八ヶ岳キャンプ2001

【もくじ】
7/14>和歌山~清里中央オートキャンプ場~清里高原~野辺山高原~キャンプ場
7/15>キャンプ場~麦草峠~車山高原~蓼科温泉郷~キャンプ場
7/16>キャンプ場~和歌山

 今回のツーリングは「清里中央オートキャンプ場」を拠点として、メルヘン街道(R299)から麦草峠を越え、車山高原までの往復の旅を愉しみました。何度訪れてもリゾート気分を満喫できる避暑地の信州。自宅から、往復1,291kmを走ったロングツーリングは、思い出をいっぱい持ち帰る快適ツーリングとなりました。

 できることなら、夏休み前の人出の少ない時期に行ければ良いのにと思っていたら、7/16(月)、7/17(火)と2日間休暇が取れ、しかも梅雨明け宣言が出され週間天気予報では連続の晴れマークです。こんな好条件の機会はそんなにはありません。これは行くしかない。出発を決断したのはその前日でした。

 7/13(金)職場を定時におき、帰宅後、大至急テントの準備をして、ツーリングバッグに詰め込みました。常に持ち物の準備はしてあるので、それを積み込むだけですが、今回は3食とも外食することに決めていたので、荷物はいつもよりかなり少なくて済みました。さぁ、明日は朝早く出発することにし、20時30分には床に着きました。

ALBUM

(2001年7月14日~16日)


2001年7月14日(土)
 翌朝、否、まだ真夜中。草木も眠る丑三つ時の午前2時40分、静まり返った真っ只中にハーレーの鼓動が響き渡り、暖機運転もままならず、いざ出発です。

 近くの24時間セルフGSで燃料満タン。満タンといっても、私のバイクのタンクはたったの12リットルで満タン。ちっちゃいタンクは少々ロングツーリングには不向きです。でも、取り回しの良い車体にそれなりの高出力は、高速道路から渋滞の一般道路まで道を選ばず快適ツーリングが愉しめるハイレンジな走りが可能です。これがこのバイクの魅力ですから、タンクの小さいのは我慢我慢!スリムなデザインを優先したのでしょう。

 名神高速道路は多賀SA、走り始めて189kmです。ここで給油し、朝食を済ませることにしました。まだ午前5時の早朝とあってか、駐車場には一般車はほとんどなく、仮眠する運送用の大型トラックばかりでした。約1時間、清里へ到着後のコース等を考えながらゆっくり休憩した後、そろそろ次のステップに進むことにしました。

 天気は晴れ。ところどころに雲はあるものの、雨の降る気配はまったくなし!あまりの爽快感で、ヘルメットの中の顔が自然とニヤニヤしてきます。

 中央自動車道を走行中いつも思うことですが、恵那山トンネルを越えた辺りから湿度が徐々に下がり始め、「あぁ…やっと信州へ来たんだなぁ…」と、風の爽やかさから下界との標高差を感じます。駒ケ岳を左手に見る頃には、空気の色まで違って見えるから不思議です。

 途中、恵那峡SA、駒ヶ根SAと給油と休憩をとりながら、諏訪湖SAへ着いたのが、まだ午前9時30分。夜中から自宅を出てきたこともあって、ずいぶん時間を得したような感じです。ここまで来たらもう着いたも同然です。このまま須玉ICまで進み、一般道へ出て、まずはベースキャンプ地として予定している「清里中央オートキャンプ場」を目指し、テントサイトの様子等を調べてから決めることにしました。

 「清里中央オートキャンプ場」到着は午前11時ジャストでした。そこは国道141号線から2~3分入った、正に清里のど真ん中に位置し、施設がとても新しく、トイレはなんと「ウォシュレット!」。設備の行き届いた綺麗なサイトは一目で気に入ってしまいました。聞くと、まだ夏休み前とあって空いているとのこと。早速ここをベースキャンプとして2泊することに決め、テントの設営に取り掛かりました。

正に清里のど真ん中に位置する清里中央オートキャンプ場

 設営後、携帯ラジオの感度を確かめると、まずまずの感度で、ちょうど天気予報が流れていました。明日も晴れで、甲府では今日の気温が38.5℃!それに比べてここはやはり避暑地です。旅の疲れ?否、疲れはほとんど感じませんが、お腹が空いてきたので、しばらく休憩した後で昼食場所を探しに、周辺のバイク散策を愉しみました。

 国道141号沿いには、信州そば屋は何軒もありますが、朝食もそばだったのでご飯類が食べたくて探していると、ありました!大好きな釜めし!ここは、自分で具を入れてフタをせずに炊き、蒸らすときだけフタをして、タイマーで時間を計ってくれて、出来上がりを教えてくれるという、一風変わった釜めしでした。あぁ美味しかった!!

