尾瀬2015

【もくじ】
6/4>和歌山~鳩待峠
6/5>尾瀬ヶ原~富士見峠~アヤメ平~鳩待峠
6/6>鳩待峠~和歌山

 以前から一度は行ってみたいと思っていた「遥かな尾瀬」への旅。その思いを計画してから3年後の今日、やっと現実のものとなりました。いつもの山登りクラブのメンバーのひとりW氏との二人旅です。

ALBUM

(2015年6月4日~6日)

尾瀬ヶ原の広い空間


2015年6月4日(木) 晴れ
 午前6時26分発の「JR特急くろしお4号」にて和歌山を出発し、新大阪8時03分発の「東海道新幹線のぞみ214号」にて東京に10時33分に到着しました。その後、10時52分発の「北陸新幹線はくたか559号」に乗り換えて高崎駅に11時42分に到着し、さらに高崎駅からJR上越線・水上行に乗り換えて沼田駅で下車します。

 そして、沼田駅からは13時18分発の関越交通バスで鳩待峠へと向かう予定ですが、途中の渋川駅で強風の影響から「発車を見合わせています。」とアナウンスが流れ10分間の遅れが生じてしまいました。

 予定では沼田駅到着時刻が13時09分ですが、実際には13時17分の到着となったため、沼田駅ホームをダッシュで駆け降り、どうにかバスの発車に間にあいました。

「😰い・き・ぎ・れ・~・~!

 その後、バスに揺れること約1時間20分でようやく「鳩待峠行バス連絡所」に14時41分に予定どおりの到着です。ここからさらに連絡バスに乗り換えて、「鳩待峠」への到着は15時28分で、バスの乗車時間は合計で約2時間かかります。

 バスを下車して最初に感じることは寒さです。鳩待峠ですでに標高は1,591mあり、寒いはずです。この日の気温は5℃でした。私は、寒さに耐えかねて、すぐに持っていたフリースを重ね着しました。

 連絡バスを下車すると、すぐ目の前に今回の尾瀬ハイキングの拠点として2泊の連泊を予約している「鳩待山荘」があります。バスで到着してすぐ目の前に山荘があるので、我々のように遠方からのツアー客等には非常に便利です。なので、尾瀬を訪れる人のおよそ半分は、ここ鳩待峠から来られるそうです。

2泊の連泊を予約している「鳩待山荘」

 我々が到着した時刻は、訪れていた日帰りの人らが帰る時刻なので、鳩待峠では連絡バスや乗合タクシーがひっきりなしに行き来します。そんな中で、救急事案が発生したのか、救急車や消防車が到着し、救急隊員らが尾瀬へと入山していきました。その後、暫くしてヘリコプターで救出する騒ぎとなりました。

 事態が終息し静かになったので、我々も目の前の「鳩待山荘」へとチェックインしました。山荘の夕食は18時からで、入浴は17時30分から19時まででした。また、風呂では尾瀬の自然を守るために石けんやシャンプーの使用は自粛とされています。そして、消灯は21時で「早く寝て、早く起きるのが山の鉄則」のようです。

 部屋は2階の12畳ほどある広い個室でした。山荘にチェックイン後、夕食時刻にまだ時間があるので、少しだけ尾瀬への入山道を入ってみましたが、フリースだけではまだ少し寒く感じました。そんな体感を覚えて再び山荘に戻り、夕食を頂くことにしました。

夕食は、山荘には似合わずまずまずのボリュームでした。

 夕食は、山荘には似合わずまずまずのボリュームでした。ご飯は食べ放題?で、けっちん汁もおかわりでき、とっても美味しく満腹になりました。

 チェックイン時にお昼のお弁当の注文もしていたのですが、スタッフが早朝出発の夫婦客の分と間違えて、我々に朝食弁当をテーブルに置いていきました。私は昼食弁当をお願いしたつもりでしたが、スタッフが朝食弁当と間違えたのだと思い込み、夕食後それを部屋に持ち帰ってそのままにしていました。

 山荘の部屋にはテレビ等のしゃれたものは何もないため、夕食後は、外の様子を見に行くか風呂に入って寝るだけです。でも、山荘の朝は早いので、早く就寝するためにもこれで良いかも知れません。その後、尾瀬のハイキングコースを練っているうちに自然と眠りに着きました。


2015年6月5日(金) 晴れ時々くもり
 午前4時15分起床。昨夜は早く就寝したためか、いつもより早く目覚めました。相棒のW氏を起こさないように、そっと着替えて朝の散歩に出かけました。すると午前5時過ぎから次々と乗合タクシーが鳩待峠へと入って来ました。

 その後、次々と大勢の人が尾瀬ヶ原を目指して入山して行きます。山荘の朝は早く、散歩を済ませてトイレに行くとスタッフがすでに朝食の準備をしていました。

 その後、午前5時30分頃、部屋のドアをノックされる音が響き、支配人が慌ただしく「昨夜お渡ししたお弁当まだありますか?」とのことでした。ありますよ!と答えると、支配人が「すみません!それ他のお客さんの分をうちのスタッフが間違えて渡していました。申し訳ございません!」とのことです。何も手を付けていませんからと言うと、いそいそと持って戻りました。

