しがっている「W650」

 やがて朝食の時間となり、食事中の会話の中で、智恵文の「ひまわり畑」の情報をみなさんから詳しく教えていただくことができて、とてもうれしく思いました。また、あまり有り難くない情報ですが、大型台風5号が発生し、予想では九州に上陸、その後、日本海を北上するというのです。

 それも、帰りのフェリーと日本海でスレ違うことに!😖これじゃフェリーの欠航は確実だ!でも、自然現象で悩んでいても仕方がありません。成るようにしか成らないと割り切って、今を楽しむことにしよう!せっかくの朝食がまずくなっても困ります。

 今日の名寄は、晴れ!それに、今日31日は、稚内まで足を伸ばす予定でしたが、昨日、どうしても「かみふらの道楽館」に泊まりたい思いが強くなり、それに、富良野でゆっくりしたい思いから、今年の稚内行きは諦めて、「かみふらの道楽館」への連泊を決めたのでした。

 富良野方面の天気は、晴れて暑い模様です。今日1日は、最高のツーリングが楽しめるはずだ!もう時間は午前8時。既に京都からの1台は、早朝出発したそうです。私も、素泊まりの場合は、午前4~5時に出発し、できるだけ距離を稼ぐのですが、4回目ともなると志向も変わり、これからの北海道ツーリングは、先を急ぐ旅ではなくて、気に入った所でゆっくり過ごす旅へと変化しつつあるようです。

 でも、これ以上ゆっくりもしていられません。早く智恵文の「ひまわり畑」が見たい!出発の準備を整えて、一夜を共にしたライダーらとも、旅の安全をお祈りしつつお別れです。

 私は、自転車旅行の若者に教えていただいた智恵文の「ひまわり畑」へと向かいます。JR智恵文駅の近くだと聞いていたので、まずは智恵文駅へ行き、周辺を探すことにしました。国道40号線に出て稚内方面へと北進し、智恵文駅に着きましたが、辺りに「ひまわり畑」は見当たりません。

 駅からUターンして農道に入り、少し走ると、遠くに一面黄色い畑を見つけました。近づいてみると、やっぱり、教えていただいたとおり、パノラマで撮影しないと写しきれないほどの、今が旬とばかりに咲き誇る「ひまわり畑」がありました。これで名寄に来た甲斐がありました。

智恵文の「ひまわり畑」を見つけました。

 さて、名寄での目的が達成できたところで、これから一路、富良野方面を目指します。次の目的は、「ジェットコースターの道」と呼ばれる直線道路です。2年前に上富良野を訪れたとき、「道楽館」の宿主(sottoooさん)に教えてもらったが、時間の余裕もなく探すことができなくて富良野を後にしたことが、すごく心残りになっていたのです。

 今日から二日間、また、富良野&美瑛をゆっくり巡りたい。そして、今回は心残りのないようにしよう。そんな思いを胸に、富良野を目指す私でした。国道40号線は、途中、「智恵文南入口」から名寄バイパスに上がり、「名寄IC」までの高速ツーリングを愉しみました。この道は将来、高速道路として開通するのだそうです。

 ここからは再び国道40号線を南進し、旭川からは国道237号線を美瑛方面に向かいます。直線道路を一直線に富良野に到着した時は、ちょうど正午でした。国道沿いのローソンで昼食を済ませては、「かみふらの八景」のパノラマロードを探しました。

 国道237号線を中富良野方面に少し進むと、国道と交差する直線道路がありました。行ってみると、ここがネット情報で得た「北21号道路」でした。パノラマロードと名づけられ、ゆるやかに波を打ちながら、富良野岳へと伸びる延長5㎞の直線道路は、「これぞ北海道!」という風景です。

富良野岳へと伸びる延長5㎞の直線道路

 ここから中富良野へと進み、丘を下ると大きな花畑が見えました。「なかふらのフラワーパーク」と称する公園で、花のない冬場はスキー場らしく、横にリフトがあります。夏には、ゲレンデがお花畑と化すようです。

