京都・東福寺2006

 思い立ったが吉日です。前日の夜、ネットサーフィンで京都・東福寺の口コミ情報を見ていると、通天橋から望む紅葉の素晴らしさに触れていました。これを見て、居ても立っても居られなくなったのです。

ALBUM

2006年11月26日(日) 曇り時々小雨
 翌朝の日曜日の早朝、まだ夜も明けぬ真っ暗な中を、始発の電車に乗って京都まで来てしまいました。口コミ情報では、この時期の「東福寺」の拝観開始時刻は、普段より30分早めて午前8時30分からで、また平日でもたいへん混雑するらしく「ツアー客の訪れる前に到着しておく。」「朝早く行く。」ことが鉄則と書かれていたからです。

 ところがどうして、始発電車でやって来て、到着時間が午前8時15分とまだ早いと思う時間にもかかわらず、参道は団体旗を持つガイドさんの後に並ぶツアー客の人、人、人の人の波!臨時で作ったと思われる拝観券売場のテントの前から100m以上の列ができていました。

ツアー客の訪れる前に到着しておく。

 この人気ぶりはもう異常としか言いようがありません。聞くところでは、ここのところ連日3万人以上の人が、ここ東福寺の紅葉狩りに訪れていると言う。噂が噂を呼んでの人出だろうとは思いますが、それでも凄いことですね。

 京都に紅葉狩りのできる社寺は数え切れないほど…。どれほどの人が訪れているのだろう!想像もつかない物凄さです。そんな思いで待つことおよそ20分、雲行きが怪しくなってきました。そしてポツリポツリと雨が降ってくる始末。傘を差すほどでもないが、これからどうなるのだろう?少し不安感が心を過ぎります。

 その後、雨は小康状態を保ち、待つこと更に25分でようやっと拝観券を購入することができました。そして、行く手は「通天橋」です!

 列に並んでゆっくりと進んでいくうちに見えてきました。これが噂の通天橋!口コミ情報にウソはありませんでした。ここから望む紅葉は、天にも昇る光景で、その素晴らしさは「見事!」としか例えようがありません。これで人気ぶりが分かりました。

これが噂の通天橋!口コミ情報にウソはありませんでした。

 人の流れに沿って、その後向かった「開山堂・普門院」は、紅葉の彩りとは相反する趣で、ホッとひと息、心が落ち着きます。

 そしてまた、通天橋を見上げる中庭の紅葉も最高でした。数ある京都の紅葉スポットの中でもまた違った感動を覚えます。

 ひととおり見終えて、今度はこの時期だけの特別公開中である「龍吟庵」へと足を運びました。ここは、現存最古の方丈建築物を中心に、枯山水の庭園からなる室町時代の住居あとだそうで、その静かなる趣は、そこに住んだ古人の生活を思い起こさせるものがありました。

 龍吟庵を出るとすぐ横に「即宗院」と言う庭園史蹟がありました。ここもこの時期だけの特別公開だったので、折角だから入庭することにしました。ここは、明治維新の際、西郷隆盛が境内最奥の茶室に隠れ住み、大業を完遂した所とありました。庭園は室町時代の作と伝えられ、植え込み石、苔、池等を配置したやわらいだ自然の景観で優美繊細の秀でた作庭だとか…。

龍吟庵を出るとすぐ横に「即宗院」と言う庭園史蹟がありました。

 紅葉と庭園に見惚れていると、あっと言う間に午前10時を過ぎていました。それでもやはり朝早く来て正解でした。まだ10時なのだから…。もうひとつ「南禅寺」へも行って見ることにしました。

 南禅寺へは京阪電車が便利です。東福寺駅から三条駅で下車し、東山方面へと南禅寺までの散策を楽しみました。ところがどうでしょう!もうすぐ南禅寺という都ホテルを前にして、またもや雲行きが怪しくなってきたのです。京都駅で買い込んだ弁当の食べる場所にも困惑してしまいます。

 歩道はどこも人で溢れかえっています。雨が降ってくれば、屋根が無いと弁当を食べる事だってできません。そうこう考えているうちに「蹴上」の交差点までやって来て、歩道に設置してある大きな案内表示板のすぐ近くにちょうど良い石椅子を見つけました。

 ここに腰掛けては、人の流れを楽しみながら、雨の降らないうちにさっさと弁当を開いては昼食時間としたのです。そして食べ終わった途端、ポツリポツリとまた降ってきました。時間は午前11時50分でした。

 家を出てからちょうど7時間が経過しています。普通の日帰り旅行なら、もう帰路につく時間です。この時間から帰路につくと、人ごみに揉まれずに帰れるかも…。明日は月曜日で普段どおりの仕事です。東福寺での紅葉狩りで十分満足できる収穫があったことだし…。「帰ろう!」

 そして、京都駅へ。そこでは例の特大のクリスマスツリーが飾られていました。そうか…季節はもう年の瀬なんだ…。途端に1年の経つ早さに驚かされてしまいました。そう言えば、去年も「大原野」の紅葉狩りに来て同じ思いをしたことを、つい昨日の事のように思い出されます。

そして、京都駅へ。そこでは例の特大のクリスマスツリーが飾られていました。

 お祖父ちゃん(実父86)とお祖母ちゃん(実母82)のお土産に、京都駅前地下街のポルタで「おたべ(栗あん & 柿あん)」を買い、早く帰って、この紅葉狩りの写真を見せてあげたいという気になりました。

 切符を買わなくて済む「ICOCA」カードは本当に便利です。改札口でタッチしてホームに向かうだけ!自動券売機の前に並ばなくて済むだけでも非常に気が楽です。

 自宅到着は午後3時45分でした。時間もまだ早いので、雨のしとしと降る中を、早速お土産を持って実家へ急ぎ、デジタルカメラの写真をテレビに映しては、年老いた父母に自慢げに見せる私でした。

このブログの人気の投稿

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)

東北地方車中泊の旅2024

香住カニかに2025