上高地キャンプ1997
アルピニスト憧れの地、上高地。昔は地元の猟師やきこりだけしか知らなかったらしい。梓川の清流と穂高連峰のダイナミックな山々が織り成す神々しいまでに美しい景観は、心をひきつけて離すことなく、いつまでもここにいたい心境にさせられる。
(1997年10月10日~11日)
1997年10月10日
紅葉のきれいな季節に訪れてみたかった上高地への夢が、今やっと叶えられました。
25年前、大正池のほとりまで車で行ったことがあるのですが、駐車場への待ち時間による車の大渋滞で、下車すらできずに予定コースの変更を余儀なくされた苦い思い出があります。
しかし、和歌山からはとにかく遠い。高速道路を乗り継いで走ること7時間、さらにR158をおよそ42㎞西へ走ります。紅葉シーズンとあってか、R158は大渋滞!旧国道で幅員が狭くすり抜けもままならない。やっとの思いで昼食にありつきました。
昼食を食べながらの観光客らしき人の話を耳にする。
「駐車場は並んでるし、バスをあれだけの人が待ってたら、とても今日は無理じょ。」
様子をお伺いすると、2時間待ったが駐車場へ入れなかったからひき返してきたとのこと。
まだ現在地は波田町です。
この渋滞では、何時間かかるか予想もつかないので、10/11明朝一番での入山と予定変更することにしました。
今では、4月下旬から11月上旬のシーズン中は、全日マイカーが規制され、沢渡駐車場からバスかタクシーでの入山となります。
(キャンプ場までのプロセスは省略します。)
そんなわけで、今回はバイクによるキャンプツーリングでのリベンジを計画したのですが、紅葉シーズンとあって多くの観光客による車の大渋滞に遭い、結局、高ソメキャンプ場に到着したのが午後4時過ぎでした。
1997年10月11日
この日は早朝から天候不順で、前日までの晴天がウソのようです。雨が降ってくると大変なので、早々とテントを撤収し、高ソメキャンプ場をあとにしました。
午前7時30分、早朝からすでに沢渡駐車場は満車状態で、空くのを待っている車の列が見えます。雨が激しくなってきました。
「単車は、下のガレージに入れてください!」
駐車場のおじさんからの、この言葉のありがたかったこと。いつまでも忘れることができません。この時、すでに下山してきた人が何やら話しています。
「すごい雨や!!とてもいてられんわ!」
様子を聞いてみると、豪雨とのこと。
しかし、ここまで来てあきらめることもできません。雨対策の準備をしてバスを待つこと20分。午前8時40分、やっと憧れの上高地への入山です。
約45分で上高地バスターミナルに到着しました。雨は小雨になっていました。一安心したためか、すごい空腹に気づき、ひとまずターミナルの2階で朝食をとって小休止しました。
外は霧雨状態で天気回復の兆しです。穂高の山々も顔を覗かせはじめました。
「よし!」弾む気持ちを押さえながら、河童橋方面への散策を愉しみました。
そして、梓川沿いの遊歩道を、田代池から大正池へと…。
あまりの景色の美しさに目を奪われて、時間の過ぎるのを忘れていました。時計は10時30分を過ぎています。
「ああ…帰らなきゃ…」そう思って、後ろ髪を引かれる気持ちでバスターミナルに戻ってはみたものの、そこは、下山のバスを待つ人、人、人。どうしよう?!
予定では、前日の入山を決めていたが、国道158号線で大渋滞に巻き込まれ、止む無く本日早朝からの入山を余儀なくされたのである。
バスを待つこと1時間30分、ようやく下山バスに乗り込むことができました。やはり、行楽シーズン中はどこへ行っても人の波ですね。