 次に、目的の「ジェットコースターの道」のある深山峠へと向かいました。国道沿いの「深山峠」バス停のすぐ真後ろには、名寄の「ひまわり畑」に負けないほどの「ひまわり」が、大輪の花をつけ、広い畑一面に咲き乱れています。あまりにもきれいに咲き誇っているものだから、カメラに収めずにはいられませんでした。

 見事に咲き誇るひまわりをカメラに収め、再び「かみふらの道楽館」の宿主(sottoooさん)に教えてもらった「ジェットコースターの道」を訪ねて、深山峠の頂上まで来ましたが、そこへのアクセスが分かりません。もう一度停車して持参の拡大地図をよく見ると、深山峠の北西方向になっていますが、進入路はもっと北側で、峠を少し下った美馬牛側からになっていました。

 とにかく行ってみることに…。すると、国道237号線からすぐ左側に「西11号線北」の標示が立てられた道路がありました。やっと見つけたぞ!ジェットコースターの道。ここは北海道だ!これが北海道の道だ!

「西11号線北」の標示が立てられた道路

 やっぱり来て良かった!北海道はバイクツーリングが最高だ!そんな思いを胸に、ここ富良野でお土産を買うことに決めました。深山峠の山頂に、その名も「想い出のふらの」という大きなお店があります。国道沿いにあって、そこから十勝岳側の風景が、これまた最高です。

 お土産を買っているうちに時間も午後4時前になり、そろそろ今日の宿へのチェックインといたしましょう。今日は、ダッチオーブン料理が食べられる「かみふらの道楽館」です。

 「かみふらの道楽館」には2年前にも連泊しましたが、ここは最高!宿主(sottoooさん)の気さくな人柄が最高!それに「ダッチオーブン料理」が最高!まだあるよ!富良野 & 美瑛に近く「立地条件」が最高!更に、ツーリングの方は、同好の方々との出会いがあって、ツーリング & バイク談義で盛り上がって最高!最高におすすめの旅宿です。

 到着後、真っ先にお風呂に入らせていただきました。そして、屋根付きの縁先でいただく風呂上りの生ビールのうまかったこと!これができるのも最高です。この日は、宿泊客が3名と少人数ではありましたが、全員がライダーだったこともあり、すぐに打ち解けて会話が弾み、ソロツーリングでも、ここにくれば寂しさとは無縁です。

 さぁ!夕食の時間です。今夜のダッチは、「○○○○チキン」と教えてくれましたが…。sottoooさん!忘れました。すみません。まぁ…名前はさておき、とにかくうまかった!料理は、うまけりゃそれでいい!みんなの会話も盛り上がり、更に、生ビールのうまさ倍増です。

今夜のダッチは、「○○○○チキン」と教えてくれましたが…。

 新鮮な野菜もたっぷりで、「○○○○チキン」を引き立てます。ダッチオーブン料理は本当に最高!これが食べられるだけでも、ここに泊まって得した気分になりますよ!あぁ…もうお腹いっぱい!次は、場所を変えて、広いリビングで食後のデザートをいただき、中締めです。

 いつものように、楽しいひと時は、あっと言う間に過ぎてゆきます。明日は、「鉄道 & ウォーク」による美瑛観光を予定しています。歩く距離が半端じゃないと思いますので、体調を整えるため、皆さま、お先にお休みなさいませ。

本日の走行距離:161.7km
本日の燃料補給:7.60ℓ


2007年8月1日(水) 晴れ時々くもり
 午前5時。気分すっきりの目覚めです。天気も上々です。よし!予定どおり、今日一日をかけて「美瑛ウォーク」に挑戦だ!体調もすこぶる良い!