 そういえば、隣の部屋のご年配のご夫婦が早朝から出発準備をしていたと思ったら、やっぱり…。

 そうこうしていると、午前6時。私たちの朝食の時間です。昨夜の夕食とボリューム的に変わることなく、また、メニューにしても一般のホテルと変わらないほど贅沢な朝食でした。

 ご飯と味噌汁はおかわり自由です。私は家でも毎日「納豆」をかけて食べているので、ここでも納豆付きで良かったです。

ご飯と味噌汁はおかわり自由です。

 朝食を済ませては、午前6時45分に山荘を出発しました。鳩待峠からは緩やかな下りが長く続きます。それにしても鳩待峠を出発してからおよそ1時間が経ちますが、一向にイメージしていた尾瀬ヶ原の広い空間が見えてきません。途中、小川のせせらぎといくつものミズバショウの群生をビデオに収めながら歩きました。

 鳩待峠を出発してからおよそ1時間15分で、最初の休憩場所である「至仏山荘」に到着しました。ここでしばしのトイレ休憩です。すぐ近くには尾瀬山の鼻ビジターセンターがあります。そして、ここを午前8時に出発し、牛首分岐を左に進み、ヨッピ吊橋に到着したのが午前9時20分頃でした。

 ヨッピ吊橋からは、次の休憩場所である「東電小屋」まで約20分で到着しました。出発時に寒さを覚えヒートテックのタイツをはいてきたものの、ここまで来て暑くてたまりません。ここのトイレを拝借してはタイツを脱ぎました。そうして暑さから解放されたところで、喫茶コーナーにてコーヒー休憩をしながら次のコースを練りました。

休憩場所である「東電小屋」

 その後は急にお腹が空いてきたので、「見晴」の近くにある「弥四郎小屋」の無料休憩所で、午前11時過ぎに鳩待山荘で用意してもらった持参の「おにぎり弁当」を食べました。

 腹ごしらえを済ませ、どうにか時間に余裕があることを確認しては「竜宮」の分岐を左折して「富士見峠」経由にて今回行って見たいと思っていた「アヤメ平」へと向かうことにしました。

「竜宮」の分岐を左折して「富士見峠」へ

 「富士見峠」へは、峠というだけあって道は徐々に木道から普通の山道へと変わっていきました。途中、残雪を踏みながら峠の頂上へとゆっくりと進んで行きました。しかし、尾瀬ヶ原の木道とは違い、全く行き交う人に出会いません。

 30分ほど登って行くうちに前方から7~8人のグループの声がしました。そこで頂上までの時間を尋ねてみると、「まだだいぶんありますよ…。それよりもこの上は凄い雪で大変でした…。」とのことです。それでも雪のことは全然気にすることなく先へと急ぎました。

 そして、「竜宮」の分岐を出発してからおよそ2時間20分でやっと富士見峠に到着しました。そこには、まるで別世界のような風景が待っていました。ここは標高1,883mあるにもかかわらず全く寒さを知りません。やはり上り坂を登ってきたからか?それにしても、あまりにも素晴らしい息をのむ風景に感動しました。遠望に見えるのは燧ケ岳です。

まるで別世界のような風景が待っていました。

 感動の風景を前にしばらくここで休憩しました。ここから目的の「アヤメ平」まで0.8kmと時間にしておよそ20分というところまで迫って来ました。少し疲れはあるものの、あともう少しと気合を入れ直して再出発しました。

 途中ですれ違った3組のグループが、皆、口をそろえて「雪で道に迷ったので、私たちは引き返します…。」と言い残して今来た道を戻って行きました。「雪で迷った?」とはどんな雪!?ここから鳩待峠までおよそ6km弱というところまで来ているのに、今からまた戻るなんて…とても我々にはできません。すでに時間も午後2時を過ぎており、ここから戻って帰るようなことをすれば日が暮れてしまいます。

 まるで「すごろくゲーム」で、もうすぐゴールというところで「ふりだしに戻る」を当ててしまったようなものです。相当のショックを隠しきれない様子でした。

 何だか不気味に感じながらも、我々は取り急ぎ目的の「アヤメ平」へと向かいました。そして、残雪を通り抜けながらも、正面に「谷川岳」を望む展望の開けた風景に感動しながら「アヤメ平」に到着しました。ここは360度の大パノラマの高層湿原で、近くに見える燧ケ岳、至仏山はもちろんのこと、名も知らぬ多くの山々を望む大展望に再び感動しました。

正面に「谷川岳」を望む展望の開けた風景

「アヤメ平」の大展望に大感動

 今回初めて訪れた尾瀬の旅のクライマックスともいえる「アヤメ平」の大展望に大感動し、再び早朝出発した元の「鳩待峠」へと帰りの途につきました。

 その後、遭遇したのが残雪の道なき道。そこを進むことおよそ30分…途中で進路を見失いました。途中ですれ違った3組のグループが、皆、口をそろえて「雪で道に迷ったので、私たちは引き返します…。」と言って戻ったのが現実となって、ここでその言葉が理解できました。