ありました!大好きな釜めし!

 満腹になってゆっくり休んだところで、清里高原まで行ってみました。そこは八ヶ岳の麓、大草原が広がり放牧牛が草を食むのぞかな風景がありました。そこでの搾りたての牛乳から作る清泉寮のソフトクリームが最高に旨かった!

 次に、昼食時に釜めし屋のご主人が教えてくれた「クリスタルライン」とやらを走ってみました。そこは林道で、行けども行けども対向車のほとんどない山道ばかりで、クリスタルラインと云うシャレた名前に似つかぬ、私の住む和歌山県でもどこにでもありそうな道でした。これでは、時間が無駄になる!との思いから、途中少し開けた景色の良いところで写真を1~2枚だけ撮って引き返しました。

 そして、早めに風呂に入ることにし、キャンプ場で教えてもらった魚光という風呂に行きました。そこは、「いけす料理魚光」という料亭で、入浴だけでもできるようになっているのです。午後3時30分の入浴!誰一人入っていません。500円で大浴場の独り占め!湯ったり?できました。

 そこからまた国道141号線を少し北上すると、JRの鉄道最高地点として知られる野辺山高原です。そこに、「最高地点」と云う名のそば処がありました。

 夕食をここに決めて、ざるそばの大盛りをいただきました。お店の名のとおり、手打ちそばの味も最高でした。そばの味に満足し、お店の外に出て、ふと空を見上げると、辺りに真っ黒な雲が立ち込めて、雷鳴が轟きはじめ、今にも降ってきそうです。

 明日は早朝にベースキャンプを出発し、車山高原まで足を伸ばしたいので、とりあえず燃料の補給だけを済ませて、急いでキャンプ場へと戻りました。テントに入った途端に、ものすごい雷鳴とともに豪雨となり、危機一髪でした。その後も雨は降り続き、小雨にはなったものの、夜中まで降っていたようです。


2001年7月15日(日)
 翌朝は、明け方少し霧が出ていたものの、昨日の天気予報のとおり、午前7時にはすっかり晴れわたりました。この時間には、すでにローソンのおにぎりで朝食を済ませ、野辺山高原を走り、一路、麦草峠を目指していました。

 国道141号線、小海町を千曲川沿いにしばらく走ると、麦草峠を越えて蓼科に向かう国道299号線との三叉路に出ます。この国道はメルヘン街道とも呼ばれ、カーブの連続する峠道です。標高2,127mの麦草峠の頂上に到着したのが午前9時30分。この気持ちの良い天候のままで車山の山頂に登りたい!そう思いながらバイクを走らせ続けます。

 ところが、あのビーナスラインに入った途端、急に車の量が増え始め、思うようには走れなくなりました。やっぱり、もしかしたらと思っていたことが脳裏を掠めます。車山の下まで行っておきながら、入山制限時間の午後4時を過ぎてしまい、リフトに乗れなかった5年前の友達とのツーリングでの悔しい思いをしたことが、ふっと心を過ぎりました。

 でも、今回はまだ早い。時間は午前10時過ぎ、どれだけ車の大渋滞となっても、きっと間に合うと思う…そう思いながら、どうにか45分でビーナスラインの車山料金所が見えるところまで来ました。やれやれです。ここまで来れば、もう大丈夫!急きも慌てもいたしません!バイクは待たずに駐車場へ入れるからです。

 しかし、さすがに信州!夏休みでもないのに、日曜日というだけでこれほどまでに観光客が訪れるとは…。それも、観光バスによるツアー客の多いこと!