 予定のコースとしては、行きは「道楽館」を出発して「JR美馬牛駅」へ、ここから鉄道を利用して「JR美瑛駅」で下車し「パッチワークの丘」まで歩きます。

 帰りは、パッチワークの路から再び「JR美瑛駅」まで戻って「JR美馬牛駅」まで列車に乗り、駅からは「美馬牛小学校」を経由し、裏通りを通って「道楽館」へと帰って来ようと思います。いかがでしょう。これで約20kmを歩くことになります。歩くとバイクとはまた違った風景を見つけられると思います。

 そして、出発前に撮った「かみふらの道楽館」です。2年前は、縁先に下屋はなかったが、バージョンアップがされていました。

出発前に撮った「かみふらの道楽館」です

 まずは、朝食前の散策に、深山峠までのウォーキングを愉しみました。ここ道楽館から徒歩3分の所ですが、とっても北海道な所です。

 国道から入ってすぐの所にラベンダー畑があり、歩いて行けば、カメラアングルも自由自在です。すぐ近くに、こんな心が癒される場所があるのですから、ここ富良野 & 美瑛にくれば、きっと帰りたくなくなりますよ。

 深山峠周辺の散策で、お腹が空いてきました。道楽館に戻って朝食です。この朝食(○○粥?)が、また最高にうまい!何杯でもおかわりできそうです。

 秋田ライダーをお見送りして、さぁ!私も「美瑛ウォーク」に出発だ!美馬牛駅10:32発に乗り遅れたら、次は1時間以上も待たなければなりません。何が起きても乗り遅れないように、時間には十分に余裕を持って行く必要があります。何と言っても「歩き」なのだから…。

 行きは、国道237号線を美瑛方面に進み、美馬牛駅へと一般道に入ります。歩いてゆくと駅に着くまでに「北海道!」がありました。撮影をセーブしながら進まなければ、SDカードの容量がいくらあっても足りません。

 美馬牛駅までの道草風景をカメラに収めながら、およそ1時間30分かけて、やっと美馬牛駅に着きました。

やっと美馬牛駅に着きました。

 美馬牛駅は無人駅で、昔ながらの田舎の駅舎そのものです。でも、列車の到着時刻前には、どこからか駅員さんが自転車に乗ってやって来ます。そして、乗客の乗降の安全と、列車の安全運行に努めてくれています。

 列車は、美馬牛駅から美瑛駅までは一駅で、列車の到着まで待ち遠しいですが、乗ってしまえば7分間で、あっと言う間に美瑛です。

 さぁ!ここから目的の「パッチワークの丘」までを徒歩での挑戦です。丘を巡って往復およそ12km!途中、コンビニ等の店は一つもありません。まずは、駅前のローソンでお弁当とお茶を買って、弁当持参での挑戦です。さて、どんな旅になるでしょう。何か一つでも、バイクでは味わえない収穫があるといいのだが…。

 車やバイクでは、素晴らしい風景を見つけても、その場で停まらなければ見ることはできないし、もちろん写真撮影なんてできません。その点バイクだと、道が広くて停車さえできれば、いちいち面倒ではありますが、その場の風景を望むこともカメラに収めることも可能です。更に、歩きだと、車やバイクを停車して乗降する手間がなく、常にシャッターを押せるのです。

 ここ北海道、ここ美瑛の丘は、まるごと「シャッターチャンス」なのだから、時間さえ許せば、車やバイクは反って邪魔になるのです。わざわざ駐車場のある「○○の木」等の、ある限られた名のある場所の風景を楽しむためだけに「美瑛」を訪れるのは、あまりにも「もったいない!」と思います。

 今は、蕎麦の花咲く季節です。これだけでも、絵になるような風景をカメラに収めることのできる、素晴らしい丘のまち「美瑛」。ここは、やっぱり、何度訪れても飽きることがありません。また、違った季節に来てみたいと思います。

 そして、歩き疲れた頃に、歩いてきたからこそ見つけられたものがありました。な、なんと!これが…北海道のコンバイン!その大きさと迫力に圧倒されました。農家の方にお聞きすると、昨日、納品されたばかりの新品だそうで、主に小麦の収穫に使うとか…。

この機械は、ドイツのクラース という会社の製品です。

 この機械は、ドイツのクラース という会社の製品で、輸入機械販売会社から購入するのだそうです。この広大な北海道の農地だから、このような外国製の大型機械でなければ間に合わないのでしょう。それにしても巨大!歩いてきた甲斐がありました。