 我々の後ろにいたグループも同様に道を見失い、うろたえていました。そこで相棒の山男W氏の第六感を働かせ、およそ15分で、どうにか「鳩待峠」へと下る道を発見しました。

(v^ー°) ヤッタネ!本当に助かりました。

 ひとつ間違えばとんでもない所に行ってしまい、生きて帰れなかったかもしれないと思うと身も凍る思いです。戻らずに済んだ後ろにいたグループも大喜びでした。

 そして、再び気持ちを切り替えて「鳩待峠」へと下って行きました。途中には一時展望の開けた場所を通り、このまま進んで行けるのかと安心していたところ、またもや残雪の道また道を足跡だけ頼りに進むことおよそ1時間。やっと残雪から抜け出してからもさらに30分下ったところで、ようやく「鳩待峠」の休憩所の屋根が見えてきました。

「鳩待峠」の休憩所の屋根が見えてきました。

 本日早朝から出発して9時間45分、距離にしておよそ24km歩いたことになります。

 お疲れさま~ッ!!

 途中、残雪で道に迷うハプニングを打破し、どうにか踏破できた達成感で喜びが満ち溢れてきました。そして、休憩所で買って食べた「花豆ソフトクリーム」の美味しかったこと!いつまでも忘れることのできない思い出の尾瀬となりました。

休憩所で買って食べた「花豆ソフトクリーム」の美味しかったこと!

 鳩待峠の無料休憩所で休憩していると、到着して30分でしっかりした雨が降り出しました。あの時、引き返しますと言って戻った3グループは大丈夫だろうか?そんな心配をしながら、タイミング良く帰れたことに再び感激しました。

 その後、連泊している鳩待山荘での入浴の気持ち良かったこと!もう最高!と叫ばずにいられませんでした。足の疲れはまだまだ癒しきれませんが、夕食後、さらに雨音の激しくなる中で、知らぬ間に眠りに着いていました。


2015年6月6日(土) 雨のち晴れ
 午前5時過ぎに目が覚めました。まだ、雨が降っています。それでも土曜日とあってか、窓から外を見ると大勢の入山客が訪れています。皆、色とりどりのレインウェアで身を包み、若い人たちのワイワイガヤガヤと楽しそうな声が聞こえてきます。これを見る限り、やっぱり尾瀬の人気の様子がうかがえます。

 午前6時、朝食の準備ができたとのアナウンスが流れました。早速、朝食を済ませてチェックアウトの支度にかかりました。しかし、どんなに早く支度をしても、連絡バスの一番早い出発時刻は8時40分です。

 これでは帰りがかなり遅くなってしまうため、次から次に訪れる戻りの乗合タクシーに乗せてもらえないのかを山荘の支配人に尋ねてみると、休憩所前にあるバス切符売り場で切符を買っておけば、乗合タクシーの乗員人数が集まり次第発車してくれるとのことでした。

 しかし、肝心のバス切符売り場は閉まったままで誰もいません。ちょうどそこへ一般タクシーで入山客を降ろした空車を見つけました。メーター料金ではありますが、バスを待っていられません。午前7時過ぎに鳩待峠を出発し「鳩待峠行バス連絡所」へと急ぎました。

 「鳩待峠行バス連絡所」までタクシーでおよそ20分、料金は4,380円かかりましたが、二人で割れば2,190円です。バスに乗っても一人960円かかるので、早く着いたことでそれ以上の値打ちがありました。ちょうど鳩待峠行バス連絡所7:40発の鎌田行のバスがやってきました。グッドタイミングです。

 その後、順調にJR沼田駅に到着し、ほとんど待つことなく9:15発のJR上越線に乗れました。ここから高崎駅まで行って、時間を見て帰りのコースを決めることにしました。高崎駅に到着は午前10時02分でした。

 相棒W氏の名案で、往路と同じでは面白くないので、北陸新幹線を利用して金沢経由で帰ることにしました。早速、切符の購入にかかりましたが、なんと10時台の指定席が満席とのこと。止むなく11時43分発の「はくたか559号」に乗車して帰ることにしました。

 新幹線の発車時刻まで時間に余裕ができたので、一度駅構内を出て周辺の土産物売り場等で時間をつぶし、有名な「峠の釜めし」を買って発車時刻を待ちました。指定席は隣合わせに取れなくて前後のB席(3席中央)だったので、両隣の人に気遣いながら食べた「峠の釜めし」の旨かったこと!

 まだ開通して間もない北陸新幹線の乗り心地は最高で、東海道新幹線と比較すると車両も軌道もバージョンアップが図られていることを実感できます。

 そんな往路も帰路も違う乗り物の楽しみ方を味わいながら、思いっきり満喫した尾瀬ハイキングの思い出の旅。そして、何よりも天候に恵まれ全てがグッドタイミングの最高の旅となりました。

 同行してくれた相棒W氏に感謝いたします。ありがとうございました!

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