 やっとの思いで駐車場まで入り、バイクを停めたものの、次は、リフトを待つ人の列、列、列!!時計を見ると11時20分。今すぐにでも列に並びたい心境ですが、このまま並べば、次は昼食時で、空腹に耐えることとなる上、また、食堂で列の山となるのが目に見えています。そこで、食堂の空いている今、先に昼食を済ませてからリフトの列に並ぶ方が時間のロスが省けると思い、食事を済ませて列に並ぶこと30分。やっと、リフトに乗れました。

食事を済ませて列に並ぶこと30分。やっと、リフトに乗れました。

 思ったよりスムーズに乗れたのですが、リフトは中腹で次のリフトに乗り換えです。ニッコウキスゲの咲き誇る高原の大自然に包まれながら、そこでも待つこと30分。

 さぁ山頂です。空は晴れわたり、360度の一大パノラマ!白樺湖、美ヶ原、北アルプス、浅間山、八ヶ岳、それに澄んだ晴れの日は富士山までも見えるというこのすばらしい眺望!すぐそばを気持ち良さそうに舞うパラグライダーが、その眺望に花を添えます。いつまでも眺めていたいけど、帰りのリフトに乗る人の列を思うと、そうゆっくりもしていられません。リフトの空いているうちに下りることにしました。

気持ち良さそうに舞うパラグライダー

 ベースキャンプまでの帰路は、蓼科温泉郷に立ち寄り、温泉の湯でゆっくり疲れを癒しました。こんな気ままな旅ができるのも、バイクでのソロツーリングならではです。帰り道は、またメルヘン街道を、のんびりとした気分で走り抜け、南牧村のJR小海線と国道の交差するそばのレストランでは、走る電車を眺めながらの最高のロケーションで夕食をとることができました。

 心に残る思い出の旅のクライマックスが、あっという間に閉じようとしています。明日は、早朝からまた9時間をかけて、高速道路を自宅目指して走らなければ…。


2001年7月16日(月)
 翌朝6時、テントを片付けて、一路、和歌山への帰路につきました。少し名残惜しさがありますが、仕方がありません。帰らなければ…。途中、国道141号線に出てまもなくローソンがあったので、朝食のおにぎりを購入すべく立ち寄りました。

 そこで店員さんの曰く「ツーリングですか?どちらまで?」と話しかけられました。「はい。これから和歌山まで帰ります。」と言うと、「それはそれは…遠いや…。気をつけて。」と言ってくれました。

 店を出て、停めたバイクのそばで朝食を済ませていると、先ほどの店員さんがコンテナを運んで出てきては、私のバイクを見て、「…。ハーレー?…。ヘーッ!1200ですか…。前のタイヤ…細いんですね…。」ってさ!「ノーマルのままなんですよ。これは1200カスタムというタイプで、3種類ある排気量の中クラスになります。」と説明すると、「そうですか…。こういうハーレーもあるんですね…。」と言いながら、私が走り去るのを見続けていました。

 須玉ICに向かう途中、遠く正面に富士山が見えます。北側から見る富士は初めてで、帰路に向かう私に、まるで、さようならと手を振ってくれているように見えました。

 須玉ICから再び中央自動車道を走ること30分、往路ではまったく感じなかった疲れが、30分おき位毎に休憩しないと走れないほどの疲れと睡魔が襲ってきます。その度毎に休憩です。

 小牧JCTから名神高速に入り岐阜羽島を過ぎた辺りから、雨が降った後らしく側道のあちこちに水たまりができています。走っていくうちに徐々に雲行きが怪しくなってきました。ポツリポツリと…。

 「やばい!」養老SAがもうすぐです。二輪駐車用のアーケード下にバイクを停めて、まずは昼食をとりつつ、レインウェアを着る羽目になりました。

レインウェアを着る羽目になりました。

 週間天気予報では7/17(火)が傘マークでしたが、1日早くなったのかな?でも、帰りで良かった!もう濡れたってへっちゃらです。あとは無事に帰宅するだけですから…。

 関ヶ原の辺りから雨は更に激しさを増し、突き刺すような音とともにシールドをたたきつけます。雨はその後も降り続け、前を走る車のしぶきで前方が見えないくらいです。阪和自動車道に入り、雨はやっと峠を越え、和歌山ICに着いた時にはすっかり止んでいました。

 自宅到着は午後3時20分です。早朝6時、清里を発って9時間20分。無事到着し、何はともあれバイザイです!どんな終末の旅となっても、過ぎ去ればすべてが良き思い出となるのですから…。汚れたバイクは明日ゆっくり磨いてやろう!

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