 それにしても、我ながら随分歩いたものです。この広い「美瑛の丘」のわずか一部分ではありますが、約4時間かけて歩きました。バイクで走れば一瞬ですが、歩くと広さが痛感できます。

 帰りの列車は、美瑛発15:08の「ノロッコ号」に乗って帰ります。「旭川・美瑛~富良野」間を期間限定で運転される特別列車です。その名のとおり「ゆっくり走って、きれいな風景を愉しんでもらおう!」と、JR北海道が、乗客を増やすために趣向を凝らしているの解ります。

 「ノロッコ号」は、車窓からの景色がよく見えるように工夫されており、窓からの風景に合わせて案内放送が流れます。普通列車の半分の速度で走っているらしく、美馬牛駅まで15分と2倍の時間がかかりました。しかし、いくらゆっくり走っても、この素晴らしい風景を、車窓から眺めるだけで済ませてほしくはありません。

車窓からの景色がよく見えるように工夫されています。

 美馬牛駅からは、美馬牛小学校に立ち寄り、裏道を通って沼崎農場方面へと進み、JR富良野線の踏切を渡って沼崎道路から道楽館へと帰りました。

 道楽館に到着後は、すぐにお風呂で汗を流し、疲れた身体を癒しました。何とも言えない、心地よい疲労感と達成感が全身を包みます。そして、この後に出される「生ビール」が最高にうまい!幸せの頂点に達します。

 縁先で飲んでいると、この日は3名のライダーがやって来ました。昨日から連泊の私と、同じく連泊で「レンタルサイクル巡り」に出かけた方が加われば5名の泊り客となり、今日も「かみふらの道楽館」は、楽しい夕食会で盛り上がることでしょう。

 全員が揃ったところで、今日も「豪華屋根付き縁先」での楽しい夕食会の始まりです。今日のメンバーは、栃木県からのご夫婦と兵庫県からのライダー、それに、私の隣に座っている愛知県からの連泊の方で、やはり、全員がライダーです。

今日も「豪華屋根付き縁先」での楽しい夕食会の始まりです。

 食事が進むと会話も弾み、生ビールの消費量が増加していきます。ガソリン価格が上昇しても、愛車CBRより燃費の悪い私です。それに、今日の話題は、台風5号の北上によるフェリーへの影響だ。兵庫県からのライダーも、帰りのフェリーが心配だそうです。

 どうにもならないことを、いつまで議論していても辛気臭くなるだけだから、栃木県からのご夫婦の明日の予定を話してもらい、明るい話題に変えることができました。そして、美瑛 & 富良野のツーリングスポットと、観光バスの無い早朝ツーリングの良さを伝授すると、若いご夫婦はやる気満々で、早寝早起きすべきとばかりに、午後10時前には2階の寝室へと消えていきました。

 私もその後を追うように、お休みタイムの始まりです。明日はもう帰路につかなければなりません。ただ、大型台風5号の影響が…。気にしないとは言ってはみても、やっぱり気になるものですね。

本日の走行距離:0.0km
本日の燃料補給:0.0ℓ


2007年8月2日(木)くもり時々雨
 今日も、いつものように早朝5時の起床です。すると、栃木県からのご夫妻が、ゼファー1台のタンデムにより、私が伝授したとおり「朝練ツーリング」に出かけて行きました。がんばって、最高の丘を、最高の直線道路を存分に味わって、カメラに収めてきてください。

 私は、やはり帰りのフェリーが気になります。早朝の台風情報によると、「8月2日の夕方には九州に上陸し、3日の午後3時には日本海の能登半島沖に達する見込みです。」とのことである。😢「ええーッ!!こりゃ…確実に欠航だ!」

 今夜のフェリーでの帰りを半ばあきらめてはいるものの、フェリー会社に電話にて問い合わせてみると、「欠航になれば、翌日の船に予約されているお客様が優先されますので、空きがあれば先着順でお受けできますが、空きがなければ、また、次の船ということになります。」との説明です。

 ということは、もし、欠航になれば、ターミナルに先着順に並んで待って、空きチケットを取得しなければ、遅くなって満席になってしまえば、また、次の船へと順送りになるということか!?予約状況を聞いてみると、「翌日のフェリーの予約状況がほぼ満席の状態ですから、もし、今夜の船が欠航になれば、翌日の船に今夜の予約分を含めて乗り合わせることは、到底できません。」とのことでした。最悪!😭

 私にも予定ってものがあります。月曜日には、どうしても職場に行かなければなりません。そんなにゆっくりはしていられないのです。仕方がない!本日、夕方までに「小樽フェリーターミナル」に行こう!そして、欠航になれば、すぐに明日の「空き乗船券」を取ろう!最善を尽くしてもダメならあきらめもつくだろう。

 「かみふらの道楽館」での朝食の後、栃木県からのご夫婦ライダーをお見送りして、帰路への準備をしました。台風情報が入った時は、「自然災害なのだから仕方がないなぁ…あともう1日ならゆっくりしてもいいかなぁ…。」と、気楽に思っていたのに、欠航時のフェリー事情を聞いてからは、風雲急を告げる勢いで帰る準備をする始末です。

風雲急を告げる勢いで帰る準備をする始末

 いつも、帰らなければならなくなると、切ない思いが込み上げてくる。2日間お世話になった道楽館とも、またお別れです。荷物をバイクに積んでいるときに、昨夜出あった兵庫県からのライダーが、荷物を置いたまま、富良野方面のツーリングスポットを目指して、「これからです!」と勇んで出かけて行きました。何だか、ひとり取り残されたようで、寂しい…。

 お愛想で、「また来ます!」なんて言っても、次はいつになることやら…次が無いかもしれません。それほど遠い北の最果て…。でも、また、勇気を出して、思い切って、また来たい!何度でも来たい!飽きることのない北の大地。

 時間だ!仕方がない!思い切って帰ろう!「今度は真冬がいいな…。」「さようなら…道楽館。」「さようなら…北海道。」切ない思いを振り切ってCBRに跨りました。

「さようなら…道楽館。」「さようなら…北海道。」切ない思いを振り切ってCBRに跨りました。

 とにかく、このまま「小樽フェリーターミナル」に直行だ!もし、今日のフェリーが欠航になっても、明日の「空き乗船券」は是が非でも取ってやる!そうしなければ、いつ帰れるか分からなくなってしまう。また次の空きを取るために、フェリーターミナルに縛られることになる。そんなしんどいことは、絶対にしたくない!

 富良野を越え、国道38号線を滝川方面に向かって走っていると、雲行きが怪しくなり、いつ降ってきてもおかしくない状態です。止むを得ず、またレインウェアのお世話になることになりました。が、その後30分以上走っても、雨は降りそうで降りません。このまま、曇り空のままでいいから、降らないように…と祈り心で走り続けました。

 石狩川を越えて、国道275号線へと向かうのですが、空が明るくなってきたので、バタバタと音がしてうっとうしいレインウェアを脱ぎました。メッシュウェア1枚になって走行中のストレスがなくなり、気持ちよく国道は275号線へと入ります。

石狩川橋北詰でレインウェアを脱ぎました。

 走りに走って札幌市内へ入ろうとするときに、どす黒い入道雲がもくもくと立ち上がり、激しい雷鳴とともに一気に土砂降りになりました。「くそーッ!失敗した!辛抱して脱がなきゃよかった!」。急いで高速道路の高架橋の下に入ったものの、風が強くて、既に全身ずぶ濡れです。申しわけに再びレインウェアを着ましたが、もう後の祭りです。

 仕方なく、そのまま雨の中をゆっくりとバイクを走らせて、午後15時50分、やっと「小樽フェリーターミナル」に到着です。すぐにまっすぐ乗船券売場に行き、今夜のフェリーの運行予定を問い合わせると、「本日の運行は、予定どおり出港いたします。ただし、台風の影響により、到着時刻に大幅な遅れが生じる恐れがありますので、ご承知の上でご乗船ください。」とのことでした。

 良かった!これで一安心です。気持ちを切り替えて、再びバイクに乗り、近くのコンビニへと船内での食料の買い込みに行きました。そして、ターミナルの待合ロビーに戻り、着衣を脱いで乾かすのですが、ブーツの底がずぶ濡れ状態だから、出港まで7時間余りもありますが、とても乾くことはないでしょう。

やっと「小樽フェリーターミナル」に到着です。

 出港までの時間を、ロビーのテレビで寛ぎながら待ちました。ニュースでは、樺太で地震があったらしく、北海道北部から日本海沿岸への津波注意報が報道されています。外に出てみると、ここ小樽でも、パトカーによるマイク放送により注意を呼びかけていますが、海の波に変化はありません。どうやら心配はなさそうです。

 午後6時頃には、ツーリングライダーが次々とターミナルに帰ってきました。みんな雨対策に苦労してきた様子がうかがえます。中には、レインウェアを着ることもなく、全身ずぶ濡れ状態で帰ってくる若者ライダーもいました。夏だから…若者だからできるその情景は、ある意味、格好良くさえ見えたりするものです。

 やがて雨が完全にあがり、辺りが薄暗くなってきました。午後7時30分を過ぎる頃には、二輪の駐車場はバイクで溢れんばかりです。再度、着衣の干しているロビーに戻り、片付けながら乗船の準備をしていると、バイクの乗船案内の放送が流れました。今日も100台近くありそうです。

 さぁ!乗船です。雨があがってよかった。乗船時に雨が降っていると最悪です。スムーズに乗船を済ませて、往路同様、真っ先にカフェのテーブルと椅子を確保しました。これで昼間ゆっくりと寛げます。今までの経験がやっと生かせました。

真っ先にカフェのテーブルと椅子を確保しました。

b(^o^)d

 午後11時30分、予定どおりの出港ですが、私はそのころ眠たくて、既に睡眠体制に入っていました。

本日の走行距離:194.8km
本日の燃料補給:19.4ℓ


2007年8月3日(金)くもり時々雨
 午前5時起床。乗船後すぐに確保しておいたカフェに行き、昨夜、乗船前にローソンで買い込んでおいた朝食を摂りました。今回のカフェテーブルの確保は大正解です。狭苦しい2等寝台では、寛いだ食事など絶対にできませんから…。カフェにはテレビもあり、それほど退屈することもありません。

 その後、船内では、心配していた台風情報が流されることもなく、日本海で台風とすれ違ったことすら気付かないまま、予定より1時間も早く、午後8時過ぎに舞鶴港へと到着です。

午後8時過ぎに舞鶴港へと到着です。

 船内放送では、舞鶴港の天候は雨とのことでしたので、バイクは、みんなレインウェアを着て下船の準備をしていましたが、下船時には降ってはいませんでした。でも、いつまた降ってくるか分からないような状況だったこともあり、脱がずにそのまま高速道路へと上がりました。

 夜中の高速道路は、走る車もほとんどなく、山間部を走る舞鶴自動車道では、赤いテールライトが見えないと、不安さ以上に不気味な気持ちにさせられます。途中から雨の降る気配がなくなったので、西宮名塩SAに立ち寄ってトイレ休憩し、レインウェアを脱ぎました。

 ETCの装着で、スムーズな料金所の通過により、再び自宅までのナイトツーリングを愉しんで、雨に遭うこともなく無事に帰着できました。北海道内で出会ったツーリング同好者のみなさんに、たくさんの各地の情報を教えていただき、今年も楽しい思い出いっぱいの「北海道ツーリング」になりました。

雨に遭うこともなく無事に帰着できました。

 道内で出会ったみなさん!宿主やスタッフのみなさん!みなさんのおかげで楽しいツーリングができたことに感謝の気持ちでいっぱいです。お世話になり本当にありがとうございました。

本日の走行距離:229.1km
本日の燃料補給:0.0ℓ
総走行距離:1350.7km
総燃料補給:68.32ℓ